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File01: 発達障害当事者のはなし 〜 カウンセリングは怖くない~

「精神科」「心療内科」「カウンセリング」という言葉は、そうしたことに縁遠いひとにとって、まだまだ未知の世界と感じられるようです。

 2018年の夏ごろ、友人Aさんとのお話で、それを痛感したことがありました。

 話題にのぼったのは、Aさんの友人・Bさんでした。
 Bさんは離婚したばかりで、気持ちの整理がつきづらい様子。身近な友達に悲しみを訴え続ける日が月単位で続き、話を聞いているAさんまで、気持ちが沈みはじめたということでした。

私「日常生活に支障が出るようなら、いちどカウンセリングを受けてみてもいいのかもしれませんね」
Aさん「えっ」

Aさん、あきらかに表情がこわばります。

Aさん「それ心の病気の人が行くところじゃないんですか? 大丈夫ですか?」
私「精神科とは違いますよ。カウンセリングルームは基本お薬もありませんし、ただ話を聞いてもらうだけってこともできますし」
Aさん「待合室が薄暗かったり鉄格子窓の部屋に入院させられたり」
私「してたまるか!」

 こんなすったもんだの後、

・精神科・心療内科とカウンセリングルームは趣旨が違うこと
(前者は「病気の治療」を主目的とした投薬や治療方法の提案を受ける、
後者は話を聞いてもらうことを通して自己理解・解決方法を見つけるための場所)

・カウンセラーには守秘義務がある
(カウンセリングルームで話したことは内密にされる。※クライアントの生命にかかわる場合などの例外もある)

・他の診療科と同じで、かかる先を選ぶこともできるし、途中でやめることもできる

・待合室も、リラックスできるよう、きれいに整えてあるところが多い(都市部なら特に)

・一時的に気持ちが沈んでいる程度の人をいきなり入院させたりしない

 こういったことをお話ししました。

 念のためお伝えすると、普段のAさんは聡明な人です。
 ただ、今までの生活の中で、精神科やカウンセリングルームにかかったことはありませんでした。

 ふだん「心の病気」に縁遠い方の、
「精神科≒心の治療・回復のため場所≒なんだかわけがわからないけど怖いところ」というイメージを、肌身で感じた出来事でした。
 実情を知らないほど、極端なイメージを持っているということは、案外誰にでもあるのかもしれません。

 私は双極性障害を発症後、各地の精神科・心療内科、カウンセリングルームのお世話になりました。
 そのとき感じたのは「風邪をこじらせて通院するのと同じだな」ということ。
 下調べをしたり紹介してもらったりして、自分に合ったところを見つける必要があるのも、
 たまに合わないお医者様・カウンセラーさんに当たってしまうことがあるのも、内科や外科と同じです。

 どうしても辛いこと・自分や身近な人だけで解決が難しい悩みがあるとしたら「カウンセリングを利用する」という方法もあることを、今回ぜひお伝えしたいと思います。
 カウンセリング、怖くないですよ!

 ちなみにこの後、Bさんは、カウンセリングを受けることを決心。
 徐々に心の状態も安定し、現在は以前と同じく元気に働いていらっしゃるそうです。

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