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実在する”ウロボロス遺伝子”

 ウロボロス (ouroboros) は、古代の象徴の1つで、自身の尾を噛んで環となったヘビもしくは竜を図案化したものです。語源は、「尾を飲み込む」の意味の古代ギリシア語(ουροβóρος:ウーロボロス)から来ています。

 ウロボロスには、1匹が輪になって自分で自分を食むタイプと、2匹が輪になって相食むタイプがあります。ヘビは、脱皮して大きく成長するさまや、長期の飢餓状態にも耐える強い生命力などから、「死と再生」「不老不死」などの象徴とされています。そのヘビが、自らの尾を食べることで、始まりも終わりも無い完全なものとしての象徴的意味が、ウロボロスに備わったと考えられています。私の連載小説『ウロボロスの遺伝子』も、”始まると終わりを繰り返す”ストーリーを書きたいと思って、こんなタイトルにしました。

 全くの偶然ですが、”ウロボロス遺伝子”と命名された遺伝子が本当に存在するようです。オタマジャクシがカエルになる時、ほとんどの器官は幼生型から成体型へと大規模につくり換えられますが、やがて消える尾の皮膚だけは幼生型のままです。最新の研究によると、いずれ消えてしまう尾の消失には、ある特定の遺伝子が関与していることがわかりました。この遺伝子は、己の尾を食らう動物の意味のオウロボロス(Ouroboros)から”オウロボロス遺伝子”と命名されました。

 私はこの遺伝子の存在は全く知りませんでした。最近、検索していて偶々知りました。こんな偶然の一致もあるんですね^^。



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