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【読書記録】ローマ人の物語ⅩⅤ ローマ世界の終焉 / 塩野七生 ①

塩野七生先生の「ローマ人の物語ⅩⅤ ローマ世界の終焉」を読み終えました。 このnoteでは東西ローマの分裂から西ローマ帝国滅亡までの要約を記録します。 西ローマ崩壊後については、別のnoteに記録したいと思います。 要約テオドシウス帝の死後 キリスト教を帝国の国教にしたテオドシウス帝は、帝国の東半分を長男アルカディウスに、西半分を次男ホノリウスに継がせて紀元395年にこの世を去りました。 これまでも帝国の分割統治には前例がありましたし、テオドシウス帝も完全に分裂させるつも

    • 【読書記録】ローマ人の物語ⅩⅣ キリストの勝利 / 塩野七生

      塩野七生先生の「ローマ人の物語ⅩⅣ キリストの勝利」を読み終えたので記録を残します。 要約シリーズ14作目となる本著では、4世紀のローマ帝国を描きます。 前作ではコンスタンティヌス帝によるキリスト教の振興が描かれました。 キリスト教はローマ古来の宗教や政治と相容れないこともあり、長年多くの為政者から忌避されていましたが、ようやく日の目を見ることになります。 4世紀はキリスト教がメインストリームに躍り出て、力を拡大する時代となります。 コンスタンティヌス大帝の死後 キ

      • 【読書記録】ローマ人の物語ⅩⅢ 最後の努力 / 塩野七生

        塩野七生先生の「ローマ人の物語ⅩⅢ 最後の努力」を読み終えたので記録を残します。 要約シリーズ13作目となる本著では、3世紀後半から4世紀のローマ帝国を描きます。 3世紀前半のローマは度重なる蛮族の侵入やペルシアからの攻撃、疫病や災害に悩まされました。 軍事的な緊急度が高まったこともあり、この時代は軍人が皇帝に成り上がります。 ディオクレティアヌス 短命の連続だった軍人皇帝時代に終わりを告げたのはディオクレティアヌスでした。 この人の治世は21年に及びました。 しかも

        • 【読書記録】ローマ人の物語Ⅻ 迷走する帝国 / 塩野七生

          要約シリーズ12作目となる本著では、3世紀の衰退しつつあるローマ帝国を描きます。 1世紀末から2世紀にかけて栄華を極めた五賢帝時代が終わり、蛮族の侵入、ペルシアからの攻撃、財政難や疫病、災害に苦しむ時代に突入します。 本巻で特に印象深いのは、皇帝が次から次に変わることです。それも自然死ではなく、兵士による殺害や自死、戦死といった不幸な死が目立ちます。 3世紀以前のローマ皇帝は、血統ないし前皇帝の近親者から誕生しています。 もし皇帝に息子がいない場合は、わざわざ有能な者を養

        【読書記録】ローマ人の物語ⅩⅤ ローマ世界の終焉 / 塩野七生 ①

        • 【読書記録】ローマ人の物語ⅩⅣ キリストの勝利 / 塩野七生

        • 【読書記録】ローマ人の物語ⅩⅢ 最後の努力 / 塩野七生

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          【読書感想文】自省録

          マルクス・アウレリウス著 「自省録」を読みました。 感想だけでなく著者と時代背景についても記しておこうと思います。 マルクス・アウレリウスマルクス・アウレリウス(121〜180)は、第16代ローマ皇帝です。 彼の2代前の皇帝であるハドリアヌスから寵愛を受けたこともあり、エリートの道を歩みました。 身体的には強くない一方で、幼い頃から哲学を愛し、賢明な人物であったと言われています。 前皇帝であるアントニウス・ピウスの補佐としてローマ帝国の統治を行いましたが、その間は大変平和な

          【読書感想文】自省録