日々鯨之

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My name is Keino HIBI. I'm writting novels, essays about music, etc. I'm part of https://doggyandwhale.love/

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    このマガジンは「楽しく、続ける」を趣旨として発信してます。まだnoteに慣れてない人は知り合いづくりと記事の共有を兼ねてぜひご参加してみてはいかがでしょう🌹 ※原則1日投稿記事は2本までとしました。ご了承ください。

  • エッセイ

    日々鯨之のエッセイを掲載していきます。

  • エッセイ・音楽のお勧め

    日々鯨之のエッセイや音楽のお勧めなどを掲載していきます。

  • 小説「ある朝の目覚め」

    ノート書きを趣味とするコーヒー好きでお一人様の女性営業職の与田あや子31才は、行きつけのカフェの女性バリスタ相川まな27才に惹かれていく。あや子は心の中で中途半端にしまっていた元上司の片桐裕司34才との恋愛を思い出す。三月上旬の生理の前後の一週間を通して、あや子は過去の恋愛の気持ちの整理をし、自身の気づいていなかった大事な側面を発見し、新たな恋心を育み楽しむ。ある朝の目覚め、あや子はまなへ好意を伝える決意をする。

  • 小説・詩歌

    日々鯨之の短編小説や詩歌など、単発の作品を掲載していきます。

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小説「ある朝の目覚め」第一章

あらすじノート書きを趣味とするコーヒー好きでお一人様の女性営業職の与田あや子31才は、行きつけのカフェの女性バリスタ相川まな27才に惹かれていく。あや子は心の中で中途半端にしまっていた元上司の片桐裕司34才との恋愛を思い出す。三月上旬の生理の前後の一週間を通して、あや子は過去の恋愛の気持ちの整理をし、自身の気づいていなかった大事な側面を発見し、新たな恋心を育み楽しむ。ある朝の目覚め、あや子はまなへ好意を伝える決意をする。 目次第一章: https://note.com/da

    • エッセイ「映画『PERFECT DAYS』から感じるマインドフルネス」

      遅ればせながら、ヴィム・ヴェンダース監督、役所広司主演の映画「PERFECT DAYS」を、鑑賞してきた。観に行こうと思ったきっかけは、kururiさんの下記の記事を読んだこと。もし、映画の詳細について興味を持った方は、感性豊かなkururiさんの書かれた記事を読むと良いと思う。 鑑賞して1日経ったが、私はまだそれほど、感想を言語化できていない。第一印象として感じたのは、主人公の平山さんは、出家して煩悩を捨てて悟りを得たブッダのようだということ。 裕福な王族だったブッダは

      • エッセイ「ヤーッコ・クーシストによる、『無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ』」

        私のアマチュアとしての音楽活動における演奏楽器は、合唱と管弦楽のホルンである。どちらもとても発音(アーティキュレーション)の大切な楽器である。 きれいに発音された音は、はっきりとしつつ雑音の少ない音で始まり、中間部はきれいに伸びて、音の最後は雑音なく自然に消える。 私は、声楽と管楽器のホルンの経験から、口(アンブシュア)を活用した発音については、感覚的にも理論的にもある程度説明できる。しかし、弦楽器や打楽器、そしてそれらを総合して作られた鍵盤楽器の発音の理論については、何

        • エッセイ「ディーナ・ウゴルスカヤの『平均律』」

          私は、先日、バッハの作曲した音楽が好きであり、その音楽を紹介する記事を書こうと思うと述べた。 私は、その記事をどういう内容で書こうか、数日考えた。読者をクラシック音楽に馴染みの無い人と想定して、バッハの人となりや各曲の成立の成り立ち、作曲技法などを順番に紹介することも考えた。 しかし、バッハほどの著名な作曲家の音楽についての情報は、Webを検索すればすぐに見つかる。私は、一介の音楽の愛好家でしかない。専門的なことはその道の専門家に譲り、私は私の好みの作品のどこをどのように

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        小説「ある朝の目覚め」第一章

        • エッセイ「映画『PERFECT DAYS』から感じるマインドフルネス」

        • エッセイ「ヤーッコ・クーシストによる、『無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ』」

        • エッセイ「ディーナ・ウゴルスカヤの『平均律』」

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        記事

          エッセイ「バッハの音楽について」

          私は、音楽を聴くことが好きである。趣味と言っても良いかも知れない。学生の頃は、合唱部や管弦楽部に所属し、演奏会に向けて切磋琢磨していた。楽器の演奏は続けることは難しかったものの、歌うことは楽しみの一環として長く続けた。一人カラオケや気のおけない友人たちとのカラオケは、私のストレス発散や楽しみとして長い間続いた。 しかし私はある時を境に、様々な理由をきっかけに精神的・身体的な病を発症した。その中には、自律神経失調症や感覚過敏症、そして突発性難聴というものがあった。これらは、聴

