理想と性癖

私は内山優子。小さい頃から教師になるのが夢だった。厳しい家庭に育ったので、生徒の自主性を重んじる自由で自発性のある子供を育てる教育をする教師になる。受験戦争や偏差値教育にも疑問があったが理想を実現するためにはとりあえず現実を勝ち抜き、猛勉強して東大に入り、モンテッソリー、シュタイナー、いろいろ学んだ。学生時代は左翼の管理教育反対のサークルにも入り、ガンガン受験戦争や偏差値教育にも疑問があったが理想を実現するためにはとりあえず現実を勝ち抜いた。そして、いよいよ教員採用試験。公立学校の試験、筆記は満点に近かったが、面接で理想を語りすぎてまさかの不合格。過去の管理教育反対の活動歴も響いた。

私立の採用試験もみんな落ちてしまい、最後に残ったのは、全寮制のスパルタ教育の学校。採用が決まると自衛隊への体験入隊もあるみたいだ。最悪。面接では喧嘩になると覚悟したが一応行った。校長からは、あなた東大出てなかなか優秀。過去の活動歴も調べました。うちの学校とは真逆の思想。不合格!と言いたいところだが、うちも刑務所みたいなスパルタ一辺倒の落ちこぼれを集める学校から、将来的には優秀な学校にしたい。学校改革にも協力してほしい。どうですか?

と、予想外のことを言われた。私は、管理教育スパルタ教育には反対です。しかし、悪も経験しなければ批判もできません。採用は絶対にされないと思いますが、もし採用されたら3年間勤めて管理教育のどこが悪いか本を書く予定です。

自分でも思わぬ答えが口をついて出てしまった。

ワッハハハハハ。校長は豪快に笑い、面白い。採用!私は逆に教育者として、左翼のあなたを3年間みっちり教育します。あなたが勝つか、私が勝つか、、あなたとの三年越しの喧嘩です。

あっさり採用となった。その後学校で研修期間が3ヶ月あり、その後自衛隊に体験入隊が1ヶ月、その後採用となる。

研修初日学校に行く。採用された教員は私と、もう一人は男の子だった。

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