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オンラインフィットネスがコモディティ化してきたので、バディトレがサービスを構築してきたプロセスを公開します①


はじめに

バディトレ代表の星野です。

思い返せば筋トレ歴15年、指導歴10年、大学院まで行って研究し、おっさんになってまで同じようなことを続けているけれども、このコロナ禍において、ますます自身のヘルスケアを行うことは重要になってくる、と僕は確信してます。

なので、業界全体にとって有益になるように、恥ずかしい失敗も含めてその改善プロセスを記録していこうと思い至り、記事を溜めていこうと思います。

オンラインフィットネスはパクれるのか

ここからが本題です。

いうまでもないですが、オンラインフィットネスにおいては、コロナ禍において一気に加速しました。ここでは割愛しますが、元々破竹の勢いを見せていたPelotonがコロナによってさらに加速をしましたね。

日本は住環境などから、大きなギアを買って、オンラインで繋がる、というのはなかなか現実的ではないと考えますが、そのぶん、日本の生活形態にフィットしたサービスが出てくることは間違い無いでしょう。

以下が主要なオンラインフィットネスとして参考になるサービス/情報です。

盛り上がるオンラインフィットネスサービス4選ーPeloton、Tonal、Mirror、Future
https://note.com/hayamari/n/n806b3aed556f

Boot home
https://note.com/boot_home/n/nc1d29d343fb1

30.f
https://30-f.tokyo/

buddies(奇しくも自身の事業の名前が酷似していたw)
https://www.b-monster.jp/news/detail?news=177

ここで考えたいのは、Pelotonを代表とする海外のメガフィットネスベンチャーの話ではなく、日本で生計を立てるパーソナルトレーナーにとってオンラインフィットネスで事業を加速できるのか、ということです。

上記以外でも複数個調べたらわかると思うのですが、オンラインフィットネスに関しては以下が大まかな差別化ポイントだと考えてます。

1、価格の多寡
2、エンタメ性
3、指導のきめ細かさ

なお、オフライン事業はこれに加えて「4、立地」、「5、内観・施設設備」が挙げられます。

オンラインフィットネスは4と5が抜けることで、個人や零細企業でも一気に上記のような強豪との「全国大会」が組まれることが余儀なくされるわけで、相応の覚悟をした方がいいですし、多くの場合は時間ばかりかかって儲からない事業になってしまう悪夢が待ってるのです。
(事実知人の法人でオンラインをキッパリ辞める決断をした方も存じてます。)

ですので僕は基本的にオンラインフィットネスを朝のトレーナーが着手することをお勧めしません。

しかし、ピンチはチャンス、ではないですが、もはやコモディティー化したオンラインフィットネスにおいてはパクられない手法を考えるための1つの選択肢を提示したいと思います。

そこで、「第4の選択肢」としての「コミュニティ運営の質」を考えます。というか僕はこの数年間ひたすらチーム式のフィットネス=ソーシャルフィットネス、の価値を信じてやってきたので、むしろそれをコロナ禍において、一気に加速させたいと考えてます。


無料サービスから有料サービス(続けるジム)へのシフト

振り返れば、4月上旬。オフラインのバディトレもクローズし、その代替として「おはようバディトレ&おやすみバディトレ」という15分間のトレーニングサービスを無償提供開始しました。早急にサービスの作成とマニュアル化が求められましたが、これまでのバディトレのマニュアル化が済んでいたので、こちらは容易でありました。


続けるジムトップ画像

これまで、4月の時点から朝のおはようバディトレ、夜のおやすみバディトレを8月まで続けてきました(現在はおはようバディトレのみ提供中)。
おかげさまで100人以上の方に登録いただき、緊急事態宣言中は常に10-20人の方に同時参加頂いておりました。
振り返れば通算で150回ほど行っており、勿論離脱はあるものの、こうして継続して頂き、少しずつオンラインのフィットネスの価値も認識していただいてたように感じます。

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それを踏まえて、4月〜6月に無料で提供してきたおはよう/おやすみバディトレをさらにパワーアップさせ、6月の下旬に続けるジムのβ版をローンチしました。

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名前があまりにもどストレートなものになってますが、横文字を使うよりは、フィットネスの課題をダイレクトに伝えるようなサービスにしたかったこともあり、このタイトルになりました。
3日ほどで30人が埋まり現在も9割以上の方が継続しております。

