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地球環境とリハビリテーション

地球環境と人々の健康は決して切り離して考えることはできない。
大気汚染による呼吸器系疾患、水質汚染による神経疾患、気候変動による食糧危機など、地球環境の影響によってリハビリテーションに関わる当事者は今も昔も存在する。

これから最も深刻化するのは、地球温暖化による影響ではないだろうか。
また、日本においては首都直下型地震や南海トラフ地震も予想される。全ての事象に対して考える知識は持ち合わせていないが、この2点については考えていきたい。

①地球温暖化による現在の影響

梅雨から夏にかけての大雨、洪水、台風が深刻化してきている。2018年の西日本豪雨災害、2019年の台風19号被害、そして2022年北陸地方や東北地方での線状降水帯による被害。

これらの影響によって、仮設住宅に暮らすかたや、転居を余儀なくする人が数多くいる。過去の災害から、リロケーションダメージが生じることは明らかであり、人々の健康面に大きな影響を与えている。

https://www.sjc.or.jp/topics/wp-content/uploads/2021/12/vol109_10.pdf

それと共に、今後深刻化していくことの一つが、福祉施設の立地環境による被災である。過去の土地政策の影響で、福祉施設の立地環境は災害のリスクが高いところに立地しているケースが多い。


2009年山口県の豪雨災害で12名が、2020年の豪雨災害によって、熊本球磨村の特別養護老人ホームでは14名が犠牲になった。

近年被害が大きくなってきている豪雨災害の広がりとこれからの超高齢社会において、特別養護老人ホームの災害リスクは、極めて大きな問題である。

②南海トラフと首都直下型地震

近年最も大きな災害であった、東日本大震災の10倍以上の被害が想定される南海トラフ地震。
”最悪の場合、関東から九州にかけての30の都府県で合わせておよそ32万3,000人が死亡し、揺れや火災、津波などで238万棟余りの建物が全壊したり焼失したりすると推計されています。地震発生から1週間で、避難所や親戚の家などに避難する人の数は最大で950万人。およそ9,600万食の食料が不足するとされています。”

そして、今後30年以内に約70%の確率で発生すると予想されている首都直下型地震がもし起これば、首都機能は完全に停止すると思われます。

地震による被害はもちろん、首都機能停止による様々な影響によって、人々の健康状態の悪化は容易に想定できる。

③地球温暖化をどう考えていくか

地球温暖化に対する大きな視点として、安宅さんの記事がとてもイメージしやすい。

森林減少や牛のゲップ、化石燃料の影響など、個々の影響は様々なところで聞かれるが、この記事では地球に入ってくる熱エネルギーから分かりやすく全体像をイメージできる。詳細は記事を参考ください。

今回の記事では、電力のエネルギについて考えたい。

2011年3月11日福島第一原発の事故。

そもそも、人類がコントロールしきれない「モノ」を使うべきなのか。
多くの人が疑問を感じ、これまでのエネルギー政策について立ち止まって考える機会となったのではないだろうか。もちろん、福島の現実は解決しているわけではなく、現在進行形である。

ドイツは、2030年にほぼ80%を再生可能エネルギーで担う政策に舵を切っている。

https://esgjournaljapan.com/world-news/16528

日本はどうか。

近年、特に問題となっているのが、夏期と冬期の電気不足。もし、電力不足によって停電が起こり、最も被害を受けるのは、おそらく人工呼吸器を使っている方や電動ベットを使っている方など、生活に困難を抱えている人であはないだろうか。

現時点で、予見可能性がある以上、回避策を検討しなければならない。

現時点では、さらに二酸化炭素などの問題を踏まえると、原発の再稼働は必要だと考えられる。

問題は、原発を使うかどうかではなく、その運用方法や運営会社、そして国
に対する不信感にあるのではないかと思う。

例えば、ドイツのシュタットベルケのような取り組みを広げていくことはどうだろうか。

この考え方は、電気に限らず、水道やガス公共交通など幅広く考えられる。
中央集権的な大企業が収益率の高さを基準に算入する構造ではなく、各地域それぞれの自治体、企業が自立分散的に持続可能性を高めていくための、自律的な取り組みである。

また、原発を再稼働する場合、事故後の補償や現実的な避難計画が大きな問題である。私が住んでいた宮城県石巻市は女川原発の隣町にあり、現実的な避難計画は出来上がっていない。

ここでも、最も困るのは避難が難しい方々である。

エネルギーも、防災も、最終的にはその地域でどう取り組むかにかかっている。

これらの問題を議論し、そして意思決定する人をどう選び、育てていくのか。私たち一人ひとりに委ねられいる。

医療従事者だからこそ、その視点で地球温暖化を考えていかなければならないと思う。

地球というと大きすぎて、何からできるかわからなくなってしまうけど、少なくとも一市民としてエネルギーや防災について関心を持って、地球環境とリハビリテーションの関係についても考え続けていきたい。

おまけ

長野県は、独自でこのような危機宣言を出し、全市町村が賛同して2050年を目指している。

2022年1月に長野県に越してきて、驚くことが2つある。

一つ目が、ゴミの分別とゴミ袋への記名。今まで、7つの都道府県で生活してきたけど、ここまで徹底している地域は初めてで、慣れるまでの大変だった。しかし、ここまで徹底しているとむしろ変な安心感がある。

二つ目が、クーラーが無くてもなんとか生活ができること。石巻市よりも涼しい。東京でクーラー全開で消耗してるなら、長野にどうですか?

小さなことだけど、ゴミや不要なエネルギーを使わないで生活できることも、一つの環境への配慮。

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