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結局経営者って初代と二代目以降ならどっちが楽なのよって話(二代目の視点から)

気づけば社長交代して三期目を迎えておりました。迎えてたよな?
確か2020年の11月という、年始でも役所の年度初めでも当社の年度始めでもない、実に中途半端な時期に交代したんでいまいち忘れがちなんですよねえ・・・。

で、そこから色々やってきてます。
経営方針は先代と大きくは変えず、基本は官公庁をしっかりと受注して強い経営基盤を作ろうではあるんですが、他にも仕込みはちょこちょことやって行っているところです。
しかし組織運営に関しては結構ダイナミックに変えていますかね。
先代と私では組織に対する考え方が全く違うので、やり方はかなり違うなあと思っています。
先代は良くも悪くも家族経営。社員は家族だ、俺は家長だ。だから全員俺の言う事を聞け。その代わり守ってやる。というようなスタイルの運営なんですね。
一方私は全く考えが異なっているので、基本的には社長である自分も含めて各々の役割をしっかり果たして利益を稼ぎ出して役割に応じて分配を行うという考え方です。
どちらが正しいのかはわかりませんが、少なくとも40年近く会社を存続させているという実績のもと、今のところ先代のやり方は1つの正解なんだと思います。

さて本題。

私は二代目なので、よく「いいよね二代目は。親父さんのならした土俵の上で勝負ができてさ。」とか言われるわけです。
ただねえ、ここに関しては大いに異論があるところなんですよね。
幸いにして当社においては負債らしい負債もなく承継が出来たのでそこは感謝なんですけど、他社を見ていると先代が築き上げた莫大な負債をコツコツ返して今に至っている方々がいるわけです。
なんでしょうねえ、すげえ立派な鉄筋コンクリートの建物を引き継いだと思ったら、ガタガタの基礎に明らかに耐震基準を満たしていない柱と梁を兼ね備えた砂上の楼閣だったみたいな感じでしょうか。
のれんこそあるものの、負の遺産が足を引っ張りまくっている中で戦ってきた人たち。ハンパじゃないですよ。
住宅ローンどころじゃない残高と金利を命がけで返す。想像しただけで震えが来そうです。

さてそれじゃあ私のように手堅い財政基盤を引き継いだ人間なら楽勝かと言えばこれもまた厄介でして。
私が引き継いだ時点で財務的な負債は確かにほとんどありませんでした。
んが、人的な部分では正直負債だらけ。
組織というより個人の利得にしか興味のないベテラン社員が跋扈し、採用した若手社員は次々退職していく。そして自分の意見を押し通したくて仕方のない先代。仕事は属人化の極みのため、組織形成上はマイナス要因が強すぎる人間であってもすり寄って働いて頂かざるを得ない状況。
出来うるならさっさとこんな会社売り飛ばして蔵王あたりでペンションでも経営したいぜと妄言をつぶやきながら風呂に入った夜が何度あったことか・・・。

要するにですね、初代というのはリスクの塊だと思うんです。
地盤看板カバンどれ1つない中で起業し、己の独力で腕一本で切り開いてきたその手腕には尊敬の念が溢れます。
実際お客を逃したとかお金がないとか人がいないとかで修羅場をくぐり抜けてきたことも幾度もあったことでしょう。
しかし一方で、失ったところで全ては自己責任だと割り切れる部分もあるわけです。なんたって自分がゼロから起こした会社・事業ですから。

ところが二代目以降はちょっと話が変わってきます。
地盤看板カバンのどれか1つくらいは引き継いだ状態でスタートするので、そこは間違いなく恵まれています。
しかし、逆にそれが枷になる部分も正直ある訳です。
何をやっても先代の影がちらつき、成功すれば先代のおかげ、失敗したら先代はこうだったのにと陰口を叩かれることも少なくなく。
プラスからスタートした資産はスタートから少しでも減ると無能の烙印を押されがち。
企業活動の中では投資は切り離せないわけですが、投資なんで成功も失敗もあるわけですけど成功の称賛以上に失敗の叱責を恐れる。
経営の自由度はおそらくオーナーの初代には劣ると思います。
現実当社においても毎日のように先代が何かしらかにかしら自分の望む方向に話を持っていこうと口出しが絶えません。(8割「へーそっすかー考えときますぅー」で流してゴミ箱に投げ捨ててますが)

要は初代と二代目以降を比べるのはアホほどナンセンスだと思うんです。全く別なので。スキルも違いますし。

しかし双方に共通するのは「ブレないこと」がとても大事ということなんじゃないかなと思います。
ブレるくらいなら思い切って方針転換をしてしまったほうがいいんじゃないのかなと思っています。
そしてきっと、やりたいこと、成し遂げたいことがないんだったら経営なんかしない方がいいんじゃないかなーと思うんですよね。それがあるから自分の中で背骨が一本ビシッと通って「やってやるってー!!」という決断ができるわけで。経営道は覚悟と見つけたり。

まとめると、「お互いdisり合っても仕方ないじゃん、尊重し合おうよ」ですかね。無責任な外野の声なんて無視です。無視。スルーしましょ。「参考にいたしますぅ。うふふ。」位で十分です。あの人達は私達の人生にも経営にも責任を持ってくれません。

やってやるってー!!

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