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令和元年5月1日にドコモショップに行ったら、とんでもないことになった

私はガラケー愛好家だった。

スマホが発売され
周りが徐々にスマホに移行していても
私は頑なにガラケー派だった。
家族も同様だった。

 
職場で利用者がかっこつけてスマホを購入したが
使い方が分からず
私は利用者から使い方を聞かれた。

とりあえず電話のかけ方ととり方を練習することにしたが
電話が鳴っても一動作で電話がとれず
スワイプをする必要があった。

 
ガラケーより面倒くさい…

 
昼休みを返上して利用者とスマホの練習をしたが
私はたった一日で嫌気がさした。
利用者は三ヶ月もしない内に解約してガラケーに戻った。

 
 
父親がやがて、スマホデビューした。
職場でスマホ率が高いらしく、遅れをとらないようにしたらしい。
だが、父親はガラケーさえ使いこなしていない。
パソコンならば使えるが
ガラケーの基本設定さえ微妙で
私がよくフォローしていた。

 
「お父さん、申し訳ないけど、スマホは私も教えられないから頼らないでね。ガラケーなら、メーカー違っても説明書なくても大体分かるけど、スマホはお手上げ。

利用者のスマホをちょっとイジったけど、めちゃくちゃ難しかった。」

 
私は父親にそう伝えた。

 
 
「分かってるよ。」

 
と、父は言ったが、三ヶ月でガラケーに戻した。
見栄を張らずにらくらくホンにしておけばまだ違ったのに
よりによってスマホデビューするからこうなる。

「らくらくホンは見た目がかっこ悪い。」

と言って突っぱねたが
今のところ周りを見ていると
らくらくホンデビューならば
皆さん挫折せずに、ガラケーに戻らずに済んでいた。

 
あれから何年も経ったが
父は未だにガラケーである。
それどころか、母がらくらくホンデビューする際に

「すぐに解約するなよ。ガラケーの方が楽なんだからな。使いこなせるのか。」

と、実に器の小さいところを見せた。
情けないことこの上ない。

 
生憎だが
我が家で一番最初にパソコンをマスターしたのは母であり
携帯電話を最初に手にしたのも母。
家族内で唯一ポケベルとピッチを使っていたのも母。

確かにガラケーは使いこなせている…まではいかず
私にたまに設定を聞いてきたが
父よりレベルは上だった。

 
更に、母がらくらくホンデビューする時には
既に私がスマホデビューしていた為
らくらくホン指導くらいは楽だった。

父と母を一緒にしてはいかん。

 
 
実際、母はらくらくホンデビューしてからガラケーに戻らずに至っている。
まだまだ手こずっていることもあるが
基本動作くらいはマスターしているので
十分だと思う。

 
 
 
私がスマホデビューをしたのは2014年だった。

ガラケー画面に突然、紫のラインが現れたのだ。
様子を見ていたが、電源を落としても直らないどころか
次の日に悪化した。
ググッて見たら、寿命だと分かった。

 
諦めるしかないか……

 
私は観念した。
数年以内にiモードはなくなることが確定していたし
ガラケーコンテンツは次々に廃止していた。
周りの友達は8割以上がスマホだし
職場でも私より年上の方がどんどんスマホデビューしていた。

何より、ガラケーはLINEができないことがネックだった。

婚活ではとにかくLINE交換が肝だった。
LINEができないと婚活が不利of不利だった。

 
 
ガラケーはまだ販売していたが
ガラケーが壊れたこと、ガラケーコンテンツが次々終了したこと、婚活でLINEが必須に近いことを理由に
私はスマホデビューをした。

 
 
私の彼氏はスマホを使いこなしていた為
一緒にスマホを買いに行った。
彼氏とは携帯会社が違ったので同じ機種ではなかったが
同じ白のスマホにした。
お揃いにしたかった。

 
彼氏から

①スマホは充電されていない状態で販売しているから即席充電器を買わなきゃいけないこと
②充電器がセットになっていないから買わなきゃいけないこと
③Gmail設定をしないと、様々な機能が使えないこと
④LINE等アプリ設定は自分でやらなきゃいけないこと
⑤ガラケーのような手厚い説明書はないこと
⑥画面が傷つきやすいから、透明なシートを貼ること
⑦暗証ロックをつけた方がいいこと
⑧スマホケースは、ドコモショップよりも家電やネットに豊富に売っていること

 
を聞いた。

 
 
購入したお店は本当に【購入】のみで
彼氏が教えてくれたそれらについて説明はないに等しかった。
もはやスマホは浸透していて
これらは常識のように扱われた。

 
彼氏と買いに行ってよかったと心底思った。

 
購入後は彼氏の車にあった充電器で充電させてもらい
彼の家でLINE等最低限の初期設定をする手伝いをしてもらい
彼の家を後にした。

 
皮肉なものだ。
婚活の為にスマホデビューした私が
彼氏とスマホを買いに行き
スマホの使い方を教わった。
画面シートを彼氏に貼ってもらった。

 
 
