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チラシとおみやげと私の宝もののはなし

私の趣味は、チラシ集めです。

なんていうと、なんだか手当たり次第にフライヤーを集めている人間のように聞こえてしまいますが、わたしが集めているのは、じぶんが実際に行った&鑑賞した美術・博物館の展覧会や映画作品のチラシです。

映画館のチラシは作品が封切りになると撤去されてしまうので、映画を観に映画館へ足を運んだとき、ついでに気になった作品のチラシをもらってきます。
ここで気をつけたいのは、もらってくるのは自分が興味を持った作品のチラシのみにすること。それから枚数も一枚だけにすることです(決して手当たり次第に持ち帰ってくるわけではないのです…!)。
そしてその後、実際に映画館で鑑賞したものだけをファイリングして大切にしています。
私が観ていなくても夫が観たものであればとっておいていますが、あくまで自分の思い出として持っておくのです。

私が観るのはアニメーションや邦画がほとんどです。
だいたい年に一冊ずつクリアファイルが増えていくのですが、日本アカデミー賞の受賞式の模様をテレビで放送するときに、このファイルを繰りつつ「私の観た映画作品がノミネートされていればいいな〜」なんて思いながら様子を眺めているのが楽しいのです。

公開日順に入れるのは私には無理だった…

映画館で映画を観ると、ときどき入場者特典がもらえます。
私はそれを「おみやげ」と呼んで大切にしていて、チラシと一緒に保管し、ときたま眺めてはニマニマしています。
特典目当てで映画を観に行ったりはしませんが、観たい作品に特典がついていると「やったー!」とうれしくなります。おみやげ大好きです。

来月はドラえもんの映画が封切りになるのでワクワクです。
夫は付き合ってくれない(ドラゴンボールと名探偵コナンも付き合ってくれない)ので、ひとりで観に行くのですが、去年とおととしはおみやげに冊子をもらえたので、今年もあるかな〜と楽しみにしています。
映画ドラえもん、いいですよね…!

眺めて思い出にひたる、というのがすきなのですよね。
たとえほかの人にとっては価値のないものであったとしても、私にだけは価値がある。
そんなものがすきなのです。

おなじ理由で、美術館のチラシとそこで買い求めたポストカードやチケットなどもファイリングしています。
(美術館などでは会期中もチラシが置かれているのがありがたいです。でも、あとから来られるかたのことを考えて、ここでも枚数は一枚にします)

私の宝物。これも日付バラバラです…。

これは10年くらい前のものからあるかな。
旅先で行ったものや、その展覧会目当てで遠出したものもあります。
展示室でもらえる出品目録も、かならず保管しています。

数年前、実家のじぶんの部屋の本棚から出てきたファイル。
展覧会のチラシでパンパンに膨れ上がったそれを見つけて開いた瞬間、大げさでなく私は、宝物を見つけた!という有頂天な気持ちになりました。

じぶんが観てきた展覧会の記録。
呼びさまされる記憶。
よみがえる思い出。

こんなに胸が高鳴るものってあるでしょうか。

その後いそいそと、いま住んでいる家に持ちかえってファイリングし直して、変わらぬ私の宝物として日々アップデートしています。

チラシと一緒にポストカードを一枚いっしょに入れておくと、「ああ、私はこの展覧会ではこの絵がとくにすきだったんだ」と思い出すことができて楽しいです。
図録を買わないことも多いので(それでしょっちゅう後悔しています)、ポストカードのおみやげは貴重です。

観たものも行ったところも、感想や記録をデジタル媒体でのこすことができる時代になりました。
そしてそれをたのしいと思っているじぶんではありますが、そっと秘めたままにしておきたいたいせつな想いや、言葉でうまく言い表せない(でもものすごく大切にしたい)感情もたくさんあります。

でも、そういう想いって、日常生活のなかではなんだか忘れがち…。
だからこそ、記憶を紐解くじぶんだけの宝物が必要だと思うのです。

断捨離できない。
断捨離するどころか、これからも増やしていく気満々の私だけの宝物たち。
見かえすたびに、うれしくてしあわせな気持ちになります。