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読書日記~「ののはな通信」三浦しをん著

ののとはな。横浜の高校に通う2人の少女は、性格が正反対の親友同士。しかし、ののははなに友達以上の気持ちを抱いていた。幼い恋から始まる物語は、やがて大人となった2人の人生へと繋がって……。

いきなり、Amazonの紹介文を書いてしまった。
下は、文庫版。この紹介から引用させていただいた。


なんとも不思議な雰囲気。
なんなんだ、これは・・・。
手紙(書簡)だけで進む話だから、最初は乗れなかった。図書室に読まずに返そうかと思ったくらい。

でも、改めて読む始めると、すごいことになっていく。
えーーっ!!そうなるん!

でも、ちっとも汚れた感じがしないのはなぜだろう。

どっちが書いた手紙なのか確認しないとわからないときもあった。後半のストーリー展開が唐突すぎると思った。ごまかすような演技をする場面もある。

しかし、結局全てが一つになる。

魂まで一緒になりたいと願う。そこまで愛する人に出会うって奇跡だと思った。羨ましいとも思った。

当たり前とか普通とか常識とか、揺らいでいく。
そこが優れた文芸作品なのかなと。

文中から。

心の窓を開いて、世界に、他者に敏感になる。そうしていれば、きっといつか、あなたの声がはっきりと聞こえてくる気がするのです。都合のいい幻聴ではない、他者との真の理解が成立する瞬間が、訪れると思うのです。

本432より引用

ここが肝というわけではない。ここでなくても良かったのだけど、どこか書いてみたかった。

三浦しをんは好きな作家だ。語彙力、表現力とか筆力がすごいと思う。

「ののはな通信」は、島清恋愛文学賞(2018)と河合隼雄物語賞(2019)を受賞している。

この年になると、時間があるから本を読むのではない。良かったと思える本を読みたい。

人によると思うけど、この本は、私には読む価値があったなと思う。


障害者の方たちのお店で買いました。確か300円。

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