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コロナ禍で空を見ながら考えた事~”人はなぜ空を目指すのか”を本気で考えた~

 おそらく誰もが空を見上げた時に空を飛んでみたいと考えたことは一度や二度あるだろう。生まれ変わったら、鳥になって大空を飛んでみたいと思った人も少なくないはずだ。

 著者である僕の今の生活はとても質素で、大学四年生で出席する授業もさほどんなく、就活をしたり、本を読んだり、ジムに行ったりしている。

 友人とは、コロナの影響でほぼ会えず、毎日会っていた大学の友人達とは月に一回会えれば良い方だ。

 そんな中、空を見ながら考えた、人はなぜ空を目指すのか。

 この空というのは、大きく宇宙(大気圏を超えても空は空じゃん?
)も含んでもいいかもしれない。

 そんなことを考えながら、ある三つの作品を思い出した。「宇宙兄弟」「インターステラー」「風立ちぬ」だ。

 順に説明していくと、「宇宙兄弟」はモーニングで連載している漫画で、二人の兄弟が月に行きたいという夢を追う漫画だ。個人的には名言の宝庫と言っても過言ではないくらい、素敵な言葉がたくさんある漫画だと思う。もちろんこの漫画のキャラクターのほとんどが宇宙に何かしら関係する人たちで、読んでいると「宇宙に憧れるって、当たり前じゃない?だって、宇宙だよ!」といったような宇宙讃歌漫画だ。

 中でも好きな名言を一つ(とても悩んだ)紹介する。その名言は「It's a piece of cake!」主人公の南波六太は弟の日々人よりもネガティブでよく言えば、とても人間らしい。そこで友人であり、第二の母のような存在のシャロンという天文学者に将来海外の人と話すときに「土壇場で僕は使い物にならない人間です」とよく使いそうだから、教えてよとお願いする。

 そうするとシャロンは「It's a piece of cake!」と言う。この言葉は直訳すると、たった一切れのケーキという意味だが、楽勝だ!という意味でもある。この名言が物語に重要に絡んでくる。やはり、日本の漫画家さんは天才があまりにも多い(個人的に日本に生まれた一番の利点)

 次の作品は「インターステラー」だ。去年盛り上がったテネットの監督クリストファー・ノーランが映画史の唯一無二の鬼才スタンリー・キューブリックの「2001年宇宙の旅」に立ち向かった作品だ。

 時は、未来(だったよね?)で砂嵐により地球環境が豹変し、食料不足になり、元NASAのパイロットだったマシュー・マコノヒー演じる主人公も農業に従事する。正直、数年前に見た映画だから細部まで覚えていないが何かの理由でマシュー・マコノヒーは娘が通う学校に行き、教師と話す。教師は歯切れが悪そうに娘が学校で問題を起こすと話す。その問題をマシュー・マコノヒーが問うと歴史の授業の内容でアポロ計画が偽造であるという内容に娘は怒りを立てたと教師は言う。そうだ、荒廃し、未来に希望が無くなったこの世界では人は空を見上げることさえも辞め、過去の栄光すらもみ消すのだ。

 人類が月に行っていないと信じ切っている教師に対して、マシュー・マコノヒーは「今週末、野球を見にスタジアムに行く。そこではポップコーンやら、アイスクリームやら並んでいる。娘には好きなものを買ってやろう」というセリフを言う。ここで個人的に大好きな映画の要素が含まれている。私は大衆や権力、もっと大きく、時代自体が固定概念に囚われているのに対して、主人公だけが独自の価値観を持ち生きるという映画が大好きなのだ。

 その流れて言うと、「風立ちぬ」はまさにその利点が最大に詰まっている。当時、世界最強の戦闘機と言われていた”零戦”の開発者である堀越二郎の半生を宮崎駿が描いた作品だ。

  「高いあの窓で あの子は死ぬ前も空を見ていたの 今はわからない ほかの人にはわからない あまりにも若すぎた ただ思うだけ けれど幸せ」

 1973年に発売された荒井由美の歴史的名盤「ひこうき雲」の歌詞にこの映画に大事なことがすべてが詰まっていると思う。この豊かで平和なこの時代に生まれた我々にはわからない、むしろ一緒に激動の時代を生きた人々にも理解できない。

 彼は向かい風の時も、追い風の時も、誰にも理解できない領域から必死に美しい飛行機を作り続けた。そんな時代や大衆とは、国家的基準から外れた青年が美しい女性を不器用に愛そうとする。

 そんな三つの作品を空をぼんやり眺めながら思い出した。現在、緊急事態宣言が発動されて、大阪などは医療が緊迫した状況にある。ただの一大学生の考えだけど、医療現場で必死に働いている人々に応える為になるべく外にでない。予防を徹底する。

 それはもちろんだけど、そんな注意喚起で終わらせるのなら政治家と一緒だ。私たちが憧れてきた表現者なら、もっとユーモラスに想像力豊かに締めをくくるだろう。

 連休はもし時間があるのであれば、上記で記した作品を見てみて欲しい。どの作品にも何かに負けそうになった時に必死に自分の信念を曲げずに、生き方を貫き通す、そんな人生が見れる。共通は空に憧れた主人公。自粛期間中、どうしようもなくなったらベランダから、少し外に出て空を見上げてみよう。そして自分に言い聞かせて「It's a piece of cake!」

 


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