見出し画像

AIが描く私とラルゴ

旦那の知名度は、それ程、高くないけれど
イラストレーターとしては中堅以上で
「アレの、この絵を描いた」といえば
大体の人が驚く。

その驚く理由は大体、以下の3つ
①そういう絵は作者本人が描かないの?
②これって写真取り込みじゃないの?
③そんな仕事に携わっていたの?

イラストには名前が出ているものもあるし
出ていないものもあるから
相手の反応は、当然なのかなと思う。

もっと根本的な問題として
【イラストレーター】という言葉に
優雅なイメージを抱く人が少なからずいる。

好きな絵をサラサラ描くだけで
何十万も貰えるキラキラセレブな仕事だと
妄想を抱く人からしてみれば
旦那に憧れ要素は、ほぼゼロ。

お絵描き好きな子どもが
そのまま大人になってしまった
オタク臭漂う、おじさん。

平日の日中に、着るものも頓着せず
フラフラ出かける姿などを見れば
この人、仕事しているの?と
訝しまれても仕方ない程で。

ご主人様のお仕事、見てみたいと
ママ友モドキのご近所さんにいわれ
過去の作品を見せたときの第一声は

「ウソッ⁈ スゴく絵が上手いね‼︎」

下手な絵を見せられると思ってた?
スゴく返答に困った。



AIイラストが広く知れ渡るようになり
私や旦那の実家から、仕事は大丈夫か
事あるごとに聞かれる。

恐らく広告にカットとして使われるような
小さなイラストの仕事は遠からず
AIが跋扈するだろうと思う。

けれどもカードゲームなどに使われる
キャラクターの絵は、流行り廃りもあり
AIに情報を蓄積させていくよりも
一定スキルを持つ人に指示するほうが
まだ早いようだ。

キャラクターの外見だけでなく
辿ってきた物語や性格があって
それらを反映するポーズや表情
その場面に合った背景を落とし込む作業は
【情報】に【共感と想像】が必要かと思う。


仕様書では笑い顔とだけで済む一言も
キャラクターを理解する人からすれば
思い浮かぶ笑顔がある。

同じジョニー・デップが演じていても
ジャック・スパロウとウィリー・ウォンカを
同一視することがないようなもので

ジョニー・デップではあっても
別人格を演じている仕草や表情を
好きな人は明確に見分けていくはずだ。

心底楽しそうな
無邪気な
小馬鹿にしたような
人を食ったような
毒を含んだような
怪しげな

笑い顔が内包する細かな情報を
AIに蓄積させていくのは
果てしなく感じられる。

短い期間で終わるゲームや玩具では
そのデータを入力していくよりも
意図を汲んで動く人のほうが
今はまだ、使いやすいはずだ。

試しに、無料生成サイトを使えば
それがよく分かると思う。



先日、私とラルゴのイラストを
AIに描いてもらった。

【イタリアングレーハウンドを抱っこした
 50代の黒髪ショートヘアーの女性】

この犬、イタグレとちゃうがな…

イングリッシュコッカスパニエルと
シュナウザーのミックスみたいな犬…
さすがに犬種の間違いは許せない。

リテイクを出すついでに
自分は眼鏡を掛けているので
【黒髪ショートヘアーで、眼鏡の女性】
指示を追加してみたところ

なぜに犬まで眼鏡…?

犬にお揃い眼鏡を掛けさせたのは
絵の中の女性が犬を溺愛していて
お揃いファッションだったに違いない。

そんなシチュエーションなんだと
無理矢理、解釈することにした。

なぜAIが犬種を間違えるか不思議だが
出来上がった絵自体は、悪くないと思う。 

無料で利用できるAIだと修正指示をする度に
人物の顔や服装・髪型が変わるようで
望み通りの絵にしたいなら課金して
情報入力を微に入り細に入り
バカ丁寧に指示する必要があるようだ。

どんなツールを利用するにせよ
自分の頭の中にあることを形にするのは
難しいことなのだと、よく分かる。

結論、使う人の力量が全て。
結局はそうなるのだろう。

余談だか、1枚目の女性が母に似ていて
スマホの画像情報を吸い出されているのかと
何となく落ち着かない。



【ペットロス・ロスト】のタイトルで
ペットロスについてを書いた。

何をしても、ただ悲しいのに
周囲から悲しむなと責められているようで
いちばん辛かったときに書いた。

AIならペットロスからの脱却を
どう書くのだろうと試したところ
お役立ちブログで見かける
ツルツルのプラスチックみたいな文章で。

体験のないウンチクみたいだな
一緒に読んだ旦那の感想に、強く頷く。

AIが伝えてくれることは
可もなく不可もなく
どこまでも模範解答で

そう出来ればいいけれど
出来ないときの共感や寄り添いがないし
趣や余韻が、全く感じられない。

AIに人を慮ることが出来ないうちは
奪われる作業自体は瑣末なことだと思う。

「AI、恐るるに足らず!」
「今は」という条件付きで豪語する。

…ということで、件のAI生成文を転載。
*改行のみ編集



犬とのお別れ、ペットロスからの脱却に悩む
飼い主さんが増えています。

ペットとの別れは心を痛めるものであり、
それによって引き起こされる悲しみや寂しを
"ペットロス"と呼びます。

本記事では、
ペットロスからの脱却方法をご紹介します。

まずは、ペットとの関係をしっかりと受け止め、感謝の気持ちを持つことが大切です。

また、悲しみを癒すためには、
自分自身の感情を大切にし、
時間をかけてゆっくりと
心の整理をすることも必要です。

さらに、新たなペットを迎えることも
1つの方法ですが、それには
用意や覚悟が必要です。

ペットとの思い出を大切にしながら、
新しい生活への一歩を踏み出しましょう。

ペットロスからの脱却に向け、
心のケアや新たな出会いを通じて
前に進んでいきましょう。



腐って停滞しているように思うときでさえ
私たちは、時間の最先端で
前進を余儀なくされていて

動く歩道に乗るように運ばれながら
私は移る景色を横目に
ラルゴの姿ばかりを
追いかけている。

ラルゴは、世界一魅力的な犬だった。

どんな絵でも写真でも
どんなに詳細に綴った文章でも
彼の魅力を伝えるには足りないし
失った悲しみの深さや
一緒にいた時間の素晴らしさを
言い表すことはできない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?