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kintone 社内ハンズオンやってみた話

12/18(月)kintoneユーザーイベントCHALLenGERsでLT登壇した。
僕が話した内容はkintone導入という挑戦に対して、どのような障壁があって、どう乗り越えたか、というもの。

乗り越えた結果、今は社員みんながkintoneを使って仕事をすることが当たり前になった。めでたしめでたし、という話。

これは会社の中という凄く狭い世界の話だ。もちろんそこにフォーカスする必要があるし、その狭い世界を何とかするのがミッションだった。
しかし、そのイッツアスモールワールドがめでたしめでたし状態になったら、そこで終わりなのだろうか。今度はもう少し背伸びして次の壁の向こう側を覗いてみても良いんじゃないだろうか。

だから登壇の最後に、明日こんなことやろうと思う。って話をした。


会社でkintoneのハンズオンをやってみたい

と思った。これは何も「全員がアプリを作れる人材となれ」という訳ではない。が、IT?システム?無理無理!からkintoneのアプリを使って業務を進められる状態になったなら、少しステップを進めてみても良いんじゃないか、と思った。

ねらいは「気づきの共有」と「作る人の視点」から見てみること。
ワイガヤしながら意見を出し合ってみれば、自分以外のユーザーの考え方を知ることができ、アイデア・ヒントの発見が豊富に得られる。
贅沢を言えば「作ってみたら、面白い」と思ってもらえたら嬉しい。

また、"自分で作る" "出来上がるまでの過程を見る"ことにより、課題に直面したときに、それを解決する流れを疑似体験することができる。即ち問題解決に役立つ視点や能力を養うこともできる。と考えた。

普段からビールばかり飲んでインターネットという大海原にくだらない言葉の海洋ごみを撒き散らしてばかりの僕だが、たまにはこういうことも考えたりするのだ。

どういう風に、何をやろう?

さてハンズオンって何だ?ハンズオンセミナーってよく聞くが。
ワークショップと何が違うんだ?っていうかワークショップもどういう意味だ?僕自身がこの程度のレベルであるので本当に困ってしまう。

ふざけている場合ではない

ハンズオンセミナー:解説を受けながら実践する
ワークショップ:問題解決への道を探ったりしながら実践する

こんな感じの解釈でいいのかな。やろうと思っているのは、3~4名のチームでお題というベースアイデアを元にアプリを作ってみてもらう。僕ともう1人の部下が会場をウロウロ徘徊しながら、疑問、質問に答えたりもできるようにする形。どっちの要素もあるなこれ。

ハンズオンワークということにした。

イベントを組み立ててみる

出来たアプリにレコードを入れるとこまで 全員がアプリに触れる機会を作りたい

お題はあくまでベースにして、自由な発想でやってもらいたい

使ってはじめて良し悪しが評価できる

ここまで出来たら御の字

こんな感じの流れで、なんか行けそうな気がしてきた。
さて、お題はどうしよう。簡単に作れそうなアプリが良いよね。あまり簡単すぎても学びがないよね。実際に業務で使うアプリとかってなるとちょっと重いよね。楽しくない。ありそうなアプリ。いくつくらい作る?5個?10個?設定どうする?部下と相談。

そのときのメモ帳

設定どうする?

意外にもこれが結構悩んだ。お題には背景が必要だ。
でもこれを作りすぎてしまうと、決まったものしか出来上がらない。かといって、あまりにも情報がないのも不親切で進めづらい。
何より普段からアプリ作ってる側が設定を考えると、今作り手となっている僕の考えや思想が色濃く出て、想像の範疇を飛び越えるアプリが生まれなさそう。そんな気がした。

なんて言えばいいんだろう。kintoneでアプリを作り始めたときの、あの正解が分からないけど少しずつ出来ることが分かっていく、あの感覚!(どの感覚)みたいなものを体験してほしい。
kintoneを知っているけど、kintoneを知らない人いないかなあ。
誰かお題の背景考えてくれー!

