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エッセイ「バッハの音楽について」

私は、音楽を聴くことが好きである。趣味と言っても良いかも知れない。学生の頃は、合唱部や管弦楽部に所属し、演奏会に向けて切磋琢磨していた。楽器の演奏は続けることは難しかったものの、歌うことは楽しみの一環として長く続けた。一人カラオケや気のおけない友人たちとのカラオケは、私のストレス発散や楽しみとして長い間続いた。

しかし私はある時を境に、様々な理由をきっかけに精神的・身体的な病を発症した。その中には、自律神経失調症や感覚過敏症、そして突発性難聴というものがあった。これらは、聴覚に悪影響を与えるために、音楽を楽しむことが難しくなる。私は、過去に数年ほど音楽を聴けない時期が有った。

その結果、私は邦楽や洋楽を楽しむことが決定的に難しくなった。歌のある現代の曲は、私の聴覚を強く刺激する。ポップ・ロック・パンクなどの今風の曲はほとんど聴くことが出来なくなった。

クラシック音楽についても同様である。私は比較的様々なスタイルの曲を聴くことができた。しかし、オーケストラの様々な楽器によって演奏された華やかな音楽は、残念なことに耳が受け付けなくなってしまった。私は、そのことを自覚した時にひどく辛く残念に思った。

しかし、神は私に別の楽しみを与えてくださった。私は数年前にバッハの器楽曲というジャンルの素晴らしさに、気づくことができた。ピアノやチェンバロやオルガンといった鍵盤楽器の音楽。ヴァイオリンやチェロの無伴奏の作品集。ヴァイオリンと鍵盤楽器のソナタ。そして、今年になって、声楽曲であるミサ曲ロ短調も楽しめることが分かった。マタイやヨハネの受難曲、クリスマス・オラトリオはまだ耳に刺激が強いため全てを聴くことは難しいものの、この調子で体調が回復すれば、声楽曲ももっと聴けるようになるかも知れない。

このように、いまの私は、ヨハン・セバスチャン・バッハという作曲家によって書かれた限られたジャンルの音楽を繰り返し聴く毎日である。しかし、限定されたジャンルではあるものの、バッハの音楽的な技法の素晴らしさと、演奏家のたゆまない探究心の結果生まれる名作の数々によって、私は全く飽きることなく日々の音楽を楽しんでいる。

私は、私の楽しんでいるバッハの作曲した作品の良さを、多くの人に広めたい。これから、不定期ではあるものの、私のお勧めの作品を紹介する記事をnoteに掲載していこうと思う。



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