見出し画像

#3 精神科での心理臨床1

統合失調症,双極症,うつ病,不安症や強迫症等々,心の不調を抱える患者さんの診療を担う精神科は,一人の専門家が全てを行うわけではありません(精神疾患の名称については主にDSM-5-TRから引用)。

精神科医・看護師・ソーシャルワーカーなど様々な職種の専門家が協力しながら,患者さん一人ひとりに必要なケアを提供しています。そこには,臨床心理士・公認心理師という「こころの専門家」(以下「心理療法家」という。)が含まれる場合もあります。

この多職種連携はオーケストラのようです。指揮者がいて,それぞれの楽器が独自の音色を奏でるように,専門家がそれぞれの専門性を発揮しながら,患者さんの心の健康,QOL(生活の質)を支えるための最適なメロディを奏でようとします。

この連携をスムーズにするためには,それぞれの職種が互いの専門性を尊重し,他職種の視点を理解し,共通の言葉を持つことが不可欠です。そうすることで,患者さんの回復にとってより良いプランを練ることができると思っています。

患者さんやそのご家族との信頼関係については,時間をかけてじっくりと築くことが大切です。

患者さん・ご家族の話に耳を傾けること。話をすることが難しい方であれば,小さなコミュニケーションから始めます。挨拶はもちろんのこと,アイコンタクト,時には沈黙の共有も大切なコミュニケーション手段です。

それらを通じて,患者さんが自分自身を表現しやすい環境を整えていくことが信頼関係構築の第一歩となります。

心理検査や心理面接が,精神科で働く心理療法家に求められる主たる業務といえるでしょう(どの領域でも、だな、うん🙄)。

精神科での心理臨床は,主たる業務に従事しながら,患者さん一人ひとりが抱える多様な人生の物語に寄り添い,患者さんのペースで少しずつ前進できるようサポートしていくことだと思います。

この記事では,「精神科での心理臨床」における前提をお届けしました。

秘密保持義務を遵守しながら,今後も精神科での心理療法家の役割等について皆さんにお届けしていきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?