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ー詩と形而上学ーNo.34


完璧な青    

 


帰り道に見つけた
完璧な青が
高い空の天辺に
一滴のインクで
孤独な絵を描く


雲は遥か眼下にあり
飛行機の主翼の
揚力も必要なく
酸素の限界を超えて
魂が昇っていく


無重力
飛んでいる気分
万有引力に逆らって
ひとひらの羽根
羽ばたくまでもなく


無と銀色の宇宙の
中間地点にいる
二つ目の瞳に映った
白い鯨がよく見える
それは空を泳いでいる


詩性は音階になり
名前のない祈りになり
包まれるように
心音のあわいに
青く揺れている


再び魂が昇るとき
何も思い出さないだろう
壊れた空白の記憶さえ
ただ、たじろぐのだろう
その完璧な青の青さに

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