こんなに彼氏が好きなのに
ずっとそばにいたいのに
私は婚活をして、ここから抜け出すしか道はない。

 
彼氏が浮気性で、結婚願望がないからだ。

 
私は悲しかった。
初LINEは彼氏が隣にいる状態で彼氏にした。
大好きで大好きで大好きなのに

私が結婚や出産や本家跡取りを望む以上
このままダラダラと付き合うことはできなかった。
彼より好きな人を見つけ次第別れないと
婚期は遅れると分かっていた。

 
婚活のためにスマホを買った。
だけど
彼氏とのLINEはひたすらに、楽しかった。

 
世界は残酷だった。

彼を私は世界一好きだけど
彼も私を好きではあるし、優しいけど
彼が私だけを好きになることはない。

 
浮気は一回や二回ではない。
浮気相手は一人や二人でさえ、なかった。

 
 
 
スマホデビューをしてから
私はなんとかスマホに慣れていった。

仲が良い同僚と同じ機種にしたので
手取り足取り教えてもらえたし
従姉妹がスマホに詳しかったので
様々なことを教えてもらった。

 
ガラケーとの勝手の違いに戸惑ったし
ガラケーの方がよかった点ももちろんあったし
ガラケーほど使いこなせてはいない。

 
だが、時代はスマホなのだし
スマホと仲良くやっていくしかない。 

様々なアプリを使いこなせなくても
電話の使い方をマスターし
LINEとGoogle検索とGoogleマップの活用ができればよい。

私はそう思っていた。

 
 
初代スマホを使い出して三年目くらいに
画面が盛り上がっていることに気づいた。
右側の隙間から光が見える。

なんだこれは??

Google検索をしてみて、電池パックが膨れ上がっている現象だと分かった。

  
 
電池パックって、ガラケーの後ろにあるアレか!
スマホは画面下にあって、寿命が来ると画面が盛り上がるのか!!

 
私は慌ててドコモショップに行ったが
修理は難しく、高額の為
買い替えか交換が望ましいと言われた。

 
私はスマホ保険に入っており
数千円で新品の同機種と交換ができると知った。

 
スマホ保険に入っていた私、ナーーーイス!

 
私はとりあえず代用品のスマホを借り
新品の同機種にデータを移し替えた後
初代スマホを郵送した。

スマホ保険使用の場合、前に使っていたスマホは郵送が原則だった。

初代スマホにはアイドルのサインが入っていたから恥ずかしい気持ちも多少あったが
それよりも新しいスマホが届いて嬉しかった。

 
同じ機種という話だったが
アップデートされているのか、マーク等が多少今風になっていて違和感があった。

 
更に、新スマホ受取日は遠方に行く日だったので
私は充電をしつつ
電車の中で慌てて初期設定をしていた記憶がある。
バタバタした日だった。

 
 
 
二代目スマホと仲良くやっていたが
またも異変が起きる。

充電がされなくなったのだ。

携帯電話が使いすぎにより、充電が切れやすくなるのはよくあることだが
どんなに充電しても、46パーセントまでしか充電されなくなった。
いきなりである。

 
電源を切っても、どんな充電器で充電しても、100パーセントになることは二度となかった。
スマホ自体は普通に使えるが
充電状態は不安定で
いきなりガクッと10パーセントを切ったり
充電した瞬間に46パーセントになったりと
まだらボケ状態である。

 
これは買い替えしかないな…。

 
 
私は観念した。

ちょうどその時は平成最後の年の4月末で、令和元年初日にあたる5月1日は、私の仕事休みの日だった。

 
区切りよく、パァーッと令和元年に新しいスマホと共に始めるか。
スマホは初期設定時間かかるから、休みの日に買い替えの方がいいしな。

 
私はそう思っていた。

 
 
 
それが過ちだったと知るのは、5月1日当日である。

 
 
 
 
 
令和元年5月1日。
年号が令和に変わり、テレビや新聞では一種のお祭り騒ぎであり、めでたいムードだった。

天気は曇り。
ドコモショップは10:00からの為、私は9:50に到着するように家を出た。

  
ドコモショップに着くと

そこには既に30人の人が並んでいた。

 
 
えっ!?!?!?

 
 
私は意味が分からなかった。
いくら休日にドコモショップが混むとは言え
10時前からこんなに並ぶなんてあり得なかった。

   
 
混乱する私に、店員さんが無情にも告げた。

 
「全国でやっているドコモショップ、今日はここだけなんです。」

 
は!?!?!?!?

