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習慣形成のプロが読む、 「スタンフォード式人生を変える運動の科学 」書評


 こんにちは、バディトレ代表の星野です。本記事で3本目となる書評記事です。

はじめに


 今回の書籍では当たり前のように良いとされている「運動」の効果についてお伝えして行きます。結論から言いますと、運動は身体にめっちゃ良いです(笑) しかし、例えば週に2回の筋トレだったり1日7000歩だったり、こうした目標はなかなか達成されることがありません。「運動が体によい」と言われて「何を今更!」と思う方がほとんどだと思います。しかし、その当たり前のことが難しい・・・というのが正直なところだと思います。
 書籍中にも述べられてますが、人は「1日の歩数が5649歩」を切ると、不安や気分の落ち込みなどの症状が現れると言います。コロナ禍において、私のお客様も一歩も部屋を出ないことによって、1日1000歩を切ることも少なくありません。こうした中、極端なダイエットやボディメイクを全く考えてない人でも、改めて運動の便益を知ることは誰でも必要なことだと考えます。


そもそも人というのは、

・その行動の意味を理解すること

によって実際に行動できる確率が上がると言われております。

1.運動のメカニズム・効果を理解する
2.運動ができる仕組みにする
3.継続する

この3ステップで皆さんのライフスタイルを変えていきましょう。本記事によって、改めて運動の習慣化を考えるきっかけを与えられれば幸いです。

・歩くだけで人生の満足度が上がる

毎日の平均歩数が5649歩を切ると、不安や気分の落ち込みなどの症状が現れ、人生の満足度が低下してしまいます。典型的なアメリ力人の1日の歩数は4774歩、世界の平均は4961歩という状況で、これが幸福度を下げている可能性があります。幸せになりたければ、座るのをやめ、今すぐ動き回ったほうがよさそうです。

 この本でまず主張されることは、運動で人生の満足度が上がるということです。定期的に運動している人は、目的意識が強く、日常生活において感謝・愛情・希望を実感することが多いと言われています。加えて運動を定期的にする人は、孤独や気分の落ち込みを感じにくいこともわかっています。

 ・脳は、運動する人に3つの「報酬」をもたらす。

 ’運動が人生に影響をもたらすのかそれはあなたの脳みそのメカニズムにあります。人は大きく分けて気分を工場させるホルモンが三つあります。一つはエンドルフィン、ドーパミン、そしてアドレナリンです。エンドルフィンは脳内麻薬とも言われ、幸福を感じやすいホルモン、ドーパミンは期待をす最後にアドレナリン。これは脂肪燃焼する機能もあり、向精神薬としての機能も果たします。’

・有酸素運動は「ランナーズハイ」をもたらし、うつ病すら改善する。

’多くの人が、ランナーズハイを陶酔状態に例えている。たとえばイギリスの文化史家であるヴァイバー・クリガン=リードは著書『フットノート (Footnotes)』のなかで、ランナーズハイの感覚を「密造ウイスキーの様に強烈だ」、と例えている’
 ‘ランナーズハイはランニングだけにとどまりません。他の有酸素運動、すなわちハイキング、水泳、サイクリング、ダンス、ヨガ、高強度インターバルトレーニングなどの持続的な運動でも得られることがわかっている。我々がランナーズハイに至る所以は先述したエンドルフィンの分泌によるものだと言われています。その中でも、ジョギングは、内因性カンナビノイド(大麻の合法成分)も分泌され、苦痛の緩和や気分の向上ももたらす。’


このように述べられています。確かに、運動のメリットはわかりました。では具体的にどのくらいの負荷で行うべきなのでしょうか?

・「ややきつい」運動を20分行うことで「ランナーズハイ」が起きるとされている。 

 ’1970年に運動を継続している人間に運動禁止を指示する初の研究が行われたが、彼らは1日運動を休むと、不安や苛立ち、3日休むと鬱症状、7日間休むと不眠症状が現れるということが有意に示された。運動中、ややきつい運動を20分行うことで、エンドルフィンが分泌され、幸福を感じることが観測されている。’



 すごい変化ですね。。ちなみに、「ややきつい」という意味は主観的なキツさをBorgスケールという評価に点数化するというものです。ここでいうと20がマックスで耐えられないキツさに対しての8,9割ぐらいのキツさを「ややきつい」というわけですね。

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 運動が現在習慣になってない方にとっては、運動習慣がある人がそれを立つだけで不安や苛立ちうつ症状不眠といった弊害が起きるのは、なかなか驚くべきことではないでしょうか?実際に運動継続している人はこのような便益を享受しているのです。もしあなたが運動の恩恵を受けていないならば、晴れて「ランナーズハイ」を体得できるかもしれませんね。ちなみに運動嫌いにとっても朗報でして、運動習慣がない方でも6週間の実験によって運動嫌いが克服され習慣化されるという例も観察されています。他にも、以下のようなことが示されています

