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再生、アート、未来の島

たとえ最悪の状況でも希望を失わない限り、再生し、さらにはアートで人を魅了する。

四国の香川県豊島。

美しい瀬戸内海に囲まれ、自然豊かな島だった。
しかし、1965年頃から土地を所有する業者によって水ヶ浦の土砂が大量に採られるようになり、この跡地に有害産業廃棄物処分場を計画した。

業者は、人々を騙して産廃の不法処理を始め、「ゴミの島」になるきっかけとなった。豊島の美しい自然は損なわれ、処理場の野焼きで子供たちは喘息で苦しんだ。

だが、住民たちは希望を持ちあきらめず、地道な行動を続けた。そうして1990年11月に兵庫県警が業者を摘発し、2000年6月6日、公害調停で知事が謝罪した。

豊島で起きた出来事は、高度経済成長の負の側面でもあった。効率性を重視するばかり、有害廃棄物で自然を破壊した。

しかし、最悪の状況でも目を背けず、希望をもって闘う人々を神は応援し、過去以上に輝く島にさせた。

2010年10月には、豊島美術館が瀬戸内国際芸術祭の開催中に開館。日経トラベルセレクションで専門家が選んだ建物が魅力的な美術館・ベスト10のトップにも豊島美術館が選ばれた。

豊島と豊島美術館を中心とする島にあるアートと自然の融合を伝える言葉はない。それは、アートが見て分かって理解するものではなく、各個人で感じるものだからだ。だからこそ、各個人でアートに対するとらえ方が全く異なることから、実験的でもあり、挑戦的でもあり難しいものだ。

確かなことは、この島の自然とアート融合は人々を魅了しているということだけだ。

最悪な状況でも希望を持ち、最悪から最高なものへと転換させた力強い人々。そして美しい瀬戸内海のブルーアートともいえる自然とアートで未来に向けて挑戦し、変わり続ける島。

この島に希望があり、変わり続ける。そして今後の日本を変えるヒントもある。





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