見出し画像

歯科大受診を事前に伝えるのは難しい

おはようございます。

社会福祉士×ダウン症児パパのTadaです。
イントネーションは歯科と同じです。
鹿とは違います。


小噺です

先日ちょっと地政学を勉強する機会があった。

しかし今日は小噺なので、地政学についてはまた別の機会に書くかも書かないかも。

その時に脇で聞いた話が結構刺さった。

「仕事なに?」とか「本業なに?」

って聞かれた時に5個でも10個でも言えた方がいいよ。

職業柄あまりない概念だったけど
職業柄あまり持ってはいけないと思っていた概念かもしれない。

もう少し自分の可能性を探ってみよう。

つい最近も新しい世界に少し足深めに入れたところだった。

新しい世界は
負荷になり、刺激になり、糧になる

よし、がんばるか。


さて本題

今日は息子の歯科大受診だったのでそのレポ。

5月以来二度目の受診。
先生が優しくて僕の家族はみんな彼が好き。

とはいえ約半年ぶり、二度目の受診ということで、事前にちゃんと息子に説明する必要がある。

まだまだ自分で上手く話すことが出来ない彼のため、
新しい場所や不慣れな場所へ行くときは
なるべく心理的な負担にならないように
僕と妻は丁寧に説明をする。

彼はおそらく
発語と理解の発達が若干アンバランス。
発語より理解の方が幾分か発達している。

ちゃんと理解すれば
ルーティンからはずれてもある程度対応してくれるのがありがたい。
n=1の感覚ではあるけどダウン症の子って思ってるより育てやすいですよ。

しかしだ、歯科大受診を説明するのはなかなか難しい。

普段よく使うのは
小児科  →「病院」「もしもし(聴診器の事)」
ST、OT→「言葉の勉強」「身体の勉強」
学校     →「学校」
散髪     →「チョキチョキ」

みたいな感じ。
ちなみに歯科大受診とは別に歯科受診もしていて、そのときは「歯のもしもし」と伝えている。

しかしだ、歯科大は「歯のもしもし」がメインイベントではないのだ。
診察時間約1時間、その時間の大半を

息子が弁当を食べる姿を観察する

に費やすのだ。

ちゃんと理由はあって、初回診察時に先生から丁寧に説明を受けているため大人は理解している。(食べ方、噛み方、飲み込み方、集中力などのチェック)

しかしだ、これを息子にどう伝えていいのかが分からない。

確かに少しだけ“歯のもしもし”はする。
しかしそれではいつもの歯科受診と差別化ができない。ちなみに歯科受診はかなり小さい頃から3ヶ月に1回のペースで受診している。もはやライトな常連客レベルだ。

絞り出したのが
「お弁当を病院で食べるよ」

…伝わってない感が強い。
そりゃそうよね。約半年前の一回の出来事をこのワードだけで連想させるのは酷ってもんだ。
そんなに刺さらなくて一話しかみなかった春ドラマの続編が冬ドラマで始まるくらい興味ないやつだ。

そんなわけで大して上手く伝えられないまま今日を迎えた。

僕が仕事を休んでいる時点でいつもとは違うと認識はしてくれる。「もしもし」というフレーズも昨日から入っていて仕切りにトレーナーをめくり「もしもし!」といいながら受診への意欲を見せる息子。しかし、息子よ…今日はきっとお腹に聴診器はあてられないんだ。

そんなモヤモヤしたまま歯科大に到着。

「聞いてないよ〜!」

と言わんばかり表情と
昼頃ということで空腹もありかなり不機嫌。
すまん息子よ。父の表現力のなさを許せ。

しかし、歯科大。大きな建物なのでエレベーターがあり、息子の機嫌はそれだけでV字回復。

受付を済ませてしばらく待つと
先生が迎えにきてくれた。
そのまま診察室というよりは大きなデスクとホワイトボードがある6畳程の部屋に案内された。

そこで前回同様ちょっとだけ“歯のもしもし”が行われ、弁当タイムスタート。

先生の片手にはハンディカメラ。

息子は先生の目線とカメラを気にしつつ
お弁当を食べ始める。

しかしだ、
僕も妻も話さず、ひたすら息子の食事風景が見守られる。違和感を抱かないわけはない。

普段は小さく切って食べる肉だんごも、一口でほおばり口の中をパンパンにするアクシンデントに見舞われる。

さらに先生から食べるものの指定が入ったり、
先生がおかずを摘み噛みつかせたりもする。

これはもちろん診察なのでそのどれもに意味があって、大人にはちゃんと説明がある。
しかしきっと息子には不思議な空気での弁当タイムにしか感じなかっただろう。

ご飯全部とある程度おかずを食べたところで診察終了。

先生の評価は
咀嚼の能力は遅いながらも成長中。
前歯で齧りとる作業や
くちびるを強くする練習法について提案してもらい、また半年後の診察となった。

僕と妻としてはとても学びになったが
息子はさぞ疲れたのであろう。
その後は甘えん坊全開だった。

しかしだ、7歳の小さな子にはなかなかに酷な環境であったろうと容易に想像できる。僕が同じ歳だったらちゃんと先生の指示通り食事していただろうかと思った。だから今日は思いのままに甘えさせることにした。

よく頑張った息子よ。

そして僕と妻には診察結果と別にもうひとつ大きな収穫があった。

それは、

首に聴診器をあてて飲み込みの様子を確認してくれること

首に聴診器をあてる(正確には喉)

首にもしもし!!

次からはコレで歯科大受診を伝えようと思う。
きっと伝わるはずだ。

おわり。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?