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地域性を無視した家づくり

戸建て住宅は個人の試算ですので、法規制さえ満たしていれば、自由に建てることが出来ます。

そのため、奇抜な住宅や個性的な住宅も時々見かけますが、
見た目よりも良く考えておくべきは地域性に合わせられているかどうか、
だと私は考えています。


■メリットをデメリットが上回っていませんか

1)屋根を軽視している

一年を通じて雨が多い日本では、屋根は住宅にとって最重要箇所です。
屋根がしっかりとしていないと、雨漏りの不安が広がります。

しかし、最近の住宅を見ると、

  • 材料費を抑えるため、耐用年数がとても短い屋根材を使用している

  • 施工費を抑えるため、法規制とは関係なく軒の出を短くして外壁面に雨が当たりやすくしている

  • デザインを重視して、非常に勾配の緩い屋根やフラットに近い屋根を採用し、防水メンテナンスのサイクルを短くしている

が見られます。

他人事ですが、一般的な住宅よりも短いサイクルで頻繁にメンテナンスを実施している事を願うばかりです。

そして、その上に重量物が載っていたとしたら、
もはや、見なかったことにさせていただきます。

2)熱を自分で集めている

地球温暖化によって平均気温がどんどん上がっていく中、日射日数が日本上位の埼玉県では、如何に、日射熱を遮蔽するかがポイントです。

しかし、
黒色系の外装で日射熱を集め、家の周囲をコンクリートやアスファルトで蓄熱している住宅 を見かけます。

それで、熱を積極的に集めておいて、太陽光発電を載せたり、省エネ性能を上げたり、と言うのは、なかなか面白い考え方だと思います。

ちなみに、埼玉県では、サンルームやトップライトは設置する方位を考えておかないと陽射しが強すぎて大変なことになってしまいます。

3)光と風を遮断し過ぎている

最近の住宅傾向としては、外部を遮断して、室内で完結すること目指しています。
そのため、かろうじて四季がある日本なのに、
窓は小さく、または、少なく、もっと言えば、無くす
ようになってしまっています。

まるで、洞窟のような暮らし です。

いくら、温暖化が進んでいるとはいえ、太陽の光、自然の風、草花の香りなどは少しは感じたくないのかと思ってしまいますが、数字ばかりを追い求めていくと、閉じられた機械仕掛けの家にならざるを得ないようです。

法規制には従うのは当然ですが、
暮らしやすさをどのように追及するかは造り手によって大きく差が出る時代になったようです。

■効率良くして、暮らしを良くしないのかな

コスパは大事ですが、
本当にパフォーマンスが得られているかは、誰かの意見ではなく、自分でも想像してみることが大事だと思います。

大体、どこの業界でも、流行りは消費者が造っているのではなく、売り手側が売りたいものを流行らせていると思います。

そのため。暮らしやすさはしばらく流行らそうもないですね。

■最後までお読みいただきありがとうございます