続けるジムは6つのサービスで構成されてます。

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1、ワークアウト
2、オンライン&オフラインコミュニティ
3、見逃し動画配信
4、独自の習慣道場という、LINEアカウント
5、オリジナルトレーニンググッズ
6、あすけんアカウント

結局のところ、難易度が高いと感じていたのは2や4による継続を促すシステムでした。

ソーシャルフィットネスの定義

ソーシャルフィットネスと言うのは、「人は1人では変われない」と言う僕の思いのもと、コミュニティを組んで習慣を形成することを主眼としたフィットネスの事を指しております。

コミュニティというのは現在ビックワードではあるんですけども、僕の中で、以下がポイントだと思っています。

1.積極的な責任
2.ナレッジの共有

詳しくはまた別の機会で述べようと思いますが、
1つ目は「あのトレーナーがいるから」もしくは「あの参加者がいるから」と言った精神的なコミットメントを促す繋がりを生み出すことです。

そしてもう1つは参加者(トレーニー)同士の体験談や自分の体はどう変わったのかということを共有することで、お互いの新しい習慣をより生活実感のあるものとすることです。例えば時にケトジェニックダイエットを試みたりする時に顔の見える人の体験談の方がよほど行動と継続に寄与すると考えるからですね。(勿論トレーナーから正しい情報を共有するという前提はあります)

失敗①適切なチーム規模の見誤り

最適なチームサイズ

まず最初に、一つめの誤りは第一期を1つのコミュニティにしようとして、グループを一つに統一しようとしたことでした。
メンバーは30人でしたので、この規模は高校の1クラス分に相当するわけですが、顔見知りではないメンバーにとっては人数が多すぎて連絡が混雑したのです。

適切なチームサイズを検討した実験があるのですが、グループのコミュニケーションのパターンは、

(n*n-1)/2

のパターン存在します。例えば、5人で10通り、30人もいれば435通りに達してしまうのです。

一眼で分かる通り、30人でのコミュニケーションは早速コミット層と離脱層で分かれ、それでも最大1日100通以上の通知が現れるようになってほぼ毎回参加してくれるお客様でもお叱りを受けてしまうことになりました。

改めて、コミュニティで促したいことはと言えば、

1.食事グループで成功体験や失敗体験が共有される
2.お互いの習慣に対し、コメントが行われ、励まし合う。

だったのですが、30人規模になると1は一部の会員様では行われ、2に関しては全く行われないと言う検証結果が得られました。

現在はグループ規模を変えて適切な人数規模の検証を開始してます。

価格設定-筋肉マイレージ-

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これに関しては、失敗という意味では些細なことかもしれませんが、価格によるモチベートシステムの失敗です。

システムとしては

1、週2回の運動習慣を続ける
2、独自の習慣道場と言うLINEアカウントで平日毎日習慣を達成する。

それぞれ-1000円となり、会費が最終的には-2,000円となります。

申し込み時点では実質4800円のサービスが2800円になると言うことで、契約の障壁が下がったように見えたし、事実すぐ集まりましたが、実際にお客さんに直接ヒアリングしてもほんとにこれが嬉しいかと言うと正直微妙な反応でした。1000~2000円の金銭的インセンティブはあまり機能しれないのかもしれません。

打開策としての「スマイルプラスプラン」

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一方で現在大きな期待をしているのは「スマイルプラスプラン」という「達成したらあなたの大切な人とおいしいものを食べる機会をプレゼントする」というものでした。

ヒアリングをしてわかったことですが、例えば家庭を持つ男性が筋トレすることって意外に難しく、Stayhomeにおいて奥さんや子供との時間を犠牲にしてまでトレーニングに身を投じなければなりません。勿論夫であり父である男性が健康に投資することは良いことのはずなのですが、目の前の仕事や家事育児を放棄してトレーニングするのは簡単なことではありません。

一方、スマイルプラスプランを設定することで、参加者の家族にとって、「健康になって欲しい」という建前と「普段よりちょっと良いものが食べられるから応援する」という本音を同時にプレゼントすることができたのでした。

ソーシャルフィットネス「続けるジム」はグループ間での関わりによって続けられるという仮説でしたが、グループ外での関わりを持たせることで、継続が促せるということもわかりました。

続きはまた続編の記事で執筆いたします。

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