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なぜ "to C" をやりたいのか

あなたは、誰の為にどんな仕事をしたいですか? アプリやウェブサービスの開発に携わる人は世の中に増えていますが、「誰の為にどんな仕事をしたいか」は人によって様々です。

私は株式会社ギフティでプロダクトマネージャーとエンジニアをやりつつ、開発メンバーの採用を兼務しています。

ギフティにはエンジニアが15名ほどいます(2018年04月)が、運営しているプロダクトは計10個以上存在します。プロダクトの種類は CtoC, BtoB, BtoBtoC など様々です。

面接では、候補者理解の為にこんな質問をしています。「誰に使われるプロダクトを作りたいですか。to B (法人向け) ですか、to C (一般消費者向け) ですか、特にこだわりは無いですか

面接だけでなく、勉強会や前職の同僚など、これまでに様々な人と話してきましたが、「to C をやりたい人」は少なくないようです。これまでの対話の中で得られた情報から「to C のプロダクトを作りたい人は、なぜ to C をやりたいのか」について考察してみました。( to B については、別の記事で書こうかと思います。)

何の為に仕事をするのか

お金を貰うことに価値を感じるのは当然です。

しかし「プロダクトを作る目的」は、お金を貰うことだけではありません。 プロダクト開発のプロセスを楽しむこと、顧客から感謝されること、人の記憶に残ること、多くの人に使われること、自分が信じた価値を人に届けること。ざっと挙げてもこれだけあります。

その中でも、後半の「 人の記憶に残ること」「 多くの人に使われること」「 自分が信じた価値を人に届けること」は、 to C をやりたい理由の重要なポイントになります。

①人の記憶に残る仕事をしたい

to C の方が、一人ひとりの感情に影響を与えるサービスになりやすいです。 to B の場合は法人に対する金銭的価値 ( 収益アップやコストダウン, 効率化 ) の提供が目的になりやすいので、どちらかといえば数字として記録に残る仕事が多いのではないでしょうか。

② 多くの人に使われたい

これに関しては「 to B の方が結果的に世の中への影響が大きいから to B をやりたい」という方もいました。定量的に to B と to C でどちらの方が世の中に影響を与えているかというと、結論を出すのは難しいでしょう。しかし、直接的に多くの人に使われるのは圧倒的に to C のプロダクトなので、直接的に多くの人に使われたいと感じる人は to C の方が楽しめそうです。直接的に使われたいという気持ちは「①人の記憶に残る仕事をしたい」に近い感情かもしれません。

③「自分が信じた価値」を提供したい

直接的にサービスの価値を感じることができるのはサービス利用者だけです。サービス提供者自身がそのサービスの利用者にならない限り「サービス利用者」が感じている価値を当事者として実感することができません

to C の場合は、 to B に比べて「サービス提供者自身がサービス利用者になりやすい」傾向にあります。

法人経営をしたことが無い人は、法人経営者向けサービスの当事者ではないので、法人経営者向けサービスの価値に実感を持てません。(当事者の声に共感することはできるかと思います。)

一方、 to C であれば、「自分もターゲットユーザーの一人である(または、身近な存在にターゲットユーザーがいる)」という構図が成り立ちやすく、サービスの価値を実感しやすくなります。

「to C をやりたい」のではなく、当事者でありたいだけ

「to C をやりたい」というスタンスだとしても、自分の関係の無い領域に興味を持つことは難しいのではないでしょうか。 タバコを吸わない人は、タバコ情報サイトを運営するモチベーションは比較的低いと思われます。

逆に、法人の手続きで煩わしさを感じたことがある人は、「法人向けサービスの価値を心から信じる」ことができます。例えば SmartHR 宮田さんは自身が経験した課題を解決すべく to B の事業を立ち上げたようです。

実際に、宮田氏は闘病中に、社会保障のひとつである傷病手当金を受給し、リハビリに専念することができた。また妻が妊娠した際、産休に関する煩わしい申請手続きの流れも見てきた。

当事者意識を持つことと、当事者であること

当事者意識は、元々自分が当事者ではない事柄について、関心を寄せること。
当事者であることは「実感があること」。自分自身がサービス利用者であること。または、身近な存在にサービス利用者がいること。

自分が当事者でない場合に「サービスの価値を信じる」為には意図的に関心を寄せる必要があります。 それはつまり当事者意識を持つということですが、当事者意識を持つこと自体が大きなハードルになることもあるかと思います。特に to B の場合は、まず顧客の業務を理解することが大変です。

たとえば、飲食店向けのタブレットアプリを開発しているとある企業では、定期的にアプリ開発エンジニアを飲食店に派遣して、丸一日スタッフとして働かせているそうです。

まとめ

この業界では「to C のプロダクトに携わりたい」という声をよく耳にします。「to Cをやりたい」で終わらせず「なぜ to C なのか」という問が価値を持つと信じ、以上の考察をしてみました。

他に to C をやりたい理由として耳にしたのは「意思決定が早い」「リリースサイクルが速くて開発が楽しい」「(ターゲットユーザに近い存在なので) プロダクトの意思決定に参加しやすい」「自分で事業を作りたいけど法人営業が得意でない / 法人向け事業の作り方が分からない」などがあります。

to B については別の記事を書こうと思います。

「自分はこう思ってるよ!」という方がいたら、ぜひご意見頂けると嬉しいです 🙇


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