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1994年の不知火舞は「女の子」だったのよ、というお話

本日、新年初めに物色祭りでもやるか、と秋葉原に赴きました。
と、帰ってきたらその秋葉原駅で血生臭い事件が起こっており冷や汗が出ましたね…本当に2024年、どうなっているんでしょう。

30年ぶりに、思い出の本と再会

特に目当てのものがあった訳でもなく、なんとなくDVDや本などを見て回る感じでしたが、まんだらけコンプレックスにてとても懐かしい本を見つけ、つい手に取りました。

1994年7月発行の「まるごと餓狼伝説」です

これは昔持っていて、おそらくは引っ越しの際に処分してしまった記憶がある本ですが…今は亡き新声社・月刊ゲーメストの増刊号として発売された餓狼伝説のコミック本です。ゲーメストがバイブルのゲーム少年だった自分にとって、この頃の新声社が出した本はあらかた目を通した覚えがあります。

ゲーメストに関しては以前書いた事もありますが、未だに段ボール二箱分はどっさり持っているので、また読み返して紹介していきたい気持ちもありますね。ゲームセンターに最も活気があった時代の記録物として価値が高いものだと思っています。当時のゲーメストは勢いがあり、雑誌の枠を越えてラジオ番組や主催のゲーム大会もやっていました。その一環…とも言えますが、アーケードゲームがモチーフの漫画雑誌も出していたんですね。「月刊コミックゲーメスト」ですが、この「まるごと餓狼伝説」その派生書籍といったところです。

ゲームキャラのイメージが固定されていなかった時代

今、ストリートファイター6が絶賛ヒット中ですが、リュウ、ケンといった古株のキャラクター達は、設定や性格付けがもう固定されていますよね。しかしそれはこれまでの歴史で少しずつ固まってきたもので、90年代はまだ扱われるメディアによって別人のように描かれることもザラでした。

この餓狼伝説本では、コミックゲーメストで連載されていた餓狼伝説2の漫画がおよそ単行本一巻分まるまる収録されていて、久しぶりに読みましたが…

不知火舞のイメージが、かなり違う。

のが、懐かしくも驚きでした。

一瞬「誰?」となりますが、これが舞です
餓狼2では18歳でしたが、本当に「少女」のイメージだったんですね

可愛そうな泣き顔で恐縮ですが、格ゲーキャラとして重鎮の域に入っている今の彼女と比べると随分幼く描かれているのが判ります。おじいちゃん子で、その祖父の最期に涙を流す場面ですが、この絵で不知火舞だと思う人は現在、ほぼ居ないのではないでしょうか。

いつものコスチュームに着替えれば、さすがに…ですが
それでも印象が近年のゲームとは大分違いますよね
なお主人公、テリーは変わりません
かなり、格好良く描かれています

テリー、アンディといったメインどころのイメージはそのままでしたが、この辺りの作品ごとに違って描かれるキャラクターも、黎明期ならではの面白いポイントです。余談ですが、ファミマガ連載のストⅡ漫画ではサガットが小悪党になりさがっていたのが今読むと大変な違和感と可笑しさを醸し出しています(笑)。

漫画のイメージが、ゲームにすら影響を与えたりも

そしてこの本、餓狼2以外にも天獅子悦也先生のギース・ハワード外伝が1話、掲載されています。
若き日のギースが日本に渡り、国家と契約し暗殺を請け負う殺人鬼の老人と出会い、その殺人技を吸収する…という餓狼伝説の前日談です。この話を機にギースは躊躇なく人の命を奪う様になった…という逸話なんですね。

龍虎の拳2の時点で26歳だったかと思うギースですが、
天獅子先生の圧倒的画力により超格好良く描かれています
闇堕ちしたアンディ…ではなく、ギースです
本当に似てるんだよなぁ(笑)

ギースの絶対的なカリスマ性は、この天獅子先生の漫画が逆輸入の格好でゲーム側にも影響を与えたのではないかと思っています。

他のケースだと、サムライスピリッツが大好きな和月伸宏先生がるろ剣の中でよく似た技を出せば、後のゲーム月華の剣士で逆にるろ剣から取ったような技が出てきたりもしています。さらに明確なケースとして、ストZERO3の神月かりんは中平正彦先生の「さくらがんばる!」からゲームに逆輸入されたキャラなのは周知の事実です。
こういった感じで、90年代のブーム真っ盛りの頃はゲーム、漫画が連動して盛り上がっていたものです。その一端を大きく担っていたゲーメスト、熱い時代の象徴ともいえる雑誌でした。

現在も活躍中のことぶきつかさ先生による、映画餓狼伝説の予告漫画。
今見るととても豪華な執筆陣だったりします。
余談として、吉崎観音先生や水上広樹先生もコミックゲーメスト出身だったりします
裏表紙にアニメ映画餓狼伝説の広告が。
DVDが入手困難な作品なので、今一度Blu-ray化して欲しいですね。
舞役の三石さんもXでそう仰っていました


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