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中型、大型2種などにもAT限定免許導入へ…警察庁がパブコメ開始

警察庁が、中型や大型免許にAT限定免許等を検討中でパブリックコメント(パブコメ)を開始したのでその概要を書くことにする。


|現状

現在の自動車の免許区分としては
 「普通」(3.5トン未満)
 「準中型」(3・5~7・5トン未満)
 「中型」(7・5~11トン未満)
 「大型」(11トン以上)
であり、さらにそれぞれの区分に対応した2種免許がある。

また、市販の自動車には、AT(オートマチック)とMT(マニュアル)の二つのパタンがある。
AT限定免許の制度は、1991年に導入され現在は「普通」と「普通2種」のみが対象となっている。

|改正案の概要

警察庁では、道路交通法施行規則等の一部改正を検討中である。
改正事項としては
○ 自動車の運転に必要な技能についての運転免許試験等の見直し
○ 指定自動車教習所における自動車の運転に関する技能の教習及び検定の見直し
○ 中型自動車第二種免許に係る運転免許試験において使用する自動車の要件等の見直し
等となる。
今回の改正案では、AT限定免許を導入しようとするもので、「AT大型」「AT中型」「AT準中型」のほか「AT大型2種」、「AT中型2種」の計5種類が追加されることになる。

|AT車による試験も導入

現状の制度では、AT免許取得者以外、つまり一般的なマニュアル免許を取得する際にはMT車両を使用した教習や試験を行っているが、2025年度からは普通免許を含む各種マニュアル免許の教習や検定にもAT車を使い、クラッチとギア操作の科目のみマニュアル車とする見直しも行うという。

MT免許を取得しても乗用車などではAT車両が多く存在し、AT車両のブレーキ操作の誤りなどによる急発進事故などの防止をも主眼に置いているようだ。

|施行時期(導入時期)

警察庁案では、パブリックコメント(意見公募)を経て、関連規則の改正作業に入ることになるが、施行時期については、教習所などの教習用車両の準備に必要な期間も勘案して、
 ・中型、準中型、中型2種は2026年4月から
 ・大型は2027年4月から
 ・大型2種は2027年10月から

それぞれにAT限定免許を導入する方向である。

|募集期間

一般からの意見募集の期間は、2024年4月19日~5月18日の30日間としている。

|おわりに

以上のような改正案ではある。
圧倒的にAT車両が増加している中なので、MT免許の場合にAT車両での教習を行ったり検定試験でもAT車両を使用することにすることは、AT車による事故が多い中なので、ATによる教習も必要な時期になってきたものと推察する。

また、大型車両などにAT限定免許を導入することも、現状での大型車両の普及状況などを勘案するとむしろ適切な判断ではないかとも感じているところだ。

一方この改正により、トラックドライバーやバス、タクシー運転者を増強させることができるのかという点では若干疑問も残る。

いずれにしてもパブリックコメントに参加してみませんか?

https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=120240010&Mode=0

意見公募要領   PDF  
意見公募要領 別紙1     
意見公募要領 別紙2  
新旧対照表(道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令案)   PDF
新旧対照表(指定自動車教習所等の教習の基準の細目に関する規則の一部を改正する国家公安委員会規則案)   PDF

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