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【前編】習慣形成のプロが読む、「ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣 」書評

株式会社バディトレ代表の星野です。

これまで15年以上トレーニングに従事し、10年近くトレーナーに従事し、バディトレを行って4年超。
1000人を超える指導をしてきて、改めて感じることがあります。

それは「習慣化の重要さ」です。

ダイエットに関しても言えることですが、どんな魔法のメソッドも結局やらなくては意味がないし、多くの場合は結局続かないから眉唾物のメソッドに頼ることになってしまうのです。

そこで、僕のnoteでは、指導経験も踏まえて、いくつかの習慣化に関する書籍をまとめていこうと思います。

一応言っておくと、僕も日々同じことを繰り返すことがめちゃくちゃ苦手でした。
そして言わずもがな、一度決めたことを続けられる人はめちゃくちゃ少ないです。

人生はギャンブル的じゃなく、むしろ投資的に生きることが大事なんですね。

お金の投資も、トレーニングやダイエットも、人との関係性も積み重ねがじわじわ効いてくる。

ダイエットに関して言えば、一世を風靡し、今では当たり前となった「2ヶ月で-10kg!」という結果コミット型の短期集中ダイエットとは逆の考え方となります。

著書について:

Atomic Habits” by James Clear 2018年10月出版
ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣
著: ジェームズ・クリアー 訳:牛原 眞弓
パンローリング 2019年10月12日発売

<基本 なぜ小さな変化が大きな違いをもたらすのか>

 なぜ小さな習慣は大きな変化をもたらすのか、それは例え1%たとえ1%でも毎日1年間365日継続すればそれはおよそ36倍となって人生の変化をもたらすからです。

「少しでもいいから毎日習慣を積み重ねる」

これが「習慣」にまつわるすべての基本となります 。

現時点の能力ではなく、その変化量を爆発的に、複利的に生み出すための習慣、それが最小習慣(Atomic Habits)です。


本書の冒頭に出てくる最小習慣(Atomic Habits)というのは、

1、これ以上ないぐらい分解する
2、これ以上ないぐらい負荷を軽くする

の二つを行うことを指しています。

 具体例を挙げて考えてみましょう!例えば、いきなり「-5kg痩せる! 」だとそれこそ「結果にコミットする!」ぐらいの決意が必要ですよね。これ、なかなか一人じゃ続きません。でも、「毎日食べているそのおやつを半分に切ってしまってください」といえば「残り半分を食べるな」と言わなくても本人が満足する可能性が十分にあり、大体100kcalぐらいの節約を生み出します。
 ジョギングが辛いと思うならば、「ランニングシューズを履く」とか「近くの神社に軽く走って参拝する」とか、「到底運動といえないような」負荷で構わないわけです。これもたかが50kcal程度しか燃えないかもしれません。
 しかし、お菓子半分にするだけでも積み重ねていけば、月に-3000kcal、3ヶ月で-9000kcalとなり、これは体脂肪を1kgを超えるカロリー量を節約したことになります。こうしてみるとダイエットって意外に楽に思えてきませんか??

<習慣がアイデンティティーを形成する(逆もまた然り)>

 また、習慣形成を成功させるためには三つのレイヤーを変える必要がある、と著者は述べます。具体的には、

1、結果 
2、プロセス 
3、アイデンティティー

この3段階の変化があります。
(「第二章 習慣がアイデンティティーを形成する(逆もまた然り)」 より)

 習慣形成に成功した時、私たちは「アイデンティティー」そのものが変化したことを意味します。
つまり、「5kg痩せた!!」ではなく「常に水着を着ることを楽しめる女性であり続ける私」というのが最も習慣が続く状態です。「逆も然り」というのはその通りで、まず問うべきは「どういう自分でありたいですか?」です。痩せることではなく、「鍛え続けて自分で鏡をみながら体重計に乗る自分でありたい」であれば、痩せている/太っている時から、理想の自分をありありとストーリーで思い浮かべることができます。もしあなたがダイエットを行うならば、

・2021年○月の目標体重:
・2021年○月の理想の自分のアイデンティティー:

まずはこの二つを決めましょう。

 アイデンティティーが変わると、行動が仕組みになり、当たり前のようになります。DoではなくBeであること。スタイリッシュな人になるならスタイリッシュな人の生活をインストールすることが最も早い習慣化への道筋です。逆にお客様との対話で最もエネルギーが使うのがここの部分かもしれません。生活が崩れてしまった人がそのアイデンティティになるには、「あの人のようになるのが理想なんだ」と言いつつも、その理想になれるわけないよ、という諦めの狭間で揺れ動くことになるからです。(だからこそ今回のテクニックを駆使して成功させましょう)
 もしその人が「優秀なビジネスマンとして朝からスタートを切りたい!」という理想世界があるならば、例えコロナ禍でスーツなんて着る必要がない状況だとしても、好きなスーツを着て、カフェでモーニングをすることは「理想の自分」に近づき、生活が整うことに大きく近づくんですね。

