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危険極まりない

やっと自由になれる気がしました。内側から外側へと視線を滑らせて、やっとの思いで淵から覗き込んだのです。敵対的だった足音もいつの間にか、軽やかなステップへと姿を変えた様に感じられました。内には自分だったり、貴方だったり、世間だったりの黒鉄が溶けて混ざって、豊かな闇鍋の様でした。声を発すれば宛も生きた言霊の完成品が、市井に飛び込む様。
此処で一つ問うてみたいのが、このポットの中に入り込んだだとして、やがて留まり続けてしまうのではないか。自由になる術というものは一見存在する様に見えて、存在すらしない虚構の思想なのではないか。何とも危ない。

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