 
意味が分からない。
県内じゃなくて、全国で唯一やっているドコモショップがここだけだと!?
だから色々な地域からこの店に人が駆けつけた!?!?

私は待っている間に、Google検索をした。

 

働き方改革ー!!!
これか、これのせいなのか!?

 
私はビックリした…何も知らずに某ドコモショップに来た。
何故そこに来たかというと、家電量販店が近くにたくさんあり
画面シートやスマホケースを買い替えしやすかったからだ。

 
まさか、たまたま寄ったドコモショップが、レアな一部営業のドコモショップだなんて……。

 
令和元年早々、私はネタに恵まれたと思った。

 
 
無事店内に入り、予約票を受け取った。

事前予約者もいた為、「3時間後に戻ってきてください。」と店員に告げられた。
私の後ろにもお客さんは絶えないし、とんでもない日に来てしまった。

 
だが、今日買い替えのつもりでGWは予定を入れてしまったし
そもそもいつこのスマホは使えなくなるか分からない。
GWに友達と待ち合わせ前や遊んでいる時に、スマホが使えなかったら厄介なのだ。

 
今日待つしか道はない。

 
私は仕方なく、彼氏に現状をLINEで伝えたら大爆笑された。
例の、スマホデビューする際に付き合ってくれた彼氏である。

相変わらず腐れ縁状態であり、付き合ったり別れたりを繰り返し
私は私で付き合いつつ婚活をしたり、別の人と付き合ったが上手くいかず(彼と別れて、別の人と付き合った時期もあった。断じて二股ではない。)
未だにそばにいた。

  
「令和元年早々ネタ過ぎる(笑)」と笑われた。 

 
待ち時間が暇だから遊びに来ないかと誘うが
前日に派手に飲み会に参加した彼は二日酔いであり
「行けたら行くわ(笑)しばらくそこにいるだろ?」とLINEが入った。
結局二日酔いが回復せず、彼はドコモショップには来なかった。
だから待ち時間中、LINEのやりとりをした。

 
仕方なく私は
ドコモショップ付近のお店をウロウロした。
店員によると、ショッピングモールの中のドコモショップであり、ショッピングモールテナントと見なされたから
今回休業に含まれなかった、と説明があった。

  
 
様々な洋服屋さんや雑貨屋を見た。
付近にお店はたくさんあった。

だが、さすがに3時間も時間は潰せなかった。

誰か相手がいるならまだしも
一人だけならウィンドーショッピングは時間がかからない。

 
お昼を食べてもまだ時間はあり
一人でショッピングモールをウロウロウロウロした。
なんだこの令和元年初日は。

購入するスマホが確定なら、今のうちに家電量販店に行けるのに
まだ確定ではないから、ドコモショップが終わらないといけない。

 
くぅぅぅ~………!

 
私は待った。
3時間後にドコモショップに舞い戻り、小説を読んで過ごした。

待って待って待った。

 
結局、お店の人に対応してもらえたのは来店から四時間後だった。
そこからデータ移行等に取りかかった。

 
 
私は二つのスマホの内どちらを買うか迷ったが
若干安い方に決めた。
色は白と決めていた。
スマホは白以外に考えられないくらい
私の中では、スマホ=白だった。

 
ドコモショップを出た時、空は雨雲に変わっていた。
私は車に乗り、まずはLINEを起動させようと思った。
だが

 
何故かLINEは上手くいかなかった。

 
何故だろう。
スマホ初期設定は初めてではないのに
何故かLINEが上手くいかない。
LINEが使えないと、先に進めない。

 
私は仕方なくドコモショップに舞い戻り
LINEについて尋ねるが

「アプリ設定はお客様自身でやってください。個別対応はできません。LINEは通常通りできるはずです。」

と、身も蓋もないことを言われてしまった。

 
 
店内は忙しそうだし
私ごときに構っていられないのだろう。
なんせ全国でここしか営業していないのだ。
いちいち客のアプリ設定まで面倒見ていたら
仕事が回らなくなる。

先ほどの言葉は、私には冷たく響いたが
マニュアル通りの対応だし
店員が間違っているとは思わない。

 
 
私は諦めて、再び車内に戻った。

スマホを車で充電させながら
ひたすらにLINEができるようにイジったが
どうにも上手くいかなくて泣けてくる。
 
どうしよう。
なんでだろう。
LINE以外は上手くデータ移行完了してるのに
なんでLINEだけ上手くいかないんだろう。

 
そんな焦る私に追い打ちをかけるように空は真っ暗になり
土砂降りになり、強風が吹いた。

 
どうしよう…
どうしよう……
どうしよう………

 
私は涙目だった。
LINEができないスマホに意味はない。
LINEができるようになるまでは家に帰れない。

 
だが、なす術はない。
LINEができないから、誰かにヘルプもできない。

 
 
