見出し画像

動学的不整合な育児って話

4月も末に近づいている。
バタバタは相変わらずだ。
特に年度初め、しかも新しく非常勤講師を他大学でやることになって、
そっちの準備もてんやわんや。
その上弊学でも色々変化を起こそうとしている動きの、
多分割と中心に近いところにいて、
それはそれでさまざま仕事が日々生まれては消えていく。

そんな今日この頃である。

ところで、経済学には動学的不整合性という概念がある。
とても経済学っぽく、見た目にイカつい用語であり、
いかにも学問学問している感じの漢字である。

これは2004年にノーベル経済学賞を受賞したプレスコット教授らが提唱した概念で、
1977年に出版された、業界では超有名な論文で主張されたものである。

原文はもちろん英語であり、そのタイトルで inconsistency(辻褄が合わないこと)という言葉が使われ、その後業界では time inconsistency とか dynamic inconsistencyという用語がするようになった。

何か目標を立てて、それを達成するのにある時点の状況では最適だと思って選んだ行動が、時が経つにつれて他のやり方が最適だと思うようになり、やがて当初の行動が覆されてしまう状況を論じた論文である。

まぁ、日常にはよくある問題だ。酒をやめるぞ!と息巻いても結局酒浸りになっていたり、ダイエットするぞ!と言ってもうまくいかなかったり、世の中動学的不整合性に溢れている。

育児もそうだ。
先日のことである。

あたしがムッスメと交わしたなんとなくの会話
ム「お父さん、おやつ食べてもいい?」
あ「いいけど先にお風呂入ろう」
ム「じゃあ、お風呂に入ったらお煎餅食べるから」

ここから先は

450字

¥ 100

サポートされたら、とても喜びます。