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ザ・メニュー 注文の多い料理店かサイコな美食倶楽部か

あらすじ

太平洋岸の孤島を訪れたカップルや料理評論家たちセレブ。
そのお目当ては、なかなか予約の取れない有名レストラン「ホーソン」のカリスマシェフ、ジュリアン・スローヴィク(レイフ・ファインズ)が振る舞う極上のメニューの数々だった。
“ちょっと感動しちゃって”と、目にも舌にも麗しい料理の数々に涙するカップルの男性タイラー(ニコラス・ホルト)やセレブたち。
それに対して、女性マーゴ(アニャ・テイラー=ジョイ)がふと覚えた違和感をきっかけに、一品サーブされるごとにレストランは徐々に不穏な雰囲気に包まれていく。
なんと、一つ一つのメニューには、想定外の“サプライズ”が添えられていたのだ…… 。
果たして、レストランには、そして極上のコースメニューには、どんな秘密が隠されているのか? そしてミステリアスな超有名シェフ・ジュリアンの正体とは……?

この映画で思う個人的な独り言

SNSによって、国民総評論家時代が到来。
食べログのレビューが、シェフや店長への誹謗中傷の場になり炎上したり、YouTubeなどで映画を倍速で見ることの是非が話題になった。
私自身、このSNSで見た映画の長めのレビューを書いているが、自分で心掛けているのは「映画を観る時は、倍速で観ない」「一行レビューは書かない」「何が面白かったかつまらなかったを、掘り下げて書く」こと。
言うまでもなく、全てのエンタメや料理には作る人の心血が注がれているので、細部にまでこだわるのが、クリエイターへのリスペクトです。

感想など

さぁ、この映画レビューのフルコース始めます。
蘊蓄語りまくるタイラーや何回もホーソンに来ているのに何が美味しかったかシェフに言えない料理評論家やナンパ目的に来た落ち目の映画スターなどが、何故呼ばれたかがフルコースに仕掛けられた数々のサプライズの中で徐々に明かされていくのが、ユニークな料理を目で味わいつつもワクワクさせるサスペンスが、ある。
なおかつ、食材やレシピにこだわりお客にも真剣に料理に向き合うことにこだわり過ぎて権威者になってしまいエゴを周りや客に押し付ける一流シェフのスローヴィクが、ステイタスを得る道具に自分のレストランや料理を利用するグルメ気取りの若者や自らの権威付けに自分のレストランを利用する料理評論家などに対する戦いから、スローヴィクのエゴを看破し初心を思い出させるマーゴと料理に対するこだわりから認められることを求めていたスローヴィクのサービスする側と受ける側の基本的な形の対立から認め合う関係に変化する展開に、監督の「お客様だからって、調子に乗んなよ!」という怒りが込められているただ単に怖がらせるだけのサイコサスペンスというだけでなく、モンスターカスタマーの暴走や有村昆など映画を数多く見るために倍速再生して観る映画評論家気取りなどが論議を呼ぶ現代の作り手と受け手のあり様を問うサイコサスペンス映画。
「この料理を五感を使って、味わってください」

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