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『マタイ受難曲』(磯山雅著)

こんばんは、音楽評論家の和田大貴です。磯山雅氏の著書『マタイ受難曲』について説明したいと思います。

磯山雅氏は、日本の音楽学者で、バッハの研究において権威とされていました。彼は、バッハのマタイ受難曲について、その歴史的背景や音楽的構造、テキストや音楽の関係、神学的意味などを詳細に分析しています。彼は、この作品が西洋音楽の歴史において圧倒的な存在感を誇る理由を、音楽学的にだけでなく、人間のドラマとしても解き明かしています。

バッハのマタイ受難曲は、新約聖書のマタイによる福音書の26章と27章に基づいて、イエス・キリストの受難と死を描いた音楽作品です。この作品は、大きく二部からなり、第一部はイエスの捕縛まで、第二部はイエスの裁判から十字架刑、復活までを扱っています。

この作品は、聖句、伴奏付きレチタティーヴォ、アリア、コラールによって構成されています。聖句は、福音史家としてのテノールと、イエスやピラトなどの登場人物としてのバスが歌い、集団は合唱で歌われます。伴奏付きレチタティーヴォとアリアは、聖句に対する個人的な感情や反応を表現します。コラールは、聖句に対する共同体としての信仰や祈りを表現します。

磯山雅氏は、この作品の各曲について、その音楽的な特徴や効果、テキストとの関係、神学的な意味などを丁寧に説明しています。彼は、この作品が、バッハの音楽的な技巧や創造力だけでなく、バッハの信仰や人間性をも反映していることを示しています。彼は、この作品が、罪や死や犠牲や救済をめぐる人間のドラマを描きながら、同時に音楽としての価値を超えて、存在そのものの深みに迫っていることを示しています。

磯山雅氏の本『マタイ受難曲』は、バッハのマタイ受難曲について、その魅力や意義を深く理解するための優れたガイドブックです。この本は、[マタイ受難曲]というタイトルで、ちくま学芸文庫から出版されています。

この本を読むとバッハのマタイ受難曲の音楽的美しさや感動をより豊かに味わうことができると思います。


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