ピアスとビール

な~んも降りてこない
むむむと呻きながら言葉の降臨を願い給う
いつだってどんなときだって書けるわけじゃない
諦めてスキンケアにでも精を出そうかしら
でももうオールインワンジェル塗っちゃったし
やることないのよね
あ~ビール飲みたい
まだお昼だけど
一番安いやつでいいから誰か届けてくれないかなあ
酔って書く詩ほど酷いもんはない
でも稀にほんとに稀に
お酒の力が言霊を呼び覚ます
酔っ払ってるから覚えてないけど
翌朝読み返すと
ええこれほんとに私が書いたのってことがある
バッカスはただの酒配りではなく詩人でもあるんだなあ
でもダメ
今は飲んじゃいけない
誰もいないからって良いことに
キンキンに冷えてやがる~とあの名台詞を叫んではならない
あ、わからない人ごめんね
去年ストーブ蹴り飛ばして壊したから
新しいのを買わなきゃいけない
マジでお金ないのに
ビール飲んでる場合じゃないだろ
でも実は昨日誘惑に負けてピアスを買ってしまった
私のクソバカ野郎
だって可愛かったんだもん
目が合っちゃったんだもん
これを揺らして街を歩くご機嫌な私の姿が
想像できちゃったんだもん
女の子の買い物は想像力でできている
これを着てあそこに行こう
これを身に着けてあの人に会いに行こう
そうやって未来を予測して
女の子たちは可愛いお財布を捧げる
私だって一応女の子ですからね
例に漏れずやらかしてしまったというわけよ
昨日はピアスを欲しがって
今日はビールを飲みたがって
どんだけしょうもない人間
でもビールは我慢するから
どうか神様地獄へ堕とさないで下さい
煙草に火をつけてむむむと呻る
早く言葉ちゃんたち降りてこないかなあ

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