・運動の効果は抗うつ剤によく似ていると言われている。
・週3回×6週間の運動で、不安障害の有効な治療法にもなりうる。

 ちなみに僕のオフラインで行われるフィットネス「バディトレ」では、週2回を推奨しております。しかし直接会って行うことのメリットがある一方で、週2回移動して1時間トレーニングするというのは、想像以上に難易度が高いことです。事実、1年間で週2回ジムに通える人口の割合は3.7%と言われていますからね。
 しかし近所の周りを軽く歩いたり走ったり、自宅で10分程度の筋トレなどは忙しいあなたでもできます。筋トレを体の一部位、オールアウトするだけならば5分だけで行うことができます。だから毎日少しずつでもやること、これがとても大事です。

集団での運動は孤独を防ぎ、うつすら改善できる?

‘’韓国でうつ病の治療を受けている中年患者が、週に1度の認知行動療法のセラピーの前に高原植物に囲まれて散歩をするだけで1ヶ月後、61%の患者が寛解状態になり、通常のセラピーと比べて3倍も高い数字を叩き出しだのだった。’’

 運動における効果は一人だけでも得られますが集団によって更にその効果は増強されます 。

・「社会的グルーミング」によって人はより幸福感を得る。

 ’仲間と歌ったり、踊ったり、運動したりするとエンドルフィンが分泌されます。驚くべきことに実際に身体感覚を共有しても行われなくても、人々はグルーミングを行うことで、エンドルフィンが分泌されるというのです。’

アメリカでこれを活用し実際に成功していると言えるのは「ペロトン」でしょう。ペロトンはユーザー同士がオンラインのみのつながりを通して競い合ったりコミュニケーションを取ることで「エンタメ」と「繋がり」を両方兼ね備えるビジネスと言えるでしょう。

‘このように共同で行動・運動を行うことで絆の形成が生まれることを心理学では「We-agency」(我々の主体感)と呼びます。’

 なんとなく一緒にやると続く、頑張れる、ということも誰しもが一回は経験していると思いますが、科学的にもグループエクササイズの効果は認められているのです。一人でやると、自分のペースでやれるのはいうまでもないですが、皆でやることによって自分のペースをあげることができればモチベーションも上がるし、集中力も高まり、結果運動の効果も高いように感じます。

さらに運動の効果を享受するために

・音楽の「強壮剤」効果を活用する

 さらに運動の効果をあげるならば音楽を活用すると言う作戦も考えられます。例えばある実験では糖尿病と高血圧の中年患者に徐々に傾斜を上げていくトレッドミル運動を課したところ、音楽なしでは8分以内でギブアップしたのに対し、音楽付きのグループは平均51秒も長くこたえたというデータもあります。言わずもがなですが昔よりもはるかに音楽の携帯性は上がっております Bluetooth のコードレスヘッドホンを使いながら音楽を聴くというのは大変効果的です。

グリーンエクササイズを行う。

 また、外で行う運動、即ちグリーンエクササイズもおすすめです。

‘’グリーンエクササイズを行うことで、「生命のつながりを感じる」、「体内時計のペースが遅くなる」ことも報告されており、実際に、屋外で運動をすることで、苛立った気分を穏やかにしたり、心配や注意散漫、気分の落ち込みなどに対する天然の解毒剤になりうる。’’



 グリーンエクササイズ中の人の脳を、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて観察すると、自己批判や悲嘆や反芻と関連のある、脳梁膝下野の活動が低下していることがわかりました。うつ病の人の場合は安静時においても、この領域が活発していることが知られています。したがって哲学者が散策したりストレス解消のために、土や植物に触れる行為も、実際に科学的に認められてたということになります。

まとめ:

 運動はどれだけ少なくても生活に組み込むことで、絶大な効果が得られることがこの書籍によってわかりました。フィットネス事業を経営するにおいて、これまで僕は「歩くなんて大したことないよな」とどこか思っていた節がありますが、コロナ禍において、通勤や実際に外に出る機会が少なくなったからこそ、1日5分だけでも、運動習慣を形成することはライフスタイルを整えるためにとても重要になってくるのです。不安や鬱症状の改善は勿論、エンドルフィンをはじめとした種々のホルモンによって、あなたの充実感は必ず増加するでしょう!1日5分だけでも是非今日から追加で歩いてみませんか??

今後の記事では、歩くことを生活に実装するためのメソッドを書いていくつもりです!

ご案内:

バディトレでは習慣形成のプロである代表星野が、記事で述べられていることや手法で行われる、エビデンスベースドのカウンセリングを通して、
あなたの習慣コンシェルジュとして、生活を設計し、体型と人生を整えます。
4,800円(税抜)~
ご興味のある方は以下のサイトにアクセスし、LINEアカウントからご連絡ください。





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