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”リスペクト”

毎日投稿17日目。今年も残り15日となりました。
師走といいますが、本当に凄まじいスピードで進んでいきますね!
今年も残り2週間!楽しんでいきましょう!


僕はサッカーの指導者として活動している。
今年も30試合近く公式戦のベンチに入った。
公式戦は中学生年代であっても張り詰めた雰囲気の中で行われる。

勝負事には必ず勝者と敗者が生まれる。
試合が終われば、片方のチームは笑顔で、もう片方のチームは泣いているのだ。
それも含め、スポーツの持つ魅力であり、その捉え方と振る舞いを教えるのも教育だと思う。
そこでは勝者の振る舞いも、敗者の振る舞いも大事だ。

2022年サッカーワールドカップ、アルゼンチン対オランダの試合で、PK戦の末にアルゼンチンが勝利した。その際、アルゼンチンの選手がオランダベンチを煽り、世界中で批判された。

試合中に熱くなり、プレーが激しくなること、煽ってしまうことは仕方ないことかもしれない。
しかし、試合が終われば、「リスペクト」の精神を持ち、勝者は敗者を、敗者は勝者を称える必要があると思う。

そもそもスポーツはルールと倫理によって成り立つ非日常であり、試合が終われば、日常に戻る。
サッカーの試合中にスライディングタックルは正当なプレーだが、一歩ピッチを出てスライディングタックルをすればそれは暴行罪だ。

ピッチ内ではルールと倫理によって成り立つスポーツとピッチ外の日常を混同させてはならないのだ。

2019年のラグビーワールドカップでみたラグビーの「ノーサイド」の精神には感動した。

敗けた選手たちも下を向くことなく、勝者を称え、勝者も喜びを爆発させる前に敗者を称え、両チームの選手たちが握手を交わす。

身体のぶつかり合いが多く激しいラグビーだが、試合が終わればお互いの健闘を称え合い、感謝し、ラグビーを楽しんだ仲間として友情を深める。
素晴らしい光景だった。

先日高校サッカーを観に行ったが、試合終了とともに、勝ったチームはベンチから飛び出して感情を爆発させ、敗れたチームはその場で寝ころび泣きじゃくる。
感情を表現することは悪いことではない。しかし、「良き敗者」「良き勝者」ではないように私は感じる。

日本は古来から「道」の精神を大切にしてきた。相手を「尊重する」「思いやる心」だ。
剣道は、「剣の理法の修練による人間形成の道である」と言われる。

武道の世界において、相手は自分を映す鏡であり、自己の修練こそが重要だとされている。

古来からの日本の伝統文化「道」の精神は、勝負に勝つことだけに意味を見い出してはこなかった。


相手を思いやる気持ちを忘れない「道」の精神とラグビーの文化である「ノーサイド」の精神は、サッカーをはじめとするスポーツでも大切にしていきたい。

それを伝えるのが我々指導者だと思う。

勝ち負けを”どう捉えるか”、そして、勝者敗者共に、試合後に”どう在るか”をもう一度見直さなければならない。

ただ、サッカーを教える指導者ではだめだ。
きっとサッカーの上達以上に重要な事がある。

相手を思いやる「リスペクト」を忘れない人でありたいし、そんなチームにしていきたいと思う。

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