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東北行脚で「未来に残す水産」と「転機」を考える

お客様の現状を知り、デイブレイクが力になれることを探そうと、毎月行脚に出かけます。先日の東北行脚で訪れたのは、宮城県石巻市の水産仲卸会社、布施商店様。代表自らが登場するYouTubeが話題で、旬の鮮魚を家庭用に加工した特殊冷凍食品の通販も展開されています。

ここではオペレーションや品質への課題よりも、水産卸業の今後について意見交換をさせていただきました。現状の水産卸と食品問屋のバリューチェーンに限界を感じるという声がある中で、僕が伝えたことは2つ。

  • 「そこに魚があったから獲る」ではなく、適正な時期、適正な価格を冷凍でコントロールすべき

  • 転機となる新しい売り方への挑戦

この2つについて、本記事でも書かせていただきます。

「そこに魚があったから獲る」ではなく、適正な時期、適正な価格を、冷凍でコントロールすべき

昨今漁獲量の減少が問題視されていますが、それは目先のことしか考えず、「そこに魚があったから獲る」という発想で獲り続けているから、未来に魚が残らなくなっているのではないかと考えています。

・大漁だから獲る
・大漁だから価格が落ちる
・大漁だからロスがでる
・大漁だから、後々獲れなくなる

獲ろう獲ろう、売ろう売ろうとすることで、悪循環が起きてしまう。これを冷凍(高品質な冷凍であることは大前提)で適正なものを適正な時期に売ることができれば、例えば100t=1億のものが1t=1億の価値がつくこともあり得ます。もちろん自然のものなので予測は難しいですが、「未来に残すこと」を意識して獲り、流通の時期(物の価値)をコントロールして流通させられれば、水産業はもっと豊かになり、付加価値を生み出せるのではないか。そんな話をさせていただきました。

布施商店での視察風景

転機となる新しい売り方への挑戦

また、現状に行き詰まる感覚があるなら、新しい売り方に挑むことも必要です。もう事業をたたんで1年以上経ちますが、デイブレイクにとっての転機は、ナチュラルフローズンフルーツ「HenoHeno」でした。規格外フルーツを農家から直接仕入れ、特殊冷凍加工して高品質な冷凍フルーツとして販売するという活動で、これを機に世の中から注目される機会が増え、優秀な人材が加わり、事業開始から3年後の今は、当時の何倍にも(売上、社員数、拠点規模などあらゆる側面で)成長できました。

当時のHenoHenoオンラインストア

正直なところHenoHenoは赤字事業でしたが、関心を寄せてくださった素晴らしい人達との出会いが連続し、デイブレイクだけでなく、特殊冷凍業界にも風穴を開けたと自負しています。会社のビジョンを体現し、ブランディングを確立したHenoHenoは間違いなくデイブレイクの歴史に刻まれる活動で、純粋な事業利益の何倍もの価値を生んでくれました。

現状の改善とあわせて未来の新しい売り方を考え挑むことは、それが必ずしも売上に直結しなくても、経営を動かす転機になるかもしれません。

ただそうは言っても、1社だけで何かを新しく始めるのは難しく、現にHenoHenoも、賛同してくださる生産者の皆様に支えられて形にできました。ですので、アイデアや協力者探しはデイブレイクが伴走する。むしろ僕が得意とするのは、外で見てきたアイデアを伝えたり、人と人を繋げることなので、そこは頼ってほしいと伝えさせていただきました。

左からデイブレイク代表木下、布施商店代表布施氏、デイブレイクCCO春日

デイブレイクは機械を売る会社ではないと日々社員に伝えていますが、では実際に顧客が何に困っていてデイブレイクに何ができるのか、現地を見て初めて気づかされることが多いです。今回の東北行脚もまた、学びの多い時間でした。東北の後は愛知に行き、そこでも気づきがありましたので、それはまた次に。石巻の布施商店様とは今後共同プロジェクトを開発していきますので、これからの展開を楽しみにしていてください。

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