ノーベル文学賞2023年は劇作家でした

ヨンフォッセさん
毎年ブックメイカー(予想屋さん)のランキング上位に名前が挙がっていました。
読んだこと、ありません。
上村の好きなタイプの戯曲ではないと思ったからです。

日本でも劇作家が小説を書くことはありますね。
ただ、少ない。
本谷有希子さん 根本宗子さんくらいしか思いつきません。
欧米だと詩人で劇作家で小説家という人は珍しくもないようです。
フォッセさんも小説を書いています。

ノーベル文学賞はあくまで文学なので、
役者向けの台本や、プロデューサー向けの脚本や
観客向けの上演されての評価ではなく、
戯曲(文学としての完成体)としての評価だと思います。
戯曲として読んで面白い作品は、上村にとっては少ないのですが、
上演とは関係なくいいなと思った海外の戯曲を挙げてみます。

モリエール「スカパンの悪だくみ」
喜劇です。17世紀の作品だけど、にやりとできます。

ニール サイモン「プラザスイート」
これも喜劇です。ドタバタものです。
三谷幸喜さんは、二―ルサイモンさんを好きですね。

テレンス マクナリー「マスタークラス」
あの歌手のマリアカラスさんが、引退後に若手に指導をするという設定です。

アリエル ドーフマン「死と乙女」
チリの軍政時代の記憶です。
スリラーですね。緊張感があります。

ブレヒト「三文オペラ」
喜劇です。スカッとしますね。

アルバート ラムズデル ガーニーさんの「ラブレターズ」
恋文を互いに読みあう戯曲で、切ない気持ちになります。これが一番好き。

戯曲としては読み手の力不足で面白いと感じられなくても、演出家の発想で面白くなる作品はたくさんあります。
シェイクスピアの「十二夜」「ウィンザーの陽気な女房たち」は、舞台で観たときにはとても愉しめました。
レイ クーニーさんの「ラン・フォー・ユア・ワイフ」「パパ、I LOVE YOU」も上演されるとお腹が痛くなるくらいに笑えます。加藤健一さんが出演、演出をすることが多い印象です。
ソフォクレスの「オイディプス」や エウリピデスの「王女メディア」などのギリシア悲劇は 緊張感が張り詰めた演出で観ると 息を詰めて見入ってしまいます。
ブレヒトの「セチュアンの善人」「コーカサスの白墨の輪」は、上演されたものは面白く感じました。
マイケル フレインさんの「ノイズ・オフ」は、どんな話か忘れたんですけど、過去の観劇記録を読み返したら、面白いと書いてありました。
アイラ レヴィンさんの「デストラップ」はとっても楽しめます。スリラーですね。映画版よりも舞台版の方が面白いですよ。
アントン チェーホフの四代戯曲「かもめ」「三人姉妹」「桜の園」「ワーニャ叔父さん」はしみじみします。


普段は小説しか読まないという作家さんも、戯曲を読んでみると何か気づきがあるかもしれません。セリフの書き方が参考になったり、発話する前提で書かれているので、リズムや呼吸を意識していると気付いたりということです。
舞台を観に行ってみるのも面白いのでお勧めします。
戯曲が気になる、好きな俳優さんが出る、演出家が好き、新しい劇場ができたから行ってみたいなど、きっかけはいろいろあると思います。


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