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鶏ガラから作るダイエットスープの覚書

北海道旅行で体重を3キロ増やしたことをきっかけに、ダイエットを始めました。基本的には食事制限を主として、運動はまあ気がむいた範囲で。ダイエット飯といえば野菜がたっぷり入ったスープ。鶏胸肉をあわせるのが鉄板だけど、あまりにタンパクだと長続きしない。

そういえば菊地成孔が『スペインの宇宙食』の中でダイエットスープを作っていたな、と思い出しページをめくるとかなりざっくりとしたレシピが記載されていたので、このレシピをベースに適宜アレンジを加えながら作ることにしました。参考にしたレシピを下記に引用します。

〈地鶏と大根とキノコのスープ〉
(1)鍋にトリガラスープを煮立てる。僕は鶏ガラと鶏肉で取ったが、市販のスープストックで充分
(2)大きめの拍子切りにした大根を投入。再沸騰→弱火
(3)大根の火の通りが70%になったら再沸騰→ぶつ切りの骨付き地鶏を投入
(4)再沸騰→アクを引き、そのまま白菜、椎茸、マイタケ、エノキ、しめじ、豆腐を投入→中火
(5)各素材のエッセンスが混じったら調味。塩、胡椒、日本酒、醤油を適量
(6)弱火でキープして、味、質感共にベストなポイントになった所で完成
菊地成孔『スペインの宇宙食』少学館文庫(P.378-379)

そもそも僕は鶏ガラを使って出汁を取るということ自体が初めてだったので試作として一度、それを踏まえて本番としてもう一度作りました。引用元のスタイルを踏襲し写真は載せない(というか撮ってない)ので根気のある方か暇な方だけどうぞ。

まずは材料集め。

鶏ガラを手に入れなければならないので、普段行くイオンやオオゼキではなく肉のハナマサにしました。普通のスーパーでも言えば出してもらえる、という話もありますがハナマサが確実。鶏ガラ(胴体と首がはいったやつ)を1袋購入し、その他に鶏もも肉、大根、マイタケ、椎茸、エノキ、ひらたけ、白菜、豆腐を買いました。骨付きの地鶏をを使えればそりゃあ良いけどそんな贅沢はできないので鶏もも肉は骨から外された一般的なノーブランド品にしました。

作る。

鶏ガラを大きめのボウルに入れ、流水に晒しながら解凍する。完全に解凍したら胴体の掃除。GAMEBOYカラー(僕はクリアパープルだった)と同じ要領で両手を使ってホールドし、親指で胴体内側にくっついた内蔵をこそげ取っていきます。ちなみにここが今回の調理のハイライト。心臓なのか肝臓なのか砂肝なのかわからない小さな臓器を指でぶりぶりと落とす快感ったらありません。

ある程度きれいになったら15分ぐらい流水にさらして血抜き。だいたいのレシピではこの工程は飛ばしても良いと書いてあったので、一応やっとくかぐらいのテンション。その間に鍋にお湯を沸かす。

血抜きが終わったら沸騰した湯に鶏ガラを入れて臭みを取る。魚料理でよくやる霜降りという工程。1分ぐらいで引き上げて、再び水を張ったボウルの中で残った内蔵などを軽く取る。この間に(洗った)鍋にお湯を沸かす。沸騰したら鶏ガラを適当に手で折りながら投入。ついてでに冷蔵庫にあったにんにくとネギの頭も臭み消しとして投入。中火で煮る。

煮てる間に肉と野菜を用意する。鶏もも肉は邪魔な筋と骨片を取り除きいい感じのサイズに切り、ボウルに入れ塩と紹興酒で揉み少し放置して臭みを抜く。紹興酒にしたのはたまたま目についたから。日本酒のほうが癖がない感じになると思います。
個人的に、スーパーで売っている2枚で500円とかの安い鶏肉はできるだけ臭みを抜きたいのでこの工程を挟みました。肉屋で買った美味しい鶏肉だったらやらないほうがよさそうです。ある程度水分が出たら水で流しておく。同時に旨味が抜けるという話もあるけど、どうせ自分一人で食べるものなので、自分が納得のいく工程を踏むことも大切だったりもします。

野菜は好きに切る。引用したレシピでは大根は拍子切りにしていたけれど、僕の中では大根といえばいちょう切りが王道です。大根は他の野菜より火が通るまでに時間がかかります。試作時にはレシピどおりスープの中で煮る方法を取りましたが、大根の臭みや雑味のようなものがかなり出てしまった印象がありました。そのため、2回目ではレンチンして他の野菜と同じタイミングで投入。ちなみにこの工程はかなり効果的で、2回目の方が圧倒的に鳥の旨味をピュアに感じる出来となったのでおすすめしたいです。

そうこうしてると鶏ガラが煮立ってくるので、アクを引く。味見をして鶏の旨味をいい具合に感じたらザルを使って濾し、鍋に戻して煮立てる。鶏ガラを煮てる時間は多分合計で1時間ぐらいでした。ちなみに初回ではプラス2時間ぐらいグラグラと強火で煮て白湯(パイタン)にしたけどあんまりおいしくなかったので、2回目はどちらかと言えば清湯(チンタン)方面。実際は濾す工程なんかを結構適当にやっていたのでそんなにきれいなスープにはならなかったけど。

沸騰したら野菜を投入し、少し間を置いてから鶏肉も投入する。

アクを取りながら適当に煮つつ、塩で味を調整。ここが頑張りどころ。薄味では面白くないがしょっぱくしても美味しくないのだ。ちなみに引用したレシピでは味の調整に胡椒、酒、醤油を使っており、初回はこの通りにしたが味がまとまらないと感じたため2回目では不採用にしました。焼き物をするときもそうだけど、結局塩だけが一番美味しい気がする。味に飽きてきたら胡椒を足せばよいのです。あとは好きなタイミングで完成です。

補足など

初回は白湯や各種調味料が悪さをしてなんだかぼんやりとした味になりましたが、2回目は悶絶するほど鶏の旨味を感じる出来になりました。

仕事終わりの22時ごろから作り始め、24時半前には出来上がったので、夕飯作りにしては随分長いけれど、ガラからスープを取っていると思えばそう長くはないでしょう。それにほとんどが鶏ガラを煮る時間なので、youtubeでも観ながらダラダラと作るのがおすすめです。

このスープを1日できれば3食。気が向かなかったり、人と会う用事があったりしたら適度に他の食事を挟む感じの生活を送っています。体重と体脂肪も少しずつですが、確実に落ちているのであすけんのお姉さんも毎日ニッコリです。ダイエットに飽きたら焼肉かとんかつでも食べましょう。

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