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【前編】習慣形成のプロが読む、 「習慣の力/チャールズ・デュヒッグ 」書評

これまで15年以上トレーニングに従事し、10年近くトレーナーに従事し、バディトレを行って4年超。
1000人を超える指導をしてきて、改めて感じることがあります。

それは「習慣化の重要さ」です。

ダイエットに関しても言えることですが、どんな魔法のメソッドも結局やらなくては意味がないし、多くの場合は結局続かないから眉唾物のメソッドに頼ることになってしまうのです。

そこで、僕のnoteでは、指導経験も踏まえて、いくつかの習慣化に関する書籍をまとめていこうと思います。

前回の記事では、

「ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣 」

に触れていきました。

今回は『THE POWER OF HABITS 習慣の力 』についてまとめましたので、ご覧ください。

『THE POWER OF HABITS 習慣の力 』
著: チャールズ デュヒッグ 訳:渡会 圭子
パンローリング 2019年10月12日発売

目次:

前半:
0.習慣とは三つのカテゴリーに分けられる:個人、企業、社会
1 習慣の力①:人の行動の40%は、習慣で決まる
1.1 なぜ、人間は習慣を形成するのか?
後半:
2 習慣の力での学び②:一度できた習慣は一生消えない
3 習慣の力での学び③:習慣のループは決まっている
4 習慣の力での学び④:キーストーン・ハビットを変えるだけ他の習慣も変わる


習慣とは三つのカテゴリーに分けられる:個人、企業、社会

 本書では習慣には個人・企業・社会の三つのカテゴリがあると述べられています。
 個人の習慣においては、脳生理学の観点から深掘りされており、前回の「Atomic habits」で述べたようなフィードバックループと同様に、「きっかけ」「ルーチン」「報酬」この三つを軸にひたすら具体例を交えながら深掘りしていきます。
 企業の習慣においては、ファブリーズペプソデント(清涼感のある歯磨き粉)といった我々の生活に完全に浸透した商品の歴史を紐解きつつ、フィードバックループを適切に活用して、大ヒット商品にした、というストーリーが彩豊かに語られます。
 最後に社会の習慣。こちらでは20世紀のアメリカ公民権運動について深掘りしています。ご存知キング牧師によって成された黒人差別施策に対してどのように革命を起こしたかを習慣の観点から説明しています。
 今回の書評では皆様にとって一番馴染み深い、「個人の習慣」に絞って記事を書きましょう。


習慣の力①:人の行動の40%は、習慣で決まる。


デューク大学の学者が2006年に発表した論文(1)によると、毎日の人の行動の40%以上が、「その場の決定」ではなく「習慣」で決められていると言われています。
「靴の履き方」、「トイレに入ってからどのように用を足すか」、「歩く時、どちらの足から踏み出すか、その時手はどのように位置するか」などなど、あげたらキリがないほどに我々は「無思考に」動作を繰り返しています。

 1990年代のMITの実験でもこのことは観測されました。ラットの実験を用いて、彼らは「習慣」が出来上がるプロセスを可視化したのです。

 実験内容としては、ネズミを簡易的な迷路に入れて、クリック音とともに扉が開閉。そして進むとチョコレートが設置されている、という仕組みです。

クリック音
・迷路をすすむ
・チョコレート発見

これら三つの構造があるわけですが、慣れないうちには全ての現象に電気信号は発火しましたが、それが繰り返されていくうちにルーチンが完成されるそしてクリック音とチョコレートの時以外は脳の活動がほとんど見られなかったということがわかりました。この実験からも言えることは、我々は同じ行為を日々繰り返すことで習慣化に成功し、脳の活発度が下がります

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なぜ、そもそも人間は習慣を形成するのか

とてもシンプルな理由ですが、こうして習慣=神経の発火頻度が下がる、のは脳が常に楽をしようとするからです。
脳のカロリーは2%の重量に対し、20%ものカロリーを使うことからも、カロリーをセーブして、他のことにカロリーを用いるためと言えるでしょう。

したがって、前回でも触れましたが、なるべく「成果が出る」ことではなく「最小単位で行動すること」がめちゃくちゃ重要です。

10km走る習慣を達成するよりも「毎日スニーカーを履く(そして少しでも走る)」の方が毎日達成しやすいのはいうまでもないでしょう。
そうすることで「靴紐を結ぶ」というきっかけが走るというルーチンに繋がるわけです。

現在サービス提供している続けるジムでも3つの負荷の強さで行われる「4分間」フィットネスを提供することで週5でお客様に続けられる形で提供しています。僕自身、指導者として相場として60分ぐらいが適切だとは思ってましたが、「きっかけ」「ルーチン」の観点から言えば、5分でもとにかく続けられることが大事ですね。

パーソナルを指導していたあるお客様がベンチプレス(大胸筋を鍛えるトレーニング)の記録を伸ばしたいと言っていた際に僕はこの法則を活用しました。まずは腕立て伏せを「毎日1回」やってください。とお願いするのです。当然お客様は「そんなの意味ないでしょ〜」という反応をします。しかし、当然ながらやらないよりはマシと言うこと、そして「流石にそれ以上はできる」と言う本人の意向に沿って、

・1日1回追加する

と言う条件を付加しました。
これが意味することは、まずは続けられる目標であり、それを続けつつ、孵化も結果上がると言うことです。100日続いたら101回になることが明白ですし、蓄積が如実にわかるわけですね。

また、最近流行りのClubhouseではラジオ体操を初めて見たら、意外と参加してくれる人が多くて驚きましたが、毎日やる、と決めたことで僕も、そして参加者も新たな習慣をインプットすることに成功しつつありますね。

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後編に続きます。

ご案内:


バディトレでは習慣形成のプロである代表星野が、記事で述べられていることや手法で行われる、エビデンスベースドのカウンセリングを通して、
あなたの習慣コンシェルジュとして、生活を設計し、体型と人生を整えます。
4,800円(税抜)~
ご興味のある方は以下のサイトにアクセスし、LINEアカウントからご連絡ください。



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