山井縫

エブリスタ、カクヨム、アルファポリスなどの小説投稿サイトで創作小説を投稿しています。

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最近の記事

【実話怪談】見えないものの感触

私が二十代の頃の体験。良く金縛りにあっていた。  夜勤の仕事をしていた為に昼夜逆転の生活が続きつかれていたという事もあったのかもしれない。  大体が寝入りばなだ。頭がジーンとなったかと想うと、身体が動かなくなった。どれだけ力を入れても身動きが取れなくなった。  それだけではない。暫くすると身体に手の感触がするのだ。  しかも、掌で身体をトントン……と押している。そちらに目線を向けられるわけではないので見えている訳ではないが、感覚としてその様に感じられる。  そこから

    • 鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 感想(1) 水木しげると横溝正史

       もう先月のことになるがアニメ映画「鬼太郎誕生ゲゲゲの謎」を見てきた。  鑑賞後に想ったことをつらつらと書いてみる。考察なんてものでもない感想文だと想って読んでいただきたい。   この「鬼太郎誕生」は言うまでもなく水木しげるの代表作「ゲゲゲの鬼太郎(墓場鬼太郎)」をベースにした物語。  鬼太郎の第一話「幽霊一家」よりも更に前のストーリー。前日譚となるお話。  当初は公開館数も多くなかったが、口コミによって評判が広まり入場者数が激増。大人気作となった。  その内容は、  

      • 実話怪談「ガンゴンと鳴る音の正体は?」

        Kさんは水族館で飼育員として働いていました。 その水族館には地下に巨大な機械室があり色々なシステムを制御しています。 そして閉館した後に夜から朝までの間。 持ち回りで従業員は機械室内にこもり、 異常が起きないかを監視しなければなりません。 ある時Kさんの番がやってきました。 機械室の奥にある監視ルームに入ったのが午後10時。 とは言え特にやることはありません。 定時に決まった見回りをする以外特にやることはないのです。 朝まで退屈な時間を過ごさなければならないの

        • 夜の浜辺に響くブルース

           寄せては返す波の音を浴びながら砂浜にしゃがみこんだ。  辺りには誰もいない。目を前に向けると真っ暗な夜の海が広がっている。  俺みたいな下手くそには寧ろ不釣り合いなくらいのステージングだろう。  そんなことを想いながらケースからギターを取り出す。  浜辺でギターなんか弾いたら弦がサビサビになるって?  そんなことはわかってる。  このギターは使い古しだ、問題ない。  サビたら変えりゃいいだけだ。  絶対音感なんかないし、音叉でのチューニングも自信がない。

        【実話怪談】見えないものの感触

          不思議なお話を聞いてください1

          実話を元にした実話怪談、作者が創作した実話風創作怪談を取り混ぜて不思議なお話をお届けします。   これは私が聞いた話です。  その日、浜田宮子さんは自宅マンションで友人の木村朋子さんが来るのを待ってたそうです。  時刻は午後2時少し前、約束の時間が迫っている頃、 「そろそろ来るかな」そう呟やいたと同時くらいに、  ピンポーン。  ドアチャイムがなりました。  すぐに彼女は自分の部屋を出て玄関に向かおうとします。部屋の間取りは1LDK。リビングを抜けキッチンを抜

          不思議なお話を聞いてください1

          【連作短編集】東雲塔子の事件簿 

          木島香の困惑 エピローグ  塔子と話をして数日が経ったある日。あまね先輩と図書委員の受付をする日がやって来た。が、 「先輩、やっぱりここに居たんですか」 「ああ、カオちゃん。バレちゃった?」  少し困った様な顔をしてあまね先輩は私に言った。 「そりゃ、分かりますよ。トイレへ行くって言っておきながらいつまでも帰って来ないんですから」  今日も今日とて先輩は相も変わらず書庫へ行ってさぼっていたようだった。当然私もそれを察してここへやって来たのだ。 「たはははは。ごめ

          【連作短編集】東雲塔子の事件簿 

          小説挿絵ai生成画像没案「ギャル女性高生」

          自作オリジナル小説「あかね色に染まる校舎に舞い落ちた君は」キャラクター「秋田ひな」を生成する過程で出来た画像郡を紹介します 主人公、東雲塔子のクラスメイトでギャル。ギャル四人組のリーダー。カースト上位を狙っているが、更に彼女達よりも美人で人気のある二見エリナという女子がいてそのエリナに取り入ろうとしている。 悪くはないが、ちょっと美人に見えすぎる気もする。彼女よりも美人で魅力的な存在がいるという設定なのでこれを使うかちょっと迷った。 白ブレザーにカーディガンの指定が上手

          小説挿絵ai生成画像没案「ギャル女性高生」

          【連作短編集】東雲塔子の事件簿 木島香の困惑(7)

          「でも、そんな事あり得るかな」  飲食も禁止されているし入れ替えるくらいに本が汚れる事なんかあるだろうか。 「例えば図書室に水なんかが持ち込まれる様な事はないかな? 掃除の時とかはどう?」 「水拭きする時にバケツを入れるっていうことはあったと想うけど」  そうだ。あの書庫の掃除をした時も水拭きをする為にバケツを持ち込んだっけ。 「うん、書庫で掃除をしていたことがあるって話だったよね。それも件のあまね先輩と」 「あ、うん。あったけど……でも、それがどうかしたの?」  私は何気な

          【連作短編集】東雲塔子の事件簿 木島香の困惑(7)

