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住宅と「北」と言う方位

住宅と方位は密接な関係がありますよね。
風水や方位学はもちろん、
方位によって土地の価格にも大きな影響があります。

気にしだしたら、いくらでも気になってしまう方位ですが、
国土の狭い日本では、方位などの要望を全て満たすことは容易なことではありませんので、今回は、方位に関する話題を書いていきたいと思います。

北の良し悪し

「北」と聞くと、
日当たりが良くない、ジメジメする、などのネガティブな印象が思い浮かび、「北枕」などのワードも気になる方が多いと思います。

太陽の動きで考えれば、北側の日当たりが良くなることは難しいのは当然のことです。
日当たりを重視したいのであれば、より南に大きく面するような敷地を求めるか、南側に開いた間取りを設計するか、をすればよいと思いますが、
日当たりは一般的に多くの方々が求める条件の一つですので、
コストアップには確実につながると思います。

また、昨今の省エネ推進の傾向を考えると、
日射はむしろ遮るものとして考えられており、窓も広い窓から小さい窓へと変わりつつありますので、これからの時代には「北」と言うワードのネガティブさは軽減されていくものと考えられます。

北側で日当たりが欲しいなら

天窓や高窓を利用すれば、
高い位置から光が取り入れられ、
北にも多くの光を届けることが出来ます。

また、間取りを工夫し、個室を増やさず、大きな空間を造ることで、
北を含めた住宅全体を明るくすることも出来ます。

北側をジメジメしたくないなら

家を建てる際に、北側に寄せて配置することが多いと思いますが、
塀や生垣と住宅に囲まれた狭い空間は湿気がこもりやすくなります。

出来れば、高い塀などは避け、風が通りやすいようにしておくのが望ましいですし、地面も砂利敷きなどにして、雨樋からの雨水も垂れ流さず、年中地面が濡れているようなことにならないようにしておくのが良いです。

太陽光発電を北側の屋根に設置しても良いのか

ちょっと話題がそれますが、
屋根に太陽光発電設備を設置する場合、
片流れ屋根や切妻屋根のような大きな屋根ではなく、
寄棟屋根などのパネルが設置しづらい屋根においても、所狭しとパネルを設置していらっしゃる景色をよく見かけます。

中には、北側の屋根まで設置しているものも見かけますが、
北側の屋根でも、発電量がゼロと言うことはなく、他の方位よりは下がりますが発電はするそうです。

設置の有無は、必要な発電量とコスト等とのバランスでお考えいただければと存じますが、北側の屋根に設置した場合の注意点として、
北側の隣家に対して、
太陽光パネルに反射した日差しがリビングなどへ直撃してしまうことがあるそうです。

それがどんなトラブルに発展するかは、ケースにもよると思いますが、
私はその話を聞いた時に覚えておいた方が良いと感じました。

北は活かしようがたくさんある

北側道路、北側玄関、北向きの部屋、
何となくネガティブに聞こえるこれらのワードですが、
不動産として第三者に販売しようと考えたとすると、確かにそういう印象があるとは思いますが、ご自分で住むための家としては、それほど、ネガティブな要素は少ないと思います。

むしろ、重要なのは周辺環境の方です。

その敷地の方位が重要ではないとは言いませんが、
私が住宅の設計をする際には、
方位よりも、周囲がどうなっているかを重視して設計していますので、
余程、方位に強いこだわりがあったり、日当たりをより多くしたい、
と言うことでなければ、活かしようはいくらでもあります。

埼玉県内でも、方位を気にせず設計できるエリアは周囲が田畑に囲まれたような地域に限られますので、方位にとらわれるのではなく、何か良いポイントは無いかと探した方が建設的な土地探しが出来ると思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。