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バスケをそのままいただく

明日のバスケ教室にそなえて名簿を確認していると、この教室に来ている子たちがもうすぐ50人を超えることに気づいた。

3年前に教室をはじめた時は20人だった。

当時も今も来てくれる子がいるだけでありがたいと思う気持ちは変わらない。

ここまで続けることができたのは、3年前、書店で手にとった池上正さんの本の力によるものが大きいと思っている。

「指導とは、教えないこと。」と書かれたその本を読み、頭を金づちで殴られたような衝撃を覚えた。

池上さんに会いたい一心で参加した講演会で直接お話できたことは、一生忘れないだろう。

子供を教えることへの迷いがあった自分に「子供たちは楽しんでいますか?」と問いかけてくれた。

今でも迷ったときはこの言葉を思い出すようにしている。

バスケットボールは本来、楽しいものだ。

それにもかかわらず、バスケをしている子供は少ないように感じる。

大人がバスケを変に切り取り、子供に与えるような恰好になっていることが原因の一つではないだろうか?

私が毎日お昼においしく食べているおにぎり。

子供が食べるからといって、海苔も具もない端っこのほうだけをちぎって渡す人はいないだろう。

ご半や具の量を減らして小さいおにぎりを作って渡すのが普通だ。

ところがバスケでは、妙な切り取り方をして子供に与えてしまうケースが見られる。

ディフェンスのポジショニングも理解していないのにひたすらクローズアウトの練習をする。

レッグスルー、ビハインド・ザ・バックなどのドリブル練習をステーショナリーの状態で延々と続ける。

これらは一例であり、挙げていったらきりがない。

大人がすべきことは、バスケットボールをできるだけバスケットボールのまま子供に渡すことだと思う。

バスケットボール=ゲーム。

ゲーム=相手、味方、リング、ボール。

バスケを構成するこれらの要素が1つ減るごとに、バスケから遠ざかっていく。

それはつまり、楽しさが減るということだと思うのだ。

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