          エッセイ「バッハの音楽について」

          小説「ある朝の目覚め」第五章

          暗闇の中で沢山の女の小人たちが薪の火を囲んでいる。もう大鍋の熱は冷めている。食事は終わったようだ。魔女が戻ってきた。不思議な胴体の形をした弦楽器を手に持っている。魔女はそれを顎に当てて、弓を弦に当てて弾き始める。なんとも形容のし難い音色が発せられる。魔女が低音を響かせるとわたしの下腹部にずんずんと痛みが伝わり、高音を高らかに奏でると、下腹部の奥に刺すような痛みが鋭く伝わる。わたしは魔女の演奏を止めさせようと近寄ったところで、目が覚めた。 火曜の朝。生理四日目。わたしにとって

          小説「ある朝の目覚め」第五章

          私の手帳やノートやジョッターや万年筆やフィクストペンシルやスケジュール帳やシステム手帳やボールペンなどの使い方や物の良さについてヒアリングして記事にしてくれる人がいないだろうか。 自分で書こうとすると思い入れが強すぎて適切なレベルで書くことができないでいる。

          私の手帳やノートやジョッターや万年筆やフィクストペンシルやスケジュール帳やシステム手帳やボールペンなどの使い方や物の良さについてヒアリングして記事にしてくれる人がいないだろうか。 自分で書こうとすると思い入れが強すぎて適切なレベルで書くことができないでいる。

          エッセイ「障害の認定について」

          私は、私の恋人であり創作パートナーであるDoggy🐶と一緒に、@doggyandwhaleという名前の創作ユニットを作って活動しています。これは本業の合間に行っている活動です。 私たちは、二人共、精神疾患を患っており、精神保健福祉手帳を所持し、障害者雇用制度を利用し就労して、日用の糧を稼ぎ生活しています。 具体的には私は、双極性感情障がいとASD(自閉症スペクトラム障がい・広義の発達障がい)を患ってます。そして、私のパートナーのDoggy🐶は大うつ病性障がい(いわゆるうつ

          エッセイ「障害の認定について」

          短編小説「始まりは」

          始まりは、ほんの少しの音と音の重なりのずれだった。私は、心の中で少しだけ動揺する。音楽ホールの大多数の聴衆は、この程度のミスに気づくことは無い。しかし、その聴衆の最前列に陣取っている審査員たちは、きっと気づいただろう。減点方式で評価するタイプの審査員にとっては、悪い印象を与えたに違いない。 私はピアノの演奏の最中に他のことを考え出した自分に気づき、更に動揺する。私は、いま演奏に集中していない。そのことを意識しだした途端に、手と足の連携がうまく行かなくなる。ペダルを操作するタ

          短編小説「始まりは」

          短歌「河津桜」 #みんはい桜まつり

          河津桜 風に流れる 花びらの 向こうに見える 愛おしい君 日々鯨之

          短歌「河津桜」 #みんはい桜まつり

          小説「ある朝の目覚め」第四章

          夕暮れの広場で沢山の女の小人と魔女がパーティーをしている。魔女が小人に命じて、大きな鍋に不思議な食べ物を加えるとそこからボコボコと泡が立ち上る。その泡が弾ける度にわたしの下腹部に鈍く長く続く痛みが伝わってきた。魔女が大きくうなずくと、数人の小人が協力して大きな食べ物を鍋に放り込もうとした。わたしは怖くなり「もう止めて!」と声に出したところで目が覚めた。 月曜の朝。生理三日目。昨日か今日で痛みのピークを越えるはずだ。そう思ったところで目覚まし時計のアラームが鳴った。わたしは目

          小説「ある朝の目覚め」第四章

          小説「ある朝の目覚め」第三章

          大勢の女の小人たちが森を切り開いている。小人たちは数人のグループになって大きな木を切り倒そうとしている。斧が木の幹に当たる音がする度に、わたしの下腹部に鋭い痛みが伝わってくる。だんだんと幹に深い傷ができ、木が倒れようとしてミシミシという音を立てて傾いていく。わたしの下腹部から何かが剥がれていくような鋭い痛みが連続して伝わる。木が倒れ込んでひときわ強い痛みを感じたところでわたしは目が覚めた。 日曜の朝。生理二日目。わたしは目覚まし時計を確認することを忘れた。下腹部の痛みに耐え

          小説「ある朝の目覚め」第三章

          小説「ある朝の目覚め」第二章

          沢山の女の小人たちがテーブルを囲んで座っている。テーブルの上には小さな豆のようなものがたくさん広げられている。小人たちはそれらを手で確認しているようだ。そして何か気になる豆を見つけると手に取りそれをテーブルの下に落とす。豆は甲高い音をして床を転がっていく。なぜだろう。その音はわたしの下腹部に響きチリチリとした痛みが伝わってくる。次々と小人たちが豆をテーブルの下に落とすと、沢山の豆が転がりわたしの下腹部に連続した痛みが続く。その痛みに我慢できなくなったところで目が覚めた。そうか

          小説「ある朝の目覚め」第二章