部活動について思うこと

はじめに

「部活動の地域移行」について、さまざまなメディアで、肯定的に受け取られている。私自身も、部活動を地域に移行するべきである、と考える1人である。
 しかし、同時に地域移行した時、生徒とのかかわり方に変化が出て、自分の生徒理解の方法を変えていく必要があることに気付かされる。

1)部活動があるから学校に来ていた生徒へのアプローチ

 自分の中学生の時もそうだったが、学校は部活動をするために行っていた。クラスも好きだったが、一番好きだったのは部活動だった。
 学校には、当時の私と同じように考える生徒がやはり一定数存在する。そして、その中には、教室や日中の学校には行けないが、部活動の時間にだけ登校する生徒がいる。
 そうした生徒は、地域移行された場合、学校の教員と顔を合わせる機会がぐっと減ってしまうことが予想される。
 もちろん学校が全てではない。本人と保護者が納得しているのであれば、学校側が無理に本人にかかわる必要もないのかもしれない。本人が怠惰傾向で、保護者は学校に行かせたいと考えている場合、問題が生じる。
 これまで、部活に出るために学校に来ていれば、そのタイミングで課題やテストを受けることができていた。また、部活動に出るためには、最低限〇〇をして欲しいという指導や支援ができた。しかし、部活動が無くなり学校に来る必要が無くなれば、そうした指導や支援は難しくなる。

2)練習の様子を通した生徒理解

 生徒理解を深める場の一つとしても、部活動は大きな役割を果たしていた。勉強は苦手だけど部活動では中心人物として頑張っている、部活動の練習で悩んでいることがあるらしい…など知ることは多い。
 そうした時間が減ってしまうのは、実は残念であるのも事実である。もちろん、現在も地域のクラブチームで活動している生徒も少なくないため、生徒理解に問題ないことは頭ではわかっている。しかし、日常の指導が困難な生徒ほど、部活動で頑張る姿を見てしまうと、残念だなぁという気持ちが消しきれないのである。

おわりに

 ただ、こうした私の思いは、地域の指導者との情報交換や意思疎通が取れれば解決されるものでもある。むしろ、部活動以外の学校の魅力、生徒理解の場面を増やしていく努力にを教員がしてかなくてはならないのだろうと思う。

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