2009年10月16日-4

通夜で、彼の顔を見ることはできなかった。

向こうで、火葬してきたそうだ。

だから今でも、受け止められずにいるのかもしれない。

帰り際、あんたたち顔見なくていいの?と聞いてきた先生に言った、申し訳なさそうな気まずそうなお母さんの顔。

言葉を聞いた時の力が抜ける感じ。聞くまで、隣の部屋で眠っているものだと勝手に思っていた。

もう顔を見ることもできないのか

彼の存在が写真になった瞬間だった。

帰り道のことは、全く覚えていない。


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