<シンプルな四つのステップで良い習慣を身につける>

 この「習慣化」の根幹をなすのが、習慣ループと言われる、「きっかけ、欲求、反応、報酬」の4つです。きっかけが欲求を引き出し、欲求が反応を起こさせ、反応が報酬を与え、報酬が欲求を満たし、そして最終的にきっかけに結びつく、という順序の行動形態です。それぞれの詳細が以下のようになります。

・第一に、「きっかけ」を得るためには、「はっきりさせる」ことが大事です。具体的には、1)習慣得点表をつける。現在の習慣に気づくため、書きだしてみる、2)実行意図を使う。「わたしは<いつ><どこで><何を>する」…などの行動が挙げられます。

・第二に、「欲求」を生み出すためには、「魅力的にする」ことが大事です。具体的には、1)誘惑の抱き合わせを利用する。したい行動と、しなければならない行動をセットにする、2)望ましい行動がふつうの行動の文化に加わる…などの行動が挙げらます。

・第三に、「反応」を起こすためには、「易しくする」ことが大事です。具体的には、1)抵抗となるものを減らす。良い習慣へ辿り着くまでのステップを減らす、2)環境を準備する。未来の行動がとりやすくなるよう環境を整える…などの行動が挙げられます。

・第四に、「報酬」に繋げるためには、「満足できるものにする」ことが大事。具体的には、1)強化を利用する。習慣を完了したら、自分にすぐ報酬を与える、2)「何もしない」ことを楽しくする。悪い習慣を避けるときに、利益が見える方法を考える…などの行動が挙げられます。

わかりやすく図にすると以下の通りとなります。

スライド1

・逆に悪い習慣を断ちたかったら、

1、見えないようにする
2、つまらなくする
3、難しくする
4、満足できないものにする。

この4ステップが「悪習慣を断つループ」になります。
これをお酒・お菓子・カロリー高いもの・SNSを使う際に応用しましょう。

実際にお客様と一緒に考えた「良習慣ループ」と「悪習慣ループ」をこちらに載せておきたいと思います。


良習慣:夜24時までに就寝し、7時半に起きて、運動をして気持ちよく仕事に入るための例

1、「はっきりさせる」:90分後を目安に睡魔を起こすと言われている入浴を「22:30」におこない、その後にノンカフェインのハーブティーを飲む

2、「魅力的にする」:22:30に入浴ができた時のみ、お茶を飲む時に好きなお菓子を一欠片食べる(※目的がダイエットではない場合は全く問題ではないし、お菓子を食べることで朝運動をするので、デメリットには目を瞑る)

3、「易しくする」:朝気持ちよく起きて、決められたzoom画面のリンクを押せばあとはトレーニングが勝手に始まる。15分ワークアウト終了。

4、「満足できるものにする」:トレーナーに褒められる。毎日参加することで積算カロリーが月で6000kcalに達成。-1kg弱痩せることが可視化される。

この例は、「朝トレーニングなんて絶対できないよ」と言っていた方が「朝からトレーニングをし、バリバリ働く」自分にアイデンティティを変えたモデルです。

次に、悪習慣をたつループを考えてみましょう。

悪習慣:テレビをだらだら1日数時間見てしまい、嫌悪感に苛まれてしまう例

1、見えないようにする:テレビの電源を抜き、倉庫に入れた状態にする。

2、つまらなくする:いちいち移動させなくてはならないので、面倒くさいし不快。

3、難しくする:リモコンを別の部屋に設置。すぐスイッチがつけられない状態にする。難しいし面倒臭い。

4、満足できないものにする。:スクリーンタイム設定で1時間までしか見られない。せっかく移動したのに結局長時間見られない。

この例は、もちろん最初はテレビ見れないことが、嫌な気持ちになります。しかし、それ以上にわざわざこんなこと(テレビを移動させる)してまでなんで自分は見たいんだ?ということを毎度認識させることで、自然と読書や仕事や人との会話に時間が変わったお客様の例です。お酒を倉庫に必ず入れておく、買うたびに遠いスーパーに買いに行くようにする、というのもこの例に当てはまります。

まとめ:

本記事では、人生を複利的に影響を与える「習慣形成」に至るまでの概論として、

1,習慣を最小単位にすること
2,アイデンティティーを変化させること
3,4つのステップで習慣を身につけるということ

をお伝えしました。

次回の記事では各論として

1、「はっきりさせる」
2、「魅力的にする」
3、「易しくする」
4、「満足できないものにする」

これらを深掘りしていきましょう。記事はこちらから


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