入院4日目:母の病気の原因が分かったかもしれない日
入院四日目。
朝、県内では震度3~5弱の地震があった。
私は利用者の避難経路を確保しながら母が心配になり、LINEをした。
母の病棟は七階で、しかも今は自力で立てない。
何かしらがあった時に自力でササッと逃げることさえできない状況が、改めて私は怖く、不安になった。
やはり七階は揺れ「死ぬかと思った」らしいが、無事だとLINEが来てホッとした。
入院四日目、母のLINEに変化が見えた。
「母今日元気。」という文字が並んだのだ。
LINE自体も自然体で割と明るい。
少し希望が見えた気がした。
仕事では、脊髄についてのイベントを今度やるので出店しないかという話があった。
タイムリーだと思った。
その日はちょうど母の誕生日だった。
この辺で脊髄についてのイベントは初開催らしい。
まさに母が脊髄の何らかの病気で入院している時にこんな話が来るなんて。
母はなんとか無事検査ができたらしく
食欲も旺盛らしい。
病気も、最初は脊髄梗塞ではないかと言われたが
どうやら脊髄感染症の可能性が今は強まっているらしい。
脊髄感染症ならば、リハビリで足は今よりマシになる可能性もあるらしく、母は希望が見えてきたらしい。
仕事後、父が面会に行ってきて「お母さんの顔色が入院してから今が一番いい。左足も悪化してないらしい。」と聞き、安堵した。
私は仕事の関係で平日は面会に行けず、LINEのみで
逆に父は毎日仕事後に面会に寄っていた。
あれを処分してほしい、という話ばかりだった母だが
入院四日目になり、物欲が強まってきた。
あれを持ってきて、これを持ってきて、あれしてこれして、と口が達者なようだ。
本来の母らしさが出てきてホッとした。
「ともかに迷惑ばっかりかけるんじゃないよ。」
と、父は母にたしなめられたらしい。
それくらいの元気が出てきた、と父は嬉しそうだった。
その日は仕事で嫌なことがあり、ひたすらに胃が痛く、給食も1/4も食べられなかった。
夕飯も食べる気分では全くなかったが
その母の様子と父の言葉を聞き
私は急にお腹がすいてきて
夕飯を久々にしっかり食べた。
ご飯が美味しいとようやく思った。
毎週木曜日は母とドラマ「大奥」を見るのを楽しみにしていたが
今回は初めて一人で見た。
病室は何時までテレビが見られるのだろうか。
見たのだろうか。
怒濤の展開だった。
母と内容を話しながら一緒に見たかったと思った。
夜は久々にゆっくり眠れた。
明日は大好きなリーダーの最終勤務日だというのに
久々にご飯が食べられて、ゆっくり眠れた。
それが嬉しかった。
どうか明日も母が元気でありますようにと願った。
そんな、母の入院四日目。
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