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「美容っていいもんだよ」と思える本に出会った話

「美容は自尊心の筋トレ」

本を手に取った瞬間、私はタイトルに惹かれた。美容は女子の好きなテーマのひとつである。この本は、美容によってもたらされる心の変化の素晴らしさを書いた一冊である。

心惹かれたポイントが3つある。

ひとつ目は、自尊心の筋トレとして美容が良い役割を果たすところだ。

自尊心とは、自分を大切にすること。そして、女の人の自尊心を鍛えるために、美容ができることはとても多い。スキンケアやメイクをしなくても生きてはいける。だが筆者はこう述べている。

「『美容っていいもんだよ』と知らせてまわりたいのは、『自尊心を育む生活習慣』としての効用を日々実感しているからだ」

自分が心地よいと感じる化粧品を使用して、メイクやスキンケアをする時間。忙しい日々の束の間のほっとできる瞬間ではないだろうか。メイクをすることによって、見た目を自分好みに整える。スキンケアする時間は、自分をケア出来ている、という小さな自信に繋がっていく。美容は、自分を優しく扱う練習になるのではないだろうかと思う。

私の体験を話そう。就活に行きづまった際、自分自身の容姿を見つめ直したことがある。鏡に映ったのは、くたびれたスーツを着て、艶が無い髪をした疲れた顔の私だった。上手くいかないときはだいたい容姿にまで気を配れていない。これではいけないと自分自身の身なりを整えた。すると、面接が上手くいくようになり、内定も無事いただくことができた。美しさを保つことは、自分の自信にも繋がるのである。

2つ目は、クラス1の美人とも交換したくない顔というエピソードから、自分を愛することの大切さを学んだところだ。

筆者の高校時代の話が文章には書かれている。

「ある日、クラスの少し強めな女子が大人しい子に『クラスで顔が交換出来るとしたら、誰の顔になりたい?』と聞いた。当然筆者は、当時クラスで一番可愛いクラスメートの名前が挙がると思っていた。しかし彼女の返答は、『私は私の顔が好きだから、自分の顔のままがいい』と返したのだ。きっぱりと健やかな自尊心のかっこよさ、誇りのまぶしさを思い知った瞬間だった」

果たして私は同じような質問をされた際、彼女のように自分と答えることができるだろうか。きっとなりたい顔のイメージに近いクラスメートの名を口にしていただろう。

私は自分の容姿に自信がない。そもそも一重まぶたで生まれた私は小さいころから、二重は可愛い。一重は可哀そう、という風潮を感じながら育ってきた。自分自身の外見から「私なんて」という考えを持っていた。さて、この「私なんて」という考えは自尊心を育む上で、取り除かなければならない考え方である。作者は次のように語っている。

「『私なんて』と思ってしまうのは、文化や環境、人間関係などいろいろな原因が複雑に絡み合っていることが多く、あなたのせいではない。一方で、その私なんて無間地獄から自分を救出できる勇敢なヒーローは、あなた自身なのだ。思いつく限りのあらゆる方法で、『私なんて』への抵抗を試みてほしい」

私も自分の考えに抵抗してみた。すると、私の一重は鋭い一重ではないため、優しく見えることが分かった。笑顔になると目がなくなるので可愛いとも言われた。このままでもよいが、本当に自分の顔が気に入らないのであれば、努力して二重にすればよい。そう考えると自分の容姿も悪くないと思った。

自尊心を高めるためには、「自分を愛する」ことがとても大切である。

「私なんて」と思うことは止めた。

3つ目は、エイジングロールモデルを探して、日々の美容の大切さを語っているところだ。

将来は綺麗に美しく老いていきたい、と言う想いを私は持っている。しかし、母や祖母を見ていると、家庭と仕事を両立しながら美しく居つづけるのは、相当努力が必要であると感じる。

決して、すごく若く見られたいわけではない。理想としては、年齢を経なければ手に入らない内面の美しさ(生活や履歴の素敵さを想像させること)を持ちつつ、老いを消しすぎない見た目。芸能人で言うと、石田ゆり子さんのような年齢の重ね方は美しいと思う。

不思議なもので、人や社会に尽くしたとき、妙に疲れを感じず多幸感に満たされることがある。学生時代、週7日スケジュールびっしりで動いていたのに、なぜか心地よかった。忙しくなると、メイクを落とすことすら億劫になってしまうところがある。これでは、自分自身が目指す美しく老いるが遠のいてしまっていたように思う。

そんなときにこの本を読み返すと、次のようなことが書かれている。

「本当に好きで楽しいとき以外、いつか報われるために自分を削りすぎないように気をつけたい。自分をケアする美容の時間は、そのバロメーターになるはずだ」

社会人になり、自分を後回しにする生活から、自分をケアできるゆとりを確保した生活をするように心がけている。遠い未来家庭を持った際も、自分をいたわれる時間を忘れずに持ちつづけたい。

最後に、私はこの本を読み、美容についての考え方が大きく変わった。美容は身なりを美しくするだけではなく、自尊心も高めてくれるものであると知った。私は決して自尊心が高いタイプではない。しかしこの本に出会い、美容に助けてもらいながら考え方・感じ方の微調整をし、いつしか「私なんて」と考える習慣を吹き飛ばしていきたいと思えるようになった。

「私は誰もが美しいことを知っているし、心の中で『全員美人!』と叫んでいる」

自分自身の1番美しい外見・内面でありたい。その為には、日々の美容習慣を大切にしていきたい。ときどきまつ毛美容液を塗った際、これ塗らなくても変わりがないのでは、と思ってしまう。だが、やはり塗ったのと塗ってないのでは心の幸福度が違う。私は塗る選択をしたことによって、世間の人よりも自分を大切にできたと思える。

ひとりでも多くの方が美容を通して自尊心の筋トレをして、自分自身の自信に繋げてほしいと思う、そんな一冊だった。

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