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#なんでもない日の特別な時間。vol.7 「これしかない という生き方」


@isam1_takayama

ひとつの小さな出会い


肉のエキスパートである高山いさ己さんが生まれ育った焼肉店は、浅草の老舗焼肉店でありプロの焼肉屋も通う名店だ。
「もうご飯はほとんど毎日焼肉でしたよ。週に6日、多い時には1日3回食べていた時もありましたね。」
一見なんて羨ましい環境だろうと思ってしまうが、当時の焼肉はほとんどがタレに絡ませてある肉を鉄板で焼くスタイルのものだったそう。「本当に毎回同じ味だと、子どもでも流石に飽きましたよ。」と笑って話してくれた。
「毎日の食事が嫌にならないよう兄とよく工夫していました。例えば、溶き卵の中にごま油とネギを入れて、焼き上がった肉をそこにくぐらせて韓国風すき焼きのように食べたりとか。今思えば、それこそレシピ開発のような夕飯でしたね。子どもながらお肉を焼くとき、バターの分量を変えるだけでこんなに味が違うんだ、と感じたこともありました。」
肉の魅力を引き出すアイデアは幼少期のこの頃から自然と育まれていたのかもしれない。
また学生時代は、美食家だった母に連れられさまざまな飲食店を食べ歩いていたという。「ある洋食店で『ムール貝の香草焼き』を食べたんです。その味と香りが、それまで慣れ親しんだものじゃなかったので衝撃的でしたね。そこからヨーロッパの食文化に興味を持っていきました。ヨーロッパの人達がどんなものを食べてきたのか知りたくて。」
たったひとつのメニューが高山さんの人生を大きく変えたのだ。

豚フィレ肉のパレルモ風カツレツ(仕込み)
豚フィレ肉のパレルモ風カツレツ

歴史を刻むということ

「学生の頃、実は考古学者を目指していて勉強が趣味のようなものでした。家が潰れるんじゃないかくらい大量の本を買い込んで読んでいたんですよ。その中でやはり、ヨーロッパの食文化の歴史にとても興味がありました。でもふと考えた時に、今現代の人々がしているこの食事も100年後は歴史になるわけじゃないですか。
今生きている人たちの食事を作っていくことも未来から考えると歴史を刻んでいることになるんですよね。だから机に向かって勉強するか、包丁を握るか、選んだときに料理人になろうっていうのはある意味僕の中で賭けでした。」
そこからはひたすら雑誌でお店を見つけては片っ端から食べ歩いていたそう。そして西麻布にある一軒のレストランで「美味しい、ここだ!」と感じ、直談判。料理の世界へと足を踏み入れた。

「最初のレストランで数年勉強させてもらった後、僕の料理のレベルが今どのくらいの立ち位置にいるのか他の店で腕試ししたいと思ったんですよね。そんな時、当時欠かさず見ていたテレビ番組『料理の鉄人』で勝利したシェフが新店舗を出すと知ってすぐ応募しました。」そして、その後見事採用。
24歳の時にはシェフとして抜擢、「日本のイタリアン100人シェフ」に選ばれ、料理界に名を知らしめることとなる。その後は本場イタリアへと渡り、料理の腕をさらに磨き、帰国後は都内数店舗でシェフを務め、31歳で独立に至った。
独立後も高山さんの勢いは止まることなく、神楽坂イタリアン「カルネヤ」や「si si 煮干啖」などを次々とプロデュース、飲食業界に数々のムーブメントを起こしていく。そして2021年7月には、新宿御苑前で紹介制のステーキハウス「ナスキロ」をオープンさせた。
「知り合いのシェフの手伝いで新宿に行く機会があり、新宿って面白い街で、ここにいれば色んな人と出会えるんだってワクワクしちゃったんです。それで新宿に店を出そうって決めてからは、約2カ月でオープンしました。」
仕事に対してかなりストイックだという高山さん。過去、休みは年に1.2回だったこともあるという。
「今まで何か作るときは、これで本当にいいのかなぁと考えながら常に試行錯誤してきました。」失敗と成功を積み重ね、気が遠くなるほどの仕事量が身体に染み付いている。そうした結果、誰も作ったことのないものを生みだしてきたのだろう。

