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週末の夜明け

 本当に昔からひとつのことしかできない人間で、何かに熱中し始めたらもうそれ以外のことが目に入らなくなってしまう。

 二ヶ月ほど前に「よし、きちんと長編書こう!」と思い立ち、気がつけばひたすら次はどんな展開にしようかとプロットを書き続ける毎日だった。仕事以外の時間はそのことしか考えてないから当然ながら他のことがまるで頭に入らない。改めて不器用な人間だな、とクスリと自嘲気味に笑ってしまった。結局本日小説は完成としたが、まだ納得はいってない。

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 だいたいここ2週間くらい集中的に執筆しようと思って、毎日過去に海外で撮影した写真を挙げていた。ようやく終わりを迎えたので、ぼちぼちnoteにも記事を寄稿していこうかな、と思います。で、改めて自分が旅した写真も見返していたのだが、やっぱり海外へ旅に行きたい…と思ってしまった。次に行けるとしたら一体いつになるのだろう。

 今宵はここ最近、noteにつぶやきという形で上げた写真を振り返ってみることにする。以前はInstagramにもよく投稿していたのだが、写真って一度撮って満足してしまう。せっかくなので、いつか撮り溜めた写真を使って写真展をやりたいと思ってるけどいつになるやら。(本当はコロナ前に本気でやろうと仲間内数人で企画していたけどおじゃんになってしまった…)

ミャンマー(2015年8月)

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 「今でももう一度行きたい国」不動の一位。何が良いかって、文化や人や空気感全て。言葉じゃ表現できないくらい全部好き。この国の至るところにある遺跡ももちろん素敵だったし、何よりも国全体の雰囲気が私の肌感覚に合ったんだと思う。毎日刺激的なことばかりで、飽きなかった。今思うと、本当に行っといてよかった。今や再び軍事政権が国を掌握し、混乱が起きている。たぶんコロナ騒ぎが起きても、しばらく行くことは叶わないだろう。

 あの時出会った人たちは無事だろうか、とぼんやり考えてしまう。

カンボジア(2015年12月)

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 カンボジアとミャンマーの写真は、フィルムカメラではなくてデジタルで撮影したもの。これはこれで好きかも。

 カンボジアって一昔前は「クメール・ルージュ」主導による反政府闘争があってかなり荒れていたらしい。この時のお目当てはアンコール・ワットだったのだが、そこかしこにその当時の傷跡があってチクリと胸が痛んだ。たぶん世界の出来事に興味を持ったのはこの時からかもしれない。世の中には綺麗なものばかりではないと痛感した。

 カンボジアで起きた悲惨な出来事を知った後だったから、この場面を見た時どこか救われた気持ちになった。

ベトナム(2016年12月)

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 ホーチミンの床屋さん。びっくりしたのが、お店の前には何も仕切るスペースがなくてかなりオープンな感じで髪を切っていたこと。この色合いといい、ところどころに飾ってあるオブジェといい、めちゃくちゃお洒落やないですか!とても感嘆しながら写真を撮ったことを思い出す。シャッターを押す瞬間って、たぶん新たな発見が感じられた時だと思う。

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 たまたま目の前を通りかかってふらりと立ち寄ったご飯やさん。旅を始めた頃はよくあるガイドブックに載っているようなお店ばかり行っていたけど、むしろローカルフード食べるなら自分の嗅覚に従った方がいいじゃないか!と気がついたのもこの頃くらいかも。そして断然こうした場所の方がお店の人とも仲良くなれるということを知ったのもこの時です。

フィリピン(2017年5月)

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 私の身に起きたさる事件がなければ、本当に素敵な場所でした。少し足を延ばせばやたらと自然が広がっていて、軽いトレッキングしながらも普通に景色を楽しんでいた。この写真の場所はカルデラ湖みたいになっていて、思っていたよりも大きくてびっくり。街の人たちもどこか崩れた感じで面白かったな。とにかく時間がゆっくり、流れていた。

タイ(2017年7月)

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 本当にタイは何度行ったか分からないくらい結構な頻度で行ってた。5時間くらいで行けちゃうので、3連休くらいでも気軽にサクッと行けちゃう。何が良いってどこかみんな温かい雰囲気で迎えてくれるところ。そして何といってもスパイシーなローカルフードが病みつきになる。街にたどり着いた瞬間、毎回「帰ってきたよ!」と思わずハイタッチしたくなる。この騒ぎが落ち着いたらハイタッチしてくれるといいな。

ラオス(2017年8月)

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 今振り返ったら、数年前はものすごいペースで海外に行ってた。この時結構荒れていた時期で、とにかく海外の空気吸わないとやってらんない!って感じだった気がする。とにかく非日常の世界に触れたくて、半年以上前から念入りに計画立てて飛行機のチケットを取っていた。自分のことを誰も知る人がいない世界に解放感を覚えていた時期だった。今や懐かしい思い出。

ドイツ(2017年12月)

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 気がついたらマイルが結構な数貯まっていて、「お!これドイツ行けてしまうじゃないか!」ということを知り、出発の1年前くらいにチケットを取った。だいたい1週間くらい滞在していたけど、もう毎日天気が悪くてうんざりした。でも夜パブで知らないおじさんにビール奢ってもらえたり不思議と温かい街だったな。あの寒空の下で見た景色はどこか開放感に満ちていた。

インド(2019年5月)

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 この国に行ったら世界観が変わる、と旅仲間から言われてはや数年の月日が経っていた。初めて訪れた時、できるだけ早くこの国を去りたい。と本気で思っていたけれど、国を出発して数日経つ頃には不思議とまた行きたいという気持ちになってしまうのだ。人と人との距離が嫌になるくらい近く、混沌とした国。今でも胃もたれしながら食べたカレーのことを思い出す。独特な匂いがする国だった。

スペイン(2019年8月)

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 スペインは2回目。友人たちと1週間訪れたのだが、久しぶりに行くスペインは新たな発見の連続だった。毎日南部に点在する「白い街」を訪れて、暑い暑いとジェラートを食べながら街を歩いた。白い街はもちろん見た時にはテンションが上がったけど、暑さを凌ぐために入ったピザとかワインとかの美味しさが頭の中に残っている。町中に張り巡らされた路地裏も素敵だった。またいつか、訪れたいと思う。

モロッコ(2019年8月)

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 「青い街」として知られているシャウエン。スペインとは対照的な風景が広がっていた。どこかアラジンを彷彿とさせる街並み。スペインは外に延びるように街全体が構成されていたけど、モロッコの場合はまるで迷路の如くあちこち入り組んでいた。至るところに猫がいて、ニャーニャー鳴いている。この街で見た夕焼けを、私はきっと折につけて思い出すのだろう。

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 この状況が無事沈静化したならば、次に行きたい国がたくさんある。いつのことになるかわからないけど、いつか知らない国を訪れてその度にきっと私は自分が自分でしかないことを思い出すんだ。

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