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横浜市連続強盗強姦事件公判傍聴記・2023年5月24日(被告人:赤間靖浩)

2023年5月24日

横浜地裁第五刑事部合議係

405号法廷

事件番号:令和4年(わ)第803号等

罪名:住居侵入、強盗・強制性交等、強盗強姦、強盗強姦未遂、窃盗

被告人:赤間靖浩

裁判長:中山大行

書記官:太田知宏



<法廷の風景>


赤間靖浩被告人は、2009年から2022年にかけて、四件の犯行で女性五人に対し次々と強盗強姦を行ったとして、起訴された。この日は、一番最後の事件である、第四事件についての審理が行われた。

9時30分には、私を含め、9人が法廷前に並んでいた。9時40分には、15人になっていた。入廷が許された後、学生らしき私服の男女が6人ほど来て、傍聴人は合計27名となった。

弁護人は、がっしりとした体格の30代ぐらいの男性である黒田弁護士と、眼鏡をかけた短髪の、どこかオタクっぽい外見の中年男性、岡本弁護士である。黒田弁護士は、冒頭陳述要旨らしきものを机の上に置いていた。検察側にも配る。

被告人は、やや下を向いて入廷した。まだ60歳になっていない筈だが、弱々しい老人という印象の風貌であった。しかし、顔立ちはどこか神経質な印象を与えた。そして、体格そのものは、痩せ気味ではあるが、がっしりしている。色は白めである。髪は、前頭部から頭頂部にかけて禿げあがり、残った髪も白く、眉毛も白かった。細い白いラインが入った、黒を基調としたジャージの上下を着ており、青いビニールのサンダルをはいていた。弁護人に「おはようございます」と声をかけられ、「おはようございます」と返していた。座ってからは、弁護人に書類を見せられ、縄手錠をかけられたまま書類を指さし、「違います」「10月に再就職して、その給料が一月、1月7日に倒れて入院したので」等と話していた。

検察官は、髪を後ろで束ねた若い女性のタニモト、髪の長い中年女性のフクシマ、眼鏡をかけた若い男性の三人。開廷前、何か話し合っていた。その後ろに、参加代理人の弁護士である、茶髪の中年女性が一人座っている。

裁判長は、眼鏡をかけた白髪交じりの初老の男性。裁判官は、若い女性と、中年女性であった。

裁判員は、太った眼鏡の中年男性、中肉中背のラフな格好の中年男性、中年女性、2~30代の女性、若い長髪の女性、眼鏡をかけた男性、という顔ぶれであった。

9時50分、赤間靖浩被告人の第三回公判は開廷した。


裁判長『開廷する、証言台の椅子に座って』

被告人『はい』

被告人は、証言台の椅子に座る。

裁判長『第四事件の審理を行う事になります』

被告人『はい』

裁判長『検察官が起訴状を朗読するので、聞いていて』

被告人『はい』


<公訴事実>

まず、強盗・強制性交等の公訴事実から

被告人は、金品を強取し、強制的に性交をしようと企て、令和4年4月8日午前2時ごろ、E方に、無施錠の玄関ドアから侵入し、その頃から同日午前5時42分までの間、E23歳に対し、ナイフ様のものを示して金銭を要求し、同人がナイフ様の物をつかんで抵抗するや、同人の体を押さえ、その顔面に粘着テープを貼り付けて目隠しをし、タオルでその口をふさぎ、マフラーでその両手を後ろ手に緊縛するなどして、反抗を抑圧し、同人所有、又は管理の現金約36000円、1390円、キャッシュカード一枚他22点、92000円相当を強取すると共に、その口腔内に自己の陰茎入れて、前記Eと口腔性交し、その際、前記一連の行為により、全治約二週間を要する左手切創の傷害を負わせたものである。

罪名・住居侵入、強盗・強制性交等

続きまして、窃盗の公訴事実になります。

被告人は、Eから強取した同人名義のキャッシュカードを使用して現金を窃取しようと考え、別表記載の通り令和4年4月8日午前4時59分ごろから8時4分ごろまでの間、二回にわたり、横浜市内のコンビニエンスストア他一箇所において、各所に設置された現金払い機を使い、同人名義のキャッシュカード一枚を挿入して作動させ、現金合計約66万円を引き出して窃取したものである。

罪名・窃盗


検察官は、被告人に起訴状を示し、確認させる。別表二つ。使ったものについて、それぞれ書いている。

検察官『よろしいですか』

被告人『はい』

検察官『終わります』

裁判長『審理行う。黙秘権については解りますね』

被告人『はい』

裁判長『それを前提に聞きますが、今の二つの事実、違いは』

被告人『ありません』

裁判長『いずれの事実も間違いない』

被告人『はい』

裁判長『弁護人のご意見うかがいます』

弁護人『被告人と同様、住居侵入、強盗・強制性交等、窃盗、いずれについても認めます』

裁判長『では、被告人は元の席に戻ってください』

被告人『はい』

被告人は、被告席へと戻り、座る。続いて、検察官が冒頭陳述を行う。タニモト検察官が立つ。張りのある声で、冒頭陳述を行った。


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