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転職して三年目突入

私は障害者施設で働いている。

今の施設に転職し
ちょうど二年が経った。

 
二年と言うと「まだ二年」
そう感じる人もいるかもしれないが
私にとってはようやく二年経った気がする。

日々の過ぎていくスピードはやたら早いのに
年数を数えるとさほど年月が経っていないことが分かる。

 
幼い頃から結婚よりも好きなことを仕事にすることが夢だった私は
大学で臨床心理学を学び
専門学校で社会福祉を学び
第一志望の障害者施設で内定をいただいた。

あの内定をもらった瞬間は
私の人生でもかけがえのない瞬間で幸せだった。

 
十一年、がむしゃらに働いて
色々な理由が重なり
予期せぬタイミングで退職となり
悔しかった。

 
それから約一年
ゆっくり将来を考え
今の職場に転職した。

 
とはいっても、私は心から納得して転職したわけではない。

内定に喜んだのは私より母で
前の職場への未練が断ちきれない私は苛立ち

「もしも働いてみて嫌だったら一ヶ月で辞めてやる。」

そう言い放ったことは今でも覚えている。

 
転職初日のお昼は味が分からなくて
早くも辞めたくなったこと。
帰りたくなったこと。

 
前の施設と価値観が真逆で戸惑ったこと。
私の個性や力や経験が活かせなかったこと。

 
働き始めの頃は嫌な思いをたくさんしても同僚に上手く話せなくて孤独だった。

 
だけど
リーダーはいつだって優しかったし
他の同僚とも少しずつ距離を縮め
少しずつ少しずつ私は今の職場が大切になっていった。

 
入職して三ヵ月で送迎デビューができた。
仕事もSNSや事務仕事を任されるようになり
販売の才能を認められて販売責任者になり
やがて下請け責任者にもなった。

 
仕事が増え、任されるたびに
プレッシャーを感じつつも喜びも感じた。

 
今年度でいえば新たな挑戦はクリスマス会の劇の台本だ。
15分の尺で一発OKだったことは嬉しかった。

 
前の職場の方とも再会したり、言葉を交わす機会があり
前の職場を忘れない自分と
今の職場で頑張る自分を抱きながら
日々過ごすことができた。

 
一年目は新しいことを覚える日々。
二年目は任された仕事をやりつつ、新たな試みをした日々。

そして施設長が約一年の休みに入り
施設長が交代するという大きなこともあった。

 
更に前々から計画していた移転も、ようやく移転先が決まり、動いた年でもあった。

 
私が入職する時に移転の話は聞いていたが
時期的に来年度かと思っていた私は
まさか職員二年目の時に移転の件が動くとは思わなかった。

前の職場は移転がきっかけに悪化した経緯があったから
私にとっては今の職場での移転もあまり喜ばしいものではなかった。

 
慣れてきた仕事が覚え直しになるし
出勤時間が早まることになった。
家から職場が遠くなる。
職場駐車場も停めにくく、遠くになった。

それだけでなく
利用者と行くであろう公園や駅も小さく遠くなり
使い勝手もどうかなぁと不安になった。

 
今までの地域は優しい方々が多かっただけに
移転先の地域はどうか不安もある。

 
だけど
移転に向けて準備をしたり、片付けていると
段々と前向きな気持ちになっていった。

 
やってみないと分からない。
やるしかない。

そう言い聞かせた。

 
転職して三年目は移転先での生活となる。
また新たな始まりとなる。
心細さはあるけど、でもきっと大丈夫。
転職したてとは違う。
私は今は一人じゃないから。

前施設長も今年復帰になるだろうし
また今年は濃い一年になりそうだ。


 
転職してから私にとっては
転職日は大切な日だった。

私にとってもう一つの誕生日のようでもある。

毎年ケーキを買い、食べながら
一年頑張った自分を労りつつ
また来年も頑張ろうという気分になる。

 
今月バセドウ病と診断され
しばらくは通院の日々となる。
制限もかかるだろう。
だけど頑張っていきたい。

三年目もいい年になるといいな。

 
余談だが
父親は異動、母親は転職、娘は移転と
家族みんなで春から環境が変わる。

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