適任がいた

1回目が拡張機能を使わないといけない設定が多めだったので、やり直し。kintoneの基本機能で実装可能なお題にしてと頼んだ。

いい このわかってそうでわかってない感じがいい

AIにざっくり質問したとき特有の中途半端な回答精度を逆手に取って、ふわっとしたお題ができた。これらを少し調整して6つのお題に絞った。

できた

さて、全社会議でやってみる

社員が一同に会するチャンス、これをみすみす逃してはもったいない。
上手くいくかはよくわからんが、とりあえずやってみた。

今から皆さんにはkintoneでアプリを作ってもらいます

怪訝な面持ちってああいうこと言うんだろうな。
今から何やらされるんだって全員がそんな顔してた気がする。冒頭kintoneの説明とかフィールドの簡単な説明をしたけど、あの表情と空気感にじわじわHPを減らされて、僕の喋りもここ数年で1番ぐだってた気がする。実はハートが弱いのだよ。

3~4名のチームを12グループ作って、お題をランダムに配布します。
さあ、いよいよスタート。あー、こわっ。

いい感じの滑り出し

始まってみればみんないい感じにワイガヤしてるじゃないか。
まずはお題をベースにどういうアプリを作ろうかと思案している様子。

「アンケートアプリがお題なんですが、汎用性あった方がいいですか?それともさらに設定を決めて限定的なものでもいいですか?」
いいね。質問来ると嬉しい。思いのまま好きに作ってOKだよ。

12テーブルある会場を歩き回りながら、様子を見ていると徐々に質問が増えてくる。その質問が予想を超えてくるというか、ああ、普段から使ってくれてるからこそ出てくるものだなというものが多くて驚いた。

「タブで分けたいんですけど、できますか?」
「AとBのチェックで表示させるフィールドを分岐させたいのですが」
「申請アプリみたいなワークフロー?みたいに設定したい」
「特定の人にしか見えないようにできますか?」
「こういうグラフを表示したいんですけど」

みんな本当に今日初めてアプリを作る人たち?基本機能の枠を飛び越えているものすらあるじゃない。
驚きもあったけど、喜びというか、ちょっと込み上げてくるものすらあった。また細かな工夫やアイデアがあって凄く良かった。
いくつか紹介したい。

できあがったアプリを少し紹介

観光地アプリ

お題:観光地アプリ
1番下のフィールドは実際に行ってみた人のオススメ写真をアップするんだって!

欲しいものリストアプリ

お題:欲しいものリストアプリ
プロセス管理の機能を説明したら、偉い人に申請が回るようにしっかり実装されていた

献立アプリ

お題:献立アプリ
絵文字を活用してて分かりやすい~

うちの会社は最高だと思った

毎日働いていれば良いことも、悪いことも、上手くいくこともいかないことも、色々あるが。うちの会社は最高だと思えた。
思っていたより理解が深く、思っていたより発想が豊かでアイデアに溢れていて、思っていたより真剣に取り組んでもらえた。
ってのとやっぱり初めてアプリ作るのに、チームワーク、協力プレイで課題を打開していく雰囲気が良かった。

12チームもあるので全グループ発表という訳にも行かないので、何チームか指名して発表してもらおうと思っていたが、僕の部下がこう言う。

「みんな凄くいい感じに出来ているから、指名しなくても我こそはというチームもいるんじゃない?」

彼女の予想通り、発表してくれた数チームは全て自ら「発表します」と名乗りを上げて登壇してくれた。そんなことも、すごく嬉しかった。

50人の前でいきなり作ったアプリ説明するの、緊張しないの?

社員に学んでもらおうと思っていた

社員のみんなにkintoneをもっと知ってもらおうって、そんなことで企画したハンズオンワークだったが、社員のチームワークとか普段見えない底力、予想以上のポテンシャルとか、そんなんを僕が一番思い知らされて、僕が一番学んだ。

kintoneって仕事で使う業務アプリ構築クラウドサービスだ。なのに、なんでこんなに楽しいんだろうといつも不思議だった。コミュニティも活発だし。
今回、このハンズオンワークをやってみて本当に良かったと思う。

「チームワークあふれる社会を創る」というのが、少しわかった気がした。

おわり


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