鶏胸肉の皮カリカリ焼き

肉は生命維持装置


「肉は2つの意味で僕の中での生命維持装置です。1つは僕の身体を作っているもの。もう1つは僕の料理人として。si si 煮干啖では肉ではなく魚を提供していたのですが、周りからはなんで肉やらないの?って散々言われました(笑)。一般的に料理をやる人って日本食か洋食か、もしくは魚なのか肉なのか、ある程度選択するじゃないですか。でも僕は『肉しかない』という生き方をしてきたんです。常に背水の陣でしたよ。」と笑って話してくれたが、窮地に立って、生み出さなければならない時を切り抜けてこそ料理は磨かれていくのだと感じた。

マルチグリル BBQ & コンタクトグリルプレートの魅力


「テーブルの上に乗せて料理ができるのがいいですね。簡単に言えばホットプレートの役割ですが、ひっくり返さなくて済むことこれが一番のメリットだと思います。家庭では中々難しいステーキ肉が時間と温度を設定するだけで簡単に焼けるなんて無敵ですよ。」
更に2つの面は別々に温度調整ができるので2つの料理を同時進行できることも魅力。お肉を焼きながら隣のプレートで付け合わせの野菜を焼くなどメニューの幅も広がる。「ポイントとしては、油をプレートではなく肉の表面に塗れば綺麗な焼き色がつきます。マルチグリルの温度に対応できるように、ちょっとした工夫をすることも大事です。」そんな高山さんがおすすめするレシピは、コンタクトポジションで挟んで焼くだけでできる、シンプルながらも「肉」を存分に味わえる牛ランプ肉の厚切りステーキや、上プレートを浮かせたグリルポジションで作る、まるでピザのような豚ロース肉のピッツァイオーロ風など。簡単だけど華やかに、毎日の食事がいつもよりおしゃれで特別な時間になるだろう。

牛ランプ肉の厚切りステーキ

なんでもない日の特別な時間

「昨日、娘とデートしたんですよ。普段あまりお互い予定が合うとことはないんですがたまたま2人とも家にて、ちょっと中華食べに行こうよ。なんて誘ったら結果3軒くらいお店回っちゃいました。」
娘と2人でいると父ではなく、まるで兄妹のような関係でいる高山さん。
休日を共に過ごし、ご飯を食べて、笑い合う。
家族との絆を深められる、なんでもない日の特別な時間。
「僕は家族みんなでって言うよりそれぞれサシでご飯に行くのが好きです。その方がお互いより深く、色んな話ができるから。」
背水の陣で戦ってきたという高山さんだが、きっといつだって彼を支えていたのは大切な家族だったのだろう。

豚ロース肉のピッツァイオーロ風


高山いさ己さん(@isam1_takayama)
インタビューありがとうございました!

紹介制ステーキハウス:ナスキロ(@nasquillo


「おいしい」をまんなかに。
なにげない毎日をちょっといい毎日に変える、
デロンギ・キッチン。

だれかのことを思うと、
おいしいものを作りたくなる。
おいしいものができると、
だれかに会いたくなる。
みんなで囲む食卓はカラフルでいつもの景色をちょっと特別にしてくれる。
さあ、料理しよう。飾らない、いつもの味で。


キッチンという場所が家の中でも「見せる場所」になっている今日。デロンギではキッチン家電こそ、毎日使うもの、毎日そこにあるものだからこそこだわってほしい、そんな思いを込めてお届けしています。
毎日使いが楽しくなる、イタリアンデザインの機能的な電気ケトルや、コンパクトサイズなのにパワフルで、毎日の食卓を楽しく彩るお手伝いができるコンベクションオーブン。そして、まるでレストランのような本格的なお肉料理が楽しめるマルチグリル。
デロンギ・キッチンでは、なにげない毎日を特別な日に変える、そんな「なんでもない日の、特別な時間」をこれからもお届けしてまいります。


今回、お話いただいた製品はこちら

デロンギ  マルチグリル BBQ & コンタクトグリルプレート[CGH1011DJ]

BBQ、コンタクト、グリル。3つの調理ポジションでどんな食材もイメージ通りに焼き上げます。立ち上がりが早く温度のムラがないので本格的な料理が誰にでも簡単に。毎日の食卓やパーティーシーンでも活躍してくれること間違いなしです。

デロンギ  マルチグリル BBQ & コンタクトグリルプレート[CGH1011DJ]




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