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冬の思い出〜雪解け〜


岩手県で育った。

今は偉大な大谷さんのおかげで日の目を見ているけれど、昔は「日本のチベット」と言われている時代もあったし、一番暗い県民性ランキングで一位を取ったこともある(私はそのどちらも誇らしい!と感じていたけれど)。

家が小学校から3キロ離れていたので、冬が辛かった❄️。しかも、雪のため夏の通学路が使えず、冬はプラス1キロだった。
親が早起きして雪かきしてくれた道を歩いて通った。
吹雪の中🌨️泣きながら歩いていて、通りがかりのおばあちゃんのタクシーに拾われたり、早く帰りつきたくて無理に夏の通学路を通って、吹き溜まりに首まで埋まり遭難しかけたこともあった。

先ほど、ある方とのノートのコメント欄でのやり取りをきっかけに、こうして子供時代の冬に思いを馳せているわけだが…楽しいことも、いっぱいあったはずだ⛄️。

子供会では、かりんかりんに凍った田んぼでスケート大会をした。終わった後に飲んだファンタがめっちゃ美味しかった。ちなみに当時はガラス瓶で,グレープとオレンジの2択。私は断然オレンジ派🍊だった。

踏み固めた雪がツルツルになっている道を、1人で走っては滑りながら帰った。遠くに見える雪山が、夕日でオレンジやピンク色に染まるのを眺めて、子供心にこの世のものとは思えないほど美しいと心が震えた🏔️。

放課後やお休みの日は、近所の土手でソリやスキー遊びをした。みんなと家が離れていたから1人遊びの記憶が圧倒的だけど、寂しいと思った記憶はない⛷️。

3月、まだまだ雪は深く、私はいつものようにソリ遊びに出かけた🛷。土手の傾斜を雪渡りしていたら、いきなり硬いはずの雪の表面が割れて、膝上まで雪にはまってしまった。
その時!
埋もれた足の下に、勢いよく流れる水を感じた。
見えている景色はまだ真冬なのに、その下では雪解けが始まっている!
春が始まっている!

多分、まだ小学校3年生くらいの出来事だったと思うが、あの時の感動は筆舌に尽くし難い。自然ってすごい!🌲地球ってすごい!🌏
と思った。

最中にいる時は、早く過ぎ去ってほしいと願うばかりだった冬の日々が、私を育んだ。

幾つになっても、どこで暮らしていても、あの厳しく美しい岩手の冬は、間違いなく私の一部だ。

 

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