困り果てた私は
とりあえず近くのケーズデンキに入った。
今まで使っていた充電器やスマホケースは使えなくなるので
それらを買おうと思った。
画面シートも。

 
ケーズデンキは駐車場から入り口が遠く
傘は意味もなく、横なぐりの雨風で私はずぶ濡れになった。 

気落ちしている時にずぶ濡れで、それがまた惨めだった。

  
ハンカチやタオルで水滴を拭き
私は店内に入った。
お客さんはそこそこで、店員さんは多少ゆとりがありそうだった。

 
私は勇気を出して、若い女性店員さんに一部始終話した。
その方は私のスマホを見てくれた。

「本当だ。おかしいですね。普通はこれでLINEできるはずなのに…。」

その若い方は、一所懸命操作してくれた。
だがやはり、私と同じように上手くいかなかった。

 
私はスマホに詳しくないからともかく
ケーズデンキのスマホ売り場の若い店員さんさえ苦戦したのだから
やはり何かがあったのだろう。

 
店員さんは、他のスタッフを呼んだ。
やはり、LINEはできない。
他のスタッフは更にスタッフを呼んだ。

私のスマホ一台の周りには、スタッフ四人が集まり
あーでもない、こーでもないと言いながら
LINEができるように頑張ってくれた。

 
10~15分くらいかかったと思う。

 
 
「LINE、できるようになりました!よかったですね!!」

 
そう言って店員さんが私にスマホを手渡した。
スタッフの方達は拍手をした。
私は半泣きになりながら、「ありがとうございます。ありがとうございます。」と何度もお礼を言った。

忙しい中、四人もの方が駆けつけてくれたご恩を私は忘れない。

 
私は本当に嬉しかったので、スマホ関係の商品以外にも、そこの商品を購入した。
嬉しかったのだ。
本当に助かったのだ。

 
ドコモショップで待たされた挙げ句に「自分でやって」とマニュアル通り言われ
ずぶ濡れになったから尚更
人の優しさが嬉しかった。
ケーズデンキの店員さんの優しさが嬉しかった。

 
 
もともと、私だけでなく、家族も、家電量販店ならケーズデンキ派だった。

今回のスマホの件だけでなく
何か家電を購入する際
ケーズデンキの店員の方はいつも対応が丁寧で素晴らしかった。 
特定の店員がいいのではなく、全体的に優しかった。
だから私も家族も、ケーズデンキに絶対的信頼を寄せていた。

 
 
ケーズデンキを出る頃には、雨は止んで光が差していた。

 
 
  
結局その日、私は家に帰宅できたのは家を出た8時間後で
家族は帰りが遅い私を心配していた。

私は一部始終家族に、今日あったあれこれを話した。

 
母「大変な一日だったわね。」

 
私「でも、ケーズデンキの人が本当に優しかったから、いい一日になったよ。スマホも無事買い替えられたし、LINEもできるようになってよかった。」

 
父「あそこのケーズデンキは本当に対応がいい。今回も、ともかにそこまでしてくれたんだな。」

 
私「本当にありがたかった。」

 
父「ちょうど買いたい物があるから、明日お父さんもケーズデンキで買い物しよう。

やっぱりいい店員さんがいるお店にお金おとしたいしな。」

 
 
私はスマホ買い替え時のエピソードをみんなに話した。
家族だけでなく、友達もケーズデンキに行った。

 
家電量販店はたくさんあるが
置いてある商品や金額にそんなに差はない。
だが、接客態度は大きく差があった。

接客態度に思うところがある人達は私のエピソードを聞き
次々にケーズデンキに流れた。
そして、周りからも評判はよかった。

 
 
私は接客態度が悪かったお店の名前や対応した人の名前をSNSに積極的に晒しはしない。
あえてお店の人にも苦情を伝えたりしないし、具体的にも言わない。
ただもう行かないだけだ。
接客態度が悪いところにお金は落としたくない。 

 
逆に、接客態度がよかったお店の名前はエピソードと共にSNSに載せるし
対応した人が素敵な場合は名前をチェックし
本人に感謝を伝えるだけでなく
本部にメールをしたり、アンケートに名指しで書くようにしている。

そして、家族や友達に伝えるようにしている。

 

人と接する仕事とは、こういうことだ。

例えレビューに載っていなくても
SNSに載っていなくても
噂は噂を呼ぶ。

見ている人は見ている。
言葉にしなくても、だ。

 
 
 
令和元年5月1日。
私はスマホの買い替えでとんでもない目にあった。

だけど
令和元年早々から
人の優しさに触れることができて
忘れられない一日になった。

 
ケーズデンキさん、あの時は大変お世話になりました。





 


 
 

 


 


 
 



 

 


 

   

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