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きみの鳥はうたえる モラトリアムとしての青春を真空パックした青春映画

あらすじ

“僕”(柄本佑)は函館郊外の書店で働きながら、小さなアパートで失業中の静雄(染谷将太)と共同生活を送っている。
ある日、ふとしたきっかけで同じ書店で働く佐知子(石橋静河)と関係を持つが、彼女は店長の島田(萩原聖人)とも抜き差しならない関係にあるようだった。
しかし佐知子は毎晩のようにアパートを訪れ、“僕”、佐知子、静雄の3人は夏の間、毎晩のように酒を飲み、クラブへ出かけ、ビリヤードをして遊ぶようになる。
“僕”は佐知子と恋人同士のように振る舞いながら、お互いを束縛せず、静雄とふたりで出掛けることを勧める。
夏の終わり、静雄はみんなでキャンプに行こうと提案するが、“僕”はその誘いを断る。ふたりでキャンプに行くことになった静雄と佐知子は次第に気持ちが近づいていく。
“僕”は函館でじっと暑さに耐えていた。3人の幸福な日々も終わりの気配を見せ始める。
佐藤泰志の同名小説を映画化。

感想など

気ままに明日のことを考えず夜通し遊び酒を飲み踊り、「お互いにそれぞれに干渉しない」「僕」と静雄と佐知子の危ういバランスの三角関係を、柄本佑と染谷将太と石橋静河が役柄そのままで函館で夜遊びしたりアルバイトしたりしているようなドキュメンタリーチックな演出の青春模様がアオハルそのもので、「僕」の誰とも深く関わらない姿勢が原因で、静雄と佐知子が少しずつ心を通わせていき三角関係のバランスが崩れていく心情を、 抑制されたそれでいてエモーショナルなタッチで、青春の危ういモラトリアムと大人への一歩をリリカルに描き、柄本佑と染谷将太と石橋静河にとって新たな代表作となる傑作青春映画。
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