見出し画像

040 選択的夫婦別姓

 選択的夫婦別姓には反対である。そもそも、名前を変えること自体に反対であるからである。人の名前は、本人と同程度に大切なものである。もし、名前をはく奪されたり、無理やり変えられたりしたら、たいへんな苦痛を味わうことになることは容易に想像できる。人の名前は簡単に変えてはならない。もちろん、耐えられないような変な名前を変えたいという場合については、現行の法体系でも対応できる。
 問題は、結婚によって変えなければならないという制度にある。ほとんどの場合は、男の姓が選択されて女性が名前を変えることになる。この制度は、相当時代遅れで、世界でも稀有である。中国、韓国では、男女ともに名前は一生変わらない。それだけ、名前は大事である。しかしながら、一方で家族としての一体感を持たせる上で、現行制度のメリットがあるという考えもある。夫婦別姓に反対する人の多くはそのような考えに基づく。
 では、現行制度と選択的夫婦別姓の二者択一しかないのか。そんなことはない。知恵が無さすぎる。私の考えは、不都合な場合を除いて人の名前は一生変わらないとするが、結婚した時には新たに家族名を付ければ良いとするものである。中村太郎と鈴木花子が結婚した時に、家族名を鈴木として届け出れば、それで完結する。二人の名前は変わらない。ただし、子供の姓は鈴木となる。中村太郎は、中村太郎・鈴木と名乗ってもいいし、中村太郎でもいい。法体系も大きく変わることなく、シンプルになるであろう。この問題の関係者は、それくらいの知恵を出してほしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?