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多くの人には読まれない前提で書くブログ(地下水脈としてのブログ)

タイトルは、どうせ誰かの悪口を書いても本人は読んでやしないだろうみたいなはなしではありません。

ブログ&副業ブームで、ブログは儲けを前提としていたと思うんです。
ブログはインスタやYouTubeにシフトしましたが
そこで語られているのも、やはり「儲ける」ことです。

パート・アルバイトなどの非正規、または無職の人が増えたので「儲ける」ことは死活問題ではあるでしょう。

でも、もともと、ブログの黎明期は「儲ける」ことを目的としてなかったと思うんです。
ただ、途中で儲かったり、メジャーになったりする事例が出て来て
そこから職業ブロガーが出て来て、ブログは「儲ける」手段にシフトしてしまったんです。
その過程で得られたノウハウは、今日でも有益なものが多いでしょう。


でもブログの利点は、本来「儲ける」みたいな副業ベクトルのはなしというより、
リアルの知り合いに口頭で伝えてるようなコミュニケーションを超える、とうか、それとは別のはなしを、リアルでは知り合えない筋の人にできるということでしょう。
どうしても、職場では当たり障りのない話題や、職場自体に関する話題をなかなか超えられないことが多いでしょう。


『アンネの日記』って知ってる人は多いでしょう。
ユダヤ人であるが故にナチスの迫害を受け殺されてしまう少女が残した日記です。
アンネはメジャーになるとか、バクバク儲けるとか稼ぐとか、○○賞を戴くとかまったく念頭になかったと思うんです。
というか、生前、書いたものが誰かに伝わる希望がそんなにあったかも怪しい状況で書かれたと思います。
書くっていうのは本来、究極そんなものなのかもしれません。
「伝わらないかもしれないけど、書かずにはいられない」


ブログが曲がっていったのは、「売れる」を目指したあたりからではなかったでしょうか。
もちろん、そのころ「売れる・読まれるノウハウ」をまとめ上げたブロガーたちの仕事に意味がないというわけではありません。
ただ、PV至上主義、フォロワー・リアクション至上主義みたいなほうへ一般の人もそれにつられて流れていったときブログの終わりは始まっていたのかもしれません。
リアクション至上主義になると、100の「いいね」アベレージをキープするためには、ギブアンドテイクで最低誰か100人の記事に「いいね」し続けなければなりません。
それはもう、難行苦行に近づいてしまいます。

ブログは2015年くらい(?)からの副業ブームと、ブログ自体が「儲かる」ことがブロガーたちによって発見されたころから曲がっていったのかもしれません。

書くとか、ブログをやるとかいった行為は、本来、アンネがやったような地下水脈ような動機にちかいものもあるのかもしれません。

それを「商売」や「儲ける」手段とはき違えて始めてしまった僕らの世代に待っていたのは、ただ「失望」だったというわけです。

「商売」にならなくとも、せめて「承認」を……
それもブログ(や投稿メディア)の落とし穴でしょう。
そうすると、「いいね」の相互ギブアンドテイク協定みたくなってしまい、ブログがつらくなってしまうかもしれません。

ブログに限らず、「書く」あるいは「表現する」とは、本来、地下水脈的な営為でもあったと思うのです。
あまりにビジネスの側面が強調されすぎたことによって、コンテンツの内容が空疎化してしまった嫌いがあるようです。

ブログは本来「地下水脈」のようなものだと思います。


(あとがき)
「儲ける」や「稼ぐ」がどうだっていいんだ!と啖呵を切りにくい部分は正直あるんです。
アルバイトで月収は10万行くか行かないかですし、生活保護みたいな選択肢がチラつくこともあります。
でも、本来、なんのために書いたり表現したりするんだろう?って考えるとそもそもビジネスのためなのかという疑問は湧きます。

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