          発行部数600万部のあの雑誌に私の○○が〇った話。

           私は東京の西の外れに生まれ育った。  そして子供の頃。長い休みに入ると鎌倉の七里ガ浜で家族数日過ごすことがあった。  今では某バスケットアニメの聖地としても有名になった近辺。  そこには両親の友人が住んでいた。庭付きの二階建て部屋も沢山ある大きな家で他にも家族がやって来てワイワイ騒ぐ。夏休みなどはキャンプに行ったりしたこともある。  連れられてきた子供の歳もバラバラだけど皆小学生くらいで一、二歳の差で仲良くやっていたのだが。その中でも九州の熊本からやってきていたR君という男

          発行部数600万部のあの雑誌に私の○○が〇った話。

          【連作短編集】東雲塔子の事件簿 木島香の困惑(6)

           それはそれで考えられない様な気がする。本を入れ替えたことを私一人に隠して誰にどんなメリットがあるというのか。 「そうね、それで言えば香、あんた。本を汚す人が嫌いとか何とかいう事いったんだよね」 「え? ああ、まあそんな事も話したかもしれないけど」  ノッコ先輩から話を振られてそんな返事を返したのは確かだ。でも、それがなんだというのだろう。 「で、その後、あまね先輩っていう人にその話をされたんだよね」 「まあ、そうだけど……え? それが理由でみんな黙ってるって事?」  どうい

          【連作短編集】東雲塔子の事件簿 木島香の困惑(6)

          ai生成画像「図書委員 木島香」

          自作オリジナル小説「あかね色に染まる校舎に舞い落ちた君は」及び noteでも現在公開中の「東雲塔子の事件簿」登場人物。 木島香を生成する過程で出来た画像郡を紹介します。 こちらのキャラクターは以下の作品に登場します。

          ai生成画像「図書委員 木島香」

          【連作短編集】東雲塔子の事件簿 木島香の困惑(5)

           お昼休みのひと時、私は友人、東雲塔子と机をくっつけて一緒に昼食をとった後、向いの彼女に話かけた。 「ねえ、ちょっとさ。話聞いてもらいたんだけど」 「あによ、改まって。そんな事気にするガラじゃないじゃん」  怪訝な顔をしてそう返すトーコに私自身もどう返していいか一瞬悩みながら言った。 「うん。ちょっと、込み入った話っちゅうか……」 「なに? 何か誰かとトラブってんの? 誰とよ」  彼女は一転、今度は心配顔で尋ねながら辺りをきょろりと見回した。その様子には彼女生来のお節介気質が

          【連作短編集】東雲塔子の事件簿 木島香の困惑(5)

          【連作短編集】東雲塔子の事件簿 木島香の困惑(4)

          「その話のきっかけって、この……アレだよね」  あまね先輩は受付カウンター後ろ。台の上に乗っているプラスチック製の籠に積まれている本の山に目をやりながら言った。 「ああ。はい、そうでした」  この本はたった今返却されてきた本なのだが、以前までは特に気にすることもなくそのまま元の棚に戻されていた。  ところが数週間前に、ある返却された本にかなり汚れが見つかったのだ。恐らくケーキか何かの生クリームがべっとりついてしまったのだと想われページが貼りついてとれないぐらいの状態。  しか

          【連作短編集】東雲塔子の事件簿 木島香の困惑(4)

          【連作短編集】東雲塔子の事件簿 木島香の困惑(3)

          「そういえば、もう、怪我は良くなったの?」  先輩のその言葉で私の回想は途絶えた。目を向けると心配そうな顔が目に入ってくる。 「ええ。もう、大丈夫ですよ。ちょっと転んだだけですもん」  はた目から見たらかなり派手に転んで尻もちをついたように見えたのだろうが、暫くしたら痛みも引っ込んだ。病院に行くまでもないほどの怪我だ。  でも、先輩は大分心配してくれたようだった。靴がすっ飛んで行った場所までわざわざ取りに行ってくれたのだが、それを渡しに傍まで来てくれた時も大分取り乱していたよ

          【連作短編集】東雲塔子の事件簿 木島香の困惑(3)

          小説挿絵ai生成画像没案「男の娘霊能者 金鞠あゆみ」

          自作オリジナル小説「百鬼夜荘シリーズ」キャラクター「金鞠あゆみ」生成する過程で出来た画像郡を紹介します。 あゆみは高校1年生。見た目はそれよりも幼く身体も小柄。そして霊能者だった祖母の血を継いで能力を持つ。ただし、能力を使う時は女装して巫女服姿となるという設定。 緑のセーターで指定した為、髪が緑に。後、オトコノコ指定した為か胸も出てしまっている為没。イラストとしては悪くないので何かに流用するかも。 こちらは幼すぎ、後服装が少し不自然。 ちょっとずんぐりし過ぎかな 女

          小説挿絵ai生成画像没案「男の娘霊能者 金鞠あゆみ」

          連作短編集】東雲塔子の事件簿 木島香の困惑(2)

           先週の水曜日。私とあまね先輩は書庫の清掃をする事になっていた。  その日の担当エリアは部屋の雑巾がけと本の整理。  書棚はかなり高さがあるものもあり、上の物をとったり掃除をするのには脚立や台に乗る必要がある。  その時も、あまね先輩が脚立にのって棚の整理をしてくれることになった。 「下で押さえておきましょうか?」尋ねてみたが、 「大丈夫大丈夫、本も殆どないし、すぐ済みそうだから。カオちゃんはそっちの事やっといてよ」 「そうですか? じゃあ、気を付けてくださいよ」

          連作短編集】東雲塔子の事件簿 